【天皇杯1回戦レポート】J2山形に詰め寄るも、勝ちきれず敗退

8月27日(土)、アルテリーヴォ和歌山はNDソフトスタジアム山形(山形県天童市)でJ2のモンテディオ山形と対戦。勝負は1-1で延長戦にもつれ込み、延長戦終了2分前に失点。2012年の2回戦以来だったJ2以上のクラブとの対戦は1-2で惜敗し、2回戦に駒を進めることはできませんでした。

前半は相手にボールを持たれる時間が長く、守備に回ることからサイド突破の先制のチャンスを狙いましたが、22分に山形に先制点を奪われました。26分、白方淳也選手から細川勇介選手とボールをつなぎ、林慧選手が走り込んで足を合わせましたが、枠の外。38分には相手ディフェンスの間を抜け出した白方選手がゴールネットを揺らしましたが、オフサイドの判定。0-1で前半を折り返しました。

まずは1点を返したい後半、立ち上がりから高い位置でプレー。アルテリーヴォがボールを持つ時間が長くなり、いつもと変わらない攻撃的なスタイルを見せます。55分、鈴木翼選手が低い位置からドリブルで前線に。相手選手をかわしてクロスをあげ、逆サイドにいた白方選手が頭を合わせてゴール。スコアを並べ、勝負を振り出しに戻しました。その後も、フリーキックなどでゴールを狙いましたが、得点を奪うことはできず、試合は延長戦へ。

1点を返し、山形まで駆けつけたサポーターの元に駆け込んだ白方淳也選手。和歌山サポーターを歓喜させるゴールを決めるも、試合後「結果がすべて。負けてしまえば意味がない」と、悔しさをにじませました。

1点を返し、山形まで駆けつけたサポーターの元に駆け込んだ白方淳也選手。和歌山サポーターを歓喜させるゴールを決めるも、試合後「結果がすべて。負けてしまえば意味がない」と、悔しさをにじませました。

白方選手が「自分たちの体力が尽きてきたころ、山形側にはまだ余力があった。それがチームの力の差なんだと痛感した」と振り返ったように、延長戦に入って徐々に疲労が見えてきたアルテリーヴォ。それまで嘉味田隼選手の好セーブや、フィールド選手全員が走ることで相手の決定機をしのいできましたが、延長戦終了間際の118分に失点。残り2分で再び追いつくことができず、1-2で敗れました。

坂元要介監督は、「Jリーグを目指すと言っている以上、Jクラブとも肩を並べて戦えるところを示さなければいけなかった。JFL昇格をかけた戦いでこのような結果では、『残念だったね』で済まされない。勝ち切ることができなかったのは、本当に悔しいし、自分たちの弱いところです。必ずリーグ戦で優勝して昇格できるよう、また出直します」と話しています。

選手たちもまた、一度スタンドに挨拶してロッカールームに戻ったのち、もう一度サポーターの元に戻り、挨拶。遠く山形まで駆けつけてくれたことへの感謝とJFL昇格への決意を表明し、深く頭を下げました。

同点弾をアシストした鈴木翼選手は、中学時代からモンテディオ山形の下部組織で育ちました。2013年からの2年間は、トップチームに在籍。しかし、山形のホームであるNDソフトスタジアム山形のピッチに足を踏み入れることなく、2015年に和歌山へ移籍。今回の試合で、プレーしたかった場所に対戦相手として立ちました。
先発選手の発表では、山形サポーターから山形の選手に送るものと同等の大きな拍手が送られた鈴木選手。試合前に「山形の人たちに成長した姿を見せられれば」と話していましたが、実際に大きく成長した姿を示し、試合後にはスタジアムに響き渡る「ツバサ」コールが沸き起こりました。鈴木選手は山形サポーターにも挨拶し、彼のプレーと成長を賞賛する声にこらえきれず涙を流していました。

次の試合は、『関西リーグ』第12節。9月10日(土)14:00キックオフ。ビッグレイクB(野洲川歴史公園サッカー場/滋賀県守山市)で、レイジェンド滋賀FCと対戦します。

止まない「ツバサ」コール受け、山形サポーターの元に挨拶しにいく鈴木翼選手。スタジアムを出るバスを見送るために出待ちする山形サポーターも少なくありませんでした。

止まない「ツバサ」コール受け、山形サポーターの元に挨拶しにいく鈴木翼選手。スタジアムを出るバスを見送るために出待ちする山形サポーターも少なくありませんでした。

Text&Photo by 前田カオリ
和歌山県出身、サッカー主体のフリーライター。関西を中心に、育成年代から地域リーグまで幅広く取材中

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