さぁ、夏休み! 未来の科学者発掘プロジェクト 理科っておもしろい

 子どもの“理科離れ”が叫ばれるようになって久しいですが、本来、好奇心が旺盛な小学生は観察や実験が大好きなはず。その“好き”を伸ばし、可能性を広げてあげることで、将来、わが国の最先端技術を背負って立つ人材に…。この夏休み、子どもの興味を引き出してあげませんか。

“理科離れ”を問題視するよりも
日本の科学技術を応援する気持ちを

和歌山大学教育学部
理学博士石塚亙教授

文部科学省が実施している全国学力・学習状況調査のアンケート調査で、2015年度に「理科の勉強が好き」と答えた小学6年生は83.5%。18年度、中学3年生になった彼・彼女らに同じ質問をすると、「好き」と答えたのは62.9%。「文科省は減り方を何%と想定していたのか分かりませんが、この結果から、『理科離れが』と問題視するのは、違うような気がします」と、和歌山大学教育学部理学博士の石塚亙(わたる)教授は指摘します。

石塚教授いわく、「その現象はスポーツでも同じこと」だとか。小学生のころはサッカー少年でも、中学生になると興味が他に移ったり、戦術を求められることが嫌になってやめてしまう子も。「小学校の理科の実験は音が出たり、色が変わったり、成功することが前提にあり、楽しくておもしろいもの。でも、私たち研究者は、理論を覆すために実験を行います。中学になると大人の実験に近づくので、楽しさは薄れて当然」と石塚教授。

「だから、全員が好きでなくていいんです。むしろ、“大嫌いな大人”を作ってしまっていることが問題。プロを夢見て挫折したサッカー青年が、大人になって日本代表を応援するように、日本の科学技術を応援する気持ちを持ってほしい」と。

未来の“科学者の卵”を育てよう

理科は人類が生き延びるための教育
どの分野に関心を持つかは興味次第

お父さん、お母さん、子どもから「理科の勉強って大人になって役に立っている?」と聞かれたら、どう答えます? 「これは、かつて日本物理学会の会長を務められた北原和夫さんがおっしゃっていた言葉ですが、『理科は人類が生き延びるための教育』と。人類が300万年ほど前から今日まで生き続けているのは、物を投げたり、火をつけたり、『科学する知恵』があったから」と、石塚教授は説明します。理科を小難しくとらえ、苦手意識を持っているのは、親の方かもしれません。

「基本的に小学生は理科が好きです。驚きと不思議がいっぱいの楽しい楽しい時間ですからね。その“好き”を“大好き”に伸ばしてあげれば、『スポーツ選手になって金メダル』と同じように、『研究者になってノーベル賞』という子どもの夢も増えるのでは」と。

日本FP協会が実施している「小学生の将来なりたい職業ランキング」(2018年)で、「科学者・研究者」は男子児童の10位にランクイン。同じく男子児童の1位は野球選手・監督、2位はサッカー選手・監督。「理科といっても、物理学、化学、生物学、地学とあり、さらに細かく分類され、何に関心を持つかは、本人の興味次第。また、スポーツと同様、指導者に影響されることもあれば、適性もあると思います。小学生の間にいろいろな経験をさせてあげて」と石塚教授。夏休みに参加できる「サイエンスイベント」を集めました。自由研究にもお役立てください。

和歌山からノーベル賞受賞者を! 地域の取り組み

島ものづくり塾(島財団)(https://shimazaidan.or.jp/)

“紀州のエジソン”と呼ばれ、子どものころから発明少年だった島精機製作所の島正博会長が、子どもたちに科学技術の不思議さや楽しさを体感してもらい、将来の科学技術の発展につなげようとものづくり塾を企画。「理科が大好きな少年・少女にレベルの高い講義、実験を…」との思いで、和歌山県内の教育関係者らで組織する委員会を立ち上げ、内容を検討。公益財団法人の「島財団」を設立して、今年度から通年制の「島ものづくり塾」を開講します。10月からスタートする1期生の塾生を募集中。なお、今年度は半年間のスケジュールで、小学校高学年クラスだけの開講ですが、来年度以降は低学年クラスの開講も予定しています。

