和歌山県由良町の新名物 海のスーパーフード 紀州あかもく

 コバルトブルーの澄んだ海が美しい由良町に自生する“アカモク”。海のスーパーフードとして栄養価値が見いだされ、町の新名物としてデビュー。少しずつ認知度を上げています。まだ食べたことがないあなたも、ぜひこの機会に。

県内で食用に加工するのは由良町だけ
今年3月「プレシニア和歌山」に認定

和歌山市から阪和道、湯浅御坊道路を経て約1時間、由良町にある海の地区“小引・戸津井”の比較的沿岸に近い浅瀬に群生している海藻「アカモク」。4月末ごろか5月に入るころ、その成長を見計らって収穫が始まります。収穫されたアカモクは地元で加工し、パッケージされて「紀州あかもく」として販売されます。今年3月、優良な県産品を選定・推奨する「プレミア和歌山」にも認定されました。

紀州日高漁業協同組合(御坊市塩屋町)が商品化し、紀州あかもくの販売を始めたのは2016年。初年度は0.6トンを収穫して商品化、翌年は1.8トンを収穫しました。この年にはテレビ番組などで取り上げられ、話題となった影響で品切れ状態となり、3年目の昨年は4.4トンを収穫。その人気ぶりは変わらず出荷は順調で、「今年は5~6トンの収穫を目指しています」と意気込む同漁協戸津井支所の地区筆頭理事・中村和孝さん。人気の秘密はなんでしょう?

アカモクの特徴は、なんといっても“粘り気”。このネバネバには「フコイダン」という成分が豊富に含まれています。同漁協は紀州あかもくの商品化にあたり、近畿大学の協力を得て、その栄養価を検証していました。

人気の秘密は“美容”と“健康”

ネバネバ成分にはフコイダン
ミネラルやポリフェノールが豊富

由良の海で育つ海藻・アカモクは、収穫されると地元の施設で丁寧に水洗いされ、湯通しをして細かく裁断されます。これをパッケージに詰めて「紀州あかもく」として販売。現在は町内だけでなく、和歌山県内のスーパーなどに取扱店が増えてきました(和歌山市近郊の販売店は下記参照)。

紀州日高漁協戸津井支所の中村和孝・地区筆頭理事(左)と、ランチに紀州あかもくの料理を提供する平佐館の東宏美さん

紀州あかもくが人気を集める理由は、その栄養成分。紀州日高漁協は、近畿大学とUHA味覚糖による産学連携プロジェクトの拠点「KISS LABO(キス・ラボ)」に成分分析を依頼。その結果、紀州あかもくには、フコイダンが豊富に含まれることが分かりました。

フコイダンは食物繊維の一種で、コンブやワカメ、モズクなど海藻類の粘質物に多く含まれますが、紀州あかもくは固形の状態で8割近くがフコイダン。整腸作用や抗酸化作用があり、これらの効果を体内で発揮するために重要な役割を果たすフコースという成分も検出。そのほか、ポリフェノールやビタミンK、カリウムやマグネシウム、カルシウムなどのミネラル成分も多く、美容や健康をキーワードに注目を集めることになりました。

袋から出すと、ネバ~とろ~っとしている紀州あかもく。このネバネバに魅力がたっぷり詰まっています。

質の良いアカモクを収穫するには
時期の見極めが重要

収穫の様子

「この粘り気があるアカモクを収穫するには、時期を見極める必要があります」と話すのは、紀州日高漁協戸津井支所の地区筆頭理事を務める中村和孝さん。アカモクの商品化に尽力してきました。「春先に芽を出し、水温の上昇とともに成長しますが、胞子を出すように成熟しないと、特有の粘りが十分に出ません。また、時期が遅れると食味が悪くなってしまう。質の良いアカモクを収穫できるよう、今年も一番いいタイミングを見計らっています」とも。一年のこの時期しか収穫できないため、すぐに加工し、冷凍保存しておきます。

中村さんは地域の組合員たちに呼びかけ、「あかもく会」を結成。30歳から最高齢は80歳代まで、現在は男女18人が収穫と加工を担っています。「地元漁業の活性に」との思いが、紀州あかもくに託されています。

町内の旅館であかもく料理を提供
くせのない味でアレンジを楽しめる

海中で育つアカモク。群生が確認され、商品化されているのは、県内では由良町のアカモクだけ

紀州あかもくは、由良町内の旅館で宿泊客にさまざなま料理として提供されています。その一つ「平佐館」では、ランチ営業でもあかもく料理を提供(下記参照)。平佐館を切り盛りする東宏美さんは、「だしやポン酢などで味を付けるだけでも食べられますし、くせのない味で、いろいろな料理に合います。ネバネバと、少しコリコリっとした食感もあって、丼もそうめんも人気です」とにっこり。

