「なんとかなる」ではならない災害対策①防災落語家に学ぶ備え

リビング和歌山8月25日号

 9月1日は防災の日、9月は防災月間です。大阪府北部で大地震が発生したり、西日本で豪雨被害に見舞われたり…、と災害が頻発(ひんぱつ)している今、改めて家族や地域で防災・減災対策について考えたいもの。2週にわたって災害への備えについて掲載します。

“和歌山のおばちゃん”こと落語家が
“防災士”となって命と笑顔を守る活動

防災落語家として啓発に取り組む桂枝曾丸(しそまる)さん

“和歌山のおばちゃん”のキャラクターで親しまれている落語家の桂枝曾丸さん。今年、芸能生活30周年を迎え、ますます活躍の場を広げている中、“防災落語家”としても熱弁を振るっています。「和歌山県では近い将来、大地震が発生すると予測されているのに、和歌山人気質なのか、“災害来ても、なんとかならよー”と思っている人が本当に多い」と指摘します。

「災害に対してもっと危機感を持ってもらうには…。噺家(はなしか)という職業を生かして、何かできないかと前々から考えてはいたものの、生死に関することを“笑い”で表現するのが不謹慎ではないかという思いもありました。だからこそ、資格を取りました」と枝曾丸さん。日本防災士機構が認証する「防災士」の資格を取得。さらには、「応急手当普及員」「メンタル心理カウンセラー」の資格も取り、“お笑い”を通じて命と笑顔を守る活動に奔走しています。

防災ゼミナールで意識啓発

「なんとかなる」から「なんとかする」に
自分の身は自分で守り、地域力の向上を

落語家であり、防災士・応急手当普及員・メンタル心理カウンセラーでもある枝曾丸さんの新たな取り組み「防災ゼミナール」は、①防災落語②防災絵解き説法③応急手当講習④地域防災ウォークの4項目あります。

枝曾丸さんは、「高齢者や小さい子ども、そのお母さんたちに関心を持ってもらうきっかけになればいいなと、自分が学んだ知識をできるだけ分かりやすい内容で、笑いを織り交ぜながらレクチャーしています。何をするかは、自治体や学校、民間団体など主催者の意向と参加者層を鑑みながら決め、地域に合った話ができるように下調べもします」と説明します。

その中で、枝曾丸さんが声高に訴えているのは、「“自分の身は自分で守る”ことと“地域力の向上”」。「例えば、今この新聞を読んでいる最中に地震が起こりました。どうします?」という枝曾丸さんの問いかけに対して、どう答えますか。

「堅いものの下にもぐる」「屋外に逃げる」など状況によって対応は異なりますが、「皆さん頭では分かっていると思うんです。でも、震度6とか7で揺れている中でとっさにその行動ができるかといえば、できない。となると、家具の転倒防止や出入り口にものを置かないなど、日ごろから防災を意識した暮らしをすることが大切」と言います。

そして、こう続けます。「命が守れたら、次は生き延びなければいけません」と。そのためには、水や食料の備蓄も必要ですが、土砂崩れや水害でもしも集落が孤立してしまったら…。地域の人たちの助け合いも必要ですよね。昨今、近所付き合いの希薄化が叫ばれる中、「災害時において横のつながりは大事。だからこそ、祭りなどの地域活動には参加してほしいんです」とも。

“和歌山のおばちゃん”の願いは、“なんとかならよー”ではなく、“あがらでなんとかするよー”になることだそう。

1 防災落語(防災指南)

地域の防災訓練に参加した和歌山のおばちゃんたちのドタバタ劇を通して、正しい防災知識を訴求

 2 防災絵解き説法

過去の災害を踏まえ、先人たちの教えや災害が発生した際の行動指針などを、愛嬌(あいきょう)ある漫画で啓発

 3 応急手当講習

心肺蘇生法やAEDの使い方、ケガの手当てなど、消防署員と一緒に実践を交えながらレクチャー

4 地域防災ウォーク

普段何気なく歩いているまちなかを、「防災」というキーワードを持ってまち歩き。避難経路や危険な場所を確認

 

平成30年度和歌山市高齢者保健福祉振興大会

日時 9月4日(火)午後2時15分~3時25分
内容 講演「桂枝曾丸と学ぶ暮らしのそなえ~健康トーク&防災落語〜
会場 和歌山市民会館小ホール
問い合せ 073(435)1063 和歌山市高齢者・地域福祉課

第16回和歌山市薬剤師会市民講座「健康サポート2018」

日時 10月28日(日)午後2時~3時半
内容 特別講演「防災落語
会場 プラザホープ(和歌山市北出島)
問い合せ 073(428)1250 和歌山市薬剤師会事務局

 

「防災の日」に家族で聴いて、災害対策を

「犬犬学学(けんけんがくがく)」「饅頭可愛(まんじゅうかわい)「防災指南」の3作が収録されています。「HITSイシイ小松原本店」(和歌山市小松原)などで販売、価格は2000円。

問い合わせ 桂枝曾丸事務所
電話 073(474)4315
メール sisomaru@nexnet.or.jp

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