他メディアにはない魅力、災害時の備えにも ようこそ、ラジオの世界へ!

 テレビや動画配信サイト、ソーシャル・ネット・ワークサービス…さまざまな形で情報を得られるメディアがあふれる中、ラジオの面白さを再発見! 大規模災害が起きたときにも強い味方になります。

根強いファンを持つラジオ
災害時にも役立つ頼もしいメディア

情報を得るためのメディアが多様化している昨今。SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)や動画サイトなどが台頭する中でも、根強いファンを持ち、愛され続けるラジオに注目。普段あまり聞く機会がないという人も、今こそ、ラジオの世界の魅力に触れてみませんか。

また、災害時には大規模停電や通信網のマヒなどが起き、テレビやインターネットを使えない場合があります。そんなとき、情報収集手段として役立つのがラジオです。昨年、台風21号が猛威を振るい、和歌山各所で停電が多発。ラジオで情報を得ようとして、「久しぶりに引っ張り出してきたら、壊れていて使えなかった」「家にラジオがなく、車へ移動して聞いた」という声が多くありました。備えとして用意しているラジオも、普段から楽しんで使っておけば、いざ災害が起こったときにすぐに役立てられますよ。

エフエム和歌山・クロスメディア局長・山口誠二さん、和歌山放送・報道制作局アナウンサーの中川智美さんに、ラジオの楽しさや災害への取り組みについて話を聞きました。

話し手と聞き手が向き合えるラジオ

暮らしに関わる情報盛りだくさん
一対一で向き合うラジオの魅力

エフエム和歌山 クロスメディア局長
山口誠二さん

“バナナエフエム”の愛称でおなじみ、和歌山市のコミュニティラジオ「エフエム和歌山」。約50人の個性豊かなパーソナリティーが、多彩な番組を発信しています。これまでは、和歌山市を中心に、岩出市、海南市、紀の川市の一部地域での放送でしたが、今年2月に放送エリアが拡大。岩出市、海南市のほぼ全域、有田市、橋本市、大阪府は泉南市まで聞くことができるようになりました。また、インターネットラジオを利用すると、エリアに関係なく聞くことも可能。「海外在住の、日本語を勉強している外国人も聞いています」と、クロスメディア局長の山口誠二さんは話します。

番組放送中のスタジオ

同局のパーソナリティーは、9割以上が和歌山県在住。聞き手と目線を合わせ、地域性の高い情報を提供しています。普段あまりラジオを聞かない人におすすめしたい番組は、月曜~金曜午前11時~午後1時の「ランチブレイク・ラジオと一緒」。さまざまな場所からの中継や、ゲストが多く、生活圏内で役立つ情報が詰まった番組です。

公式ホームページからネットラジオを開き、ラジオネームを入力することで、番組に“参加”できるのも魅力の一つ。ラジオで名前が読み上げられることもあるとか。リスナーからのメッセージの送信も簡単。「このシステムを設けてから、メールの数が3倍に増えました」。パーソナリティーは、タイムリーにリスナーの存在を確認できるので、番組作りの励みになるといいます。

山口さんは、「パーソナリティーとリスナーは一対一。不特定多数に向けてではなく、ラジオの前の“あなた”に語りかけています。ラジオは公共のメディアでありながら、本音の話が聞けるのが面白いところ。孤独を癒やすツールでもあります」と。娯楽が多様化している今こそ、個性豊かなパーソナリティーが寄り添ってくれるラジオに親しんでみましょう。

また、エリアが小さいからこそ、地域の細かい情報を伝えることができる同局。災害時における情報発信についても、さまざまな取り組みが行われています(下記参照)。

エフエム和歌山防災への取り組み

 

●バナナ防災ラジオ
災害時の情報獲得に特化したオリジナルラジオ。災害が起きると、自動的に電源がオンに。また、他のラジオ局の番組を聞いていてもエフエム和歌山の緊急放送に切り替わりJアラートや防災無線が流れます。AC電源、電池の両方使用可。8640円。詳細はホームページ(https://877.fm/)へ。

●AIアナウンサー・ナナコ
2017年に放送が開始された、人工知能アナウンサー「ナナコ」。災害発生時、いつラジオを聞き始めても最新の情報が得られるよう、24時間繰り返しアナウンスし続けます。人の確保が難しい状況でも、情報発信が可能に。ニュースごとの区切りを分かりやすくするため、男性の声「八太郎」と交互に読み上げます。

聞くのにハマったら次は“参加”を
番組作りはリスナーとともに

和歌山放送・報道制作局
報道制作部主任・アナウンサー
中川智美さん

和歌山県内を中心に大阪府や兵庫県・淡路島、徳島県までを聴取エリアとするラジオ局・和歌山放送。地域のおいしい物、新しいお店など、ローカルネタを届ける、地元の人に寄り添った番組がそろいます。アナウンサーの中川智美さんに話を聞きました。

近年、パソコンやスマホを使って、無料で聞けるラジオアプリ「radiko(ラジコ)」が登場。有料会員になると、住んでいる地域に関係なく、他府県のさまざまなラジオ番組を聞くことが可能になり、ラジオの聞き方に変化が生まれています。「それまで和歌山県民や周辺の地域の人に愛されてきた、同局のラジオも、リスナーの幅がぐっと広がりました」。地域の濃い情報が多い地方のラジオ番組が、県外の人にもアピールできるツールになっているのです。

たとえば、金曜午後1時から、桂枝曾丸(しそまる)さんと中川さんが軽快なトークを繰り広げる「つながるワイド・しそまるの全開! 金曜日」。大のラジオフリークである、お笑いコンビ・爆笑問題の太田光さんが、radikoで同番組を聞いて気に入り、自身のラジオ番組で紹介。それによって、同番組とともに桂枝曾丸さんにたくさんの注目が集まるなど、新たな盛り上がりを見せています。

おすすめの番組について、中川さんは、「もちろんすべての番組と言いたいところですが、『しそまるの全開! 金曜日』や、ウインズ平阪さんの『紀州和歌山へ!』など、和歌山を中心に活躍する人が、地元の情報を届ける番組は世代を問わず楽しめます」と。AKB48チーム8の山本瑠香さんが登場する「WA! ERA」は、SNSを駆使した“参加型”で、若者に人気を集めています。

「もしラジオを聞くのにハマったら、メッセージを送るなど、参加してみると楽しさがきっと増しますよ。アナウンサーとしても、お便りをもらえることが一番うれしい。リスナーと一緒に番組を作っているという感覚をいつも持っています」と中川さん。和歌山放送は、本年4月で開局60周年。ますます愛される番組作りをと、今後の進化にも期待がふくらみます。

和歌山放送防災への取り組み

地震などの大規模災害が発生すると、放送局や送信所が被災し、通常の放送が行えなくなる場合が。和歌山放送は、そんなときに他の放送局と助け合い、情報発信を行えるように、(大阪、兵庫、京都、三重、徳島といった)近隣府県の放送局などと、相互援助協定を結んでいます。9月1日の「防災の日」、11月5日の「世界津波の日」、阪神・淡路大震災が起きた1月17日などの節目ごとに、協定を結んでいるラジオ局でネットを組み、振り返り番組などの放送を行っています。

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