開講日 10月20日(日)~3月15日(日) 第3日曜、午後1時~4時
場所 フォルテワジマ3階(和歌山市本町)
定員 30人程度
※応募者多数の場合は抽選
参加費 無料
※通塾支援として、和歌山市以外に在住する塾生に通塾支援制度(交通費)あり
対象 和歌山県内在住か通学している小学4年生~6年生
締め切り 8月9日(金)

申し込み・問い合わせ

島財団のホームページから「入塾申込書」をダウンロードして、必要事項を記入、捺印の上、郵送、ファクス、メールで、島財団・大門さん・村上さんまで

住所 〒640-8033
和歌山市本町2-1フォルテワジマ4階
FAX 073(488)6020
メール info@shimazaidan.or.jp
電話番号 073(488)6300

 

日本宇宙少年団和歌山分団(https://www.yac-j.or.jp/)

今年度は61人の分団員が活動中

和歌山リビング新聞社は、子どもたちの宇宙への夢を育むため、「日本宇宙少年団(YAC・ヤック)和歌山分団」を、地域貢献活動の一環として運営。2009年から毎年、分団員(小学4年生~中学2年生)を募集し、宇宙航空研究開発機構(JAXA・ジャクサ)や和歌山大学宇宙教育研究推進室、JAXAスペースティーチャーズ和歌山の協力を得て、宇宙や科学、自然など、幅広いテーマで1年を通じてさまざまな活動に取り組んでいます。

分団員が、水ロケットコンテスト近畿地区大会で優勝。全国大会へ

問い合せ先 073(428)0281

※今年度の分団員の募集は終了しています

きのくにサイエンスラボ(http://ksl2008.web.fc2.com/)

和歌山大学の宮永健史名誉教授が代表を務め、大学の教職員、和歌山県内の小・中・高校教諭、退職教員らで組織。それぞれの専門知識を生かして、2008年から科学教室、実験教室、工作教室などを実施しています。コミュニティセンターなどで開催する独自企画のイベントの他、小学校、PTA、子ども会、市民団体などからの依頼を受けて、出張講座や教室も。

楽しかった、驚いたで終わるのではなく、「なぜか?」を考える創意工夫を凝らした教室は大人も参加可能

問い合せ先 073(445)3843

わかやまSTC(サイエンス・シアター・キャラバン)

小・中学校の校長を務めた赤阪健司さんが、2006年から教員仲間、エンジニアらと活動を開始し、2015年にNPO法人に認定。図書館や公民館、教育委員会などから依頼を受け、地域の町おこしイベントやおまつりなどで、子どもや親子を対象とした科学教室、ものづくり教室を開催。学校などへの出前授業も引き受けています。年間70近くの出張講座・教室を実施(自主企画イベントは実施していません)。

問い合せ先 073(492)2337

 

冒険あそび倉庫(http://www.bouken-asobi.com/index.html)

プチハーバリウムづくり
ドライフラワーをミネラルオイルと一緒に小さなボトルに詰めると、かわいい植物標本集が完成。

開講日 8月3日(土) 午前10時45分~正午
場所 河南コミュニティセンター(和歌山市布施屋)
対象 小学生~大人
※小学3年生以下は作業の補助者が必要
定員 10人(先着順)
参加費 600円
締め切り 8月1日(木)

簡単で高感度な酸素センサーづくり
ボタン電池(空気亜鉛電池)と簡単な回路で、感度良く、瞬時に酸素濃度を測定できる理科実験用の酸素センサーを作ります。

開講日 8月18日(日)午後1時45分~5時
場所 北コミュニティセンター(和歌山市直川)
対象 小学4年生~大人
※小学4年生~6年生は作業の補助者が必要
定員 10人(先着順)
参加費 1000円
締め切り 8月16日(金)

申し込み・問い合わせ
ホームページの参加申し込みフォームから
※他にも多数イベントあり。
詳細はホームページ参照

問い合せ先 050(5243)2608(24時間自動音声)

 

和歌山県青少年育成協会(http://wpyda.org/)
親子サイエンス(科学)教室

第2回・電気の話/プログラミングロボット
モーターやLED、ロボットについて実物を見ながら説明。簡単なプログラムを作って、ロボットを走らせます。

開講日 8月3日(土)午前10時~正午
場所 和歌山ビッグ愛9階会議室A(和歌山市手平)
対象 小学生とその保護者
(初参加優先)
定員 親子ペア25組
※応募者多数の場合は抽選
参加費 無料
締め切り 7月26日(金)