地元では、サラダにトッピングしたり、同じ“ネバネバ”のオクラや納豆と合わせたり、また、みそ汁などに入れてとろみをつけたり…と、さまざまな食べ方で親しまれています(左上参照)。中村さんは、「湯通しをして細かく裁断してパッケージしているので、袋を開ければすぐ食べられ、そのまま料理に使えます。そんな手軽さも喜ばれているんだと思います」とも。

「紀州あかもく」は、100グラム入り300円で販売。まだ食べたことがない人は、この機会にいかがでしょうか。そして、あなたなりの食べ方を考えてみませんか。リビング和歌山は、由良町観光協会・紀州日高漁協とコラボし、「アイデアレシピ」コンテストを企画しました。ヘルシー食材として、ますます注目したいですね。

※甲状腺機能障害などで通院中の人は、海藻に含まれるヨウ素の摂取の仕方に注意が必要な場合もあります。医師に相談を

スーパーマツゲン県内全店舗 (店舗により品切れの場合もあり。5月中旬には出そろう予定)
産直市場よってって 狐島店(和歌山市狐島607-1)、 岩出店(岩出市中島753-1)
JA紀の里ファーマーズマーケット めっけもん広場(紀の川市豊田56-3)

イベント

白崎海洋公園、一部開園
4月20日(土)・21(日)
2日間の記念イベントで紀州あかもくの販売も!

“日本のエーゲ海”とも表現され、真っ青な海と白い石灰岩のコントラストが美しい由良町の白崎海岸。昨年9月、台風21号により大きな被害を受け、休園していた「白崎海洋公園」が、4月20日(土)に一部開園。道路情報や観光情報を提供する「道の駅・白崎海洋公園」も併せて再開します。人気だったログハウスやダイビング施設があったエリアはまだ休園中ですが、きれいな風景を眺めたり、ほっと一息つける休憩所として立ち寄れます。

開園を記念し、20日(土)と21日(日)に地域の物産が集まる「軽トラ市」が開催(午前10時~午後3時)。この市で「紀州あかもく」も販売されます。

開園時間

営業時間 午前8時半~午後5時15分
(12月29日~1月3日の年末年始を除く毎日)
※駐車場と公衆トイレは24時間利用可能
由良町産業建設課 0738(65)1203

店舗

JA紀州Aコープゆら (由良町里279-1)
檜屋 (由良町門前554-3)
紀州日高漁業協同組合戸津井支所 (由良町戸津井273-2)

平佐館

あかもく丼 756円
しらすと紀州あかもく、アボカドに卵をトッピング。ビタミン、たんぱく質が加わり、バランスよく栄養が摂取できます。

 

あかもくそうめん 702円
これから暑くなる季節にぴったり。あかもくのシャキシャキ・ネバネバが、ひんやりとしたそうめんにツルっと絡ります。

 

あかもくにゅうめん 702円
温かいお汁ものメニューとして季節を問わず人気。だしがあんかけのようにとろ~っとにゅうめんに絡ります。

 

店内で「紀州あかもく(100g入り)」も販売

住所 由良町吹井715
ランチ営業時間 午前11時~午後2時
休日 不定休
紀州日高漁業協同組合戸津井支所 0738(65)1023

紀州あかもくを使ったアイデア料理を大募集! 育ち盛りの子どもにも、“美”を意識する女性にも重宝する食材です。あなたなら、どうアレンジしますか? 今回は特別に、由良町観光協会と紀州日高漁協の協力で「賞」を5人に用意しました(下記参照)。読者の皆さんから集まった「アイデア料理」を審査して、5つのレシピを選んで賞品を贈ります。選ばれたレシピは紙面で発表しますので、お楽しみに!

由良町で味わうハモしゃぶフルコース ペア食事券(1人6500円相当)
紀州あかもく(5パック)のお土産付き

由良町観光協会に所属する旅館または料理店で飲食

応募方法
 あなたが考えた「紀州あかもく」を使ったアイデア料理を教えてください。「料理名」と「作り方」(あれば写真)に、〒住所、名前、年齢、電話番号を添えて(紙面に掲載する場合があるので、匿名希望の場合はペンネームも)、右記の方法で応募してください。※応募があったアイデアレシピは「紀州あかもく」をPRするために使用されることがあります。応募者の個人情報はコンテスト実施にあたり由良町観光協会・紀州日高漁協に提供します。同意の上、ご応募ください

宛先
郵送(ハガキまたは封書)
〒640-8557(住所不要)
和歌山