第3回・ジャンピング・ロケット工作/超簡単モーター工作
大小のスーパーボールが衝突するエネルギーを利用して、ストローを使ったロケットを工作。モーターの原理や電気機器、機械についても学びます。

開講日 8月24日(土)午前10時~正午
場所 和歌山ビッグ愛9階会議室A(和歌山市手平)
対象 小学生とその保護者
(初参加優先)
定員 親子ペア25組
※応募者多数の場合は抽選
参加費 無料
締め切り 8月16日(金)

申し込み・問い合わせ
住所、氏名、年齢(学年)、電話番号と参加希望回数(第2回か第3回どちらか ※第1回は応募締め切り済み)を明記して、郵送かファクスで和歌山県青少年育成協会「親子サイエンス教室係」まで

住所 〒640-8319
和歌山市手平2-1-2和歌山ビッグ愛9階
電話番号 073(435)5236
FAX 073(435)5238

 

和歌山市立こども科学館(http://kodomo123.jp/)
親子サイエンス(科学)教室

親子で作ろうペットボトル双胴船(科学教室)
ペットボトル2本で双胴船を作って動かします。

開講日 8月10日(土)
午前9時40分~正午、午後1時40分~4時
場所 こども科学館3階実習室(和歌山市寄合町)
対象 和歌山市内に在住か通学している
小学1年生~2年生と保護者
定員 親子ペア16組
※応募者多数の場合は抽選
参加費 300円
持ち物 500mℓのペットボトル
2本(同じサイズ)
締め切り 7月21日(日)

二足歩行ロボットを作ろう(電気教室)
二足歩行ロボットを作って動かします。

開講日 8月20日(火)、21日(水) 午前9時40分~正午 ※2日間連続で受講
場所 こども科学館3階実習室(和歌山市寄合町)
対象 和歌山市内に在住か通学している
小学3年生~中学3年生
定員 20人
※応募者多数の場合は抽選
参加費 500円
締め切り 7月21日(日)

申し込み・問い合わせ

電話番号 073(432)0002(午前9時~午後5時)月曜休館

※他にも多数イベントあり。詳細はホームページ参照

 

きのくにサイエンスラボ(http://ksl2008.web.fc2.com/)
親子サイエンス(科学)教室

実験科学教室(8月)・電子工作を楽しもう!
電子回路の基礎を学び、電子ホタルを作って音を出します。光センサーも搭載。

開講日 8月17日(土)
午前9時半~11時半
場所 中央コミュニティセンター(和歌山市三沢町)
対象 小学4年生~大人
定員 20人程度(先着順)
参加費 400円
締め切り 8月12日(月)

申し込み・問い合わせ
電話かメールで。氏名、年齢、連絡先(電話番号・メール)、学校名、学年を明記して minoru875@gmail.comまで

問い合せ先 柳さん
電話番号 090(7486)0916

※他にも多数イベントあり。詳細はホームページ参照

 

わかやま産業振興財団(http://www.yarukiouendan.jp/)
親子サイエンス(科学)教室

おもしろ科学の実験工作教室(和歌山会場)
壁づたいメカてんとう虫、ライントレースカー、ソーラーカーを製作。ロボット操縦体験と作品による競技会も実施します。
写真出典:タミヤ、アーテック

開講日 8月22日(木)、23日(金)午前9時半~12時半、午後1時半~4時半
※2日間連続で受講
場所 和歌山県立図書館2階講義・研修室(和歌山市西高松)
対象 和歌山県内在住の小学4年生~中学3年生
定員 30人(先着順)
参加費 5000円(傷害保険料含む)
締め切り 8月1日(木) 午後5時

申し込み・問い合わせ
参加会場名(和歌山会場)、住所、氏名(ふりがな)、学校名、学年、年齢、性別、保護者氏名・電話番号を明記して、メールでわかやま産業振興財団テクノ振興部・河野さんまで

メール tk7@yarukiouendan.jp
電話番号 073(432)5122

※申し込み者の個人情報は参加受け付け、案内通知に利用されます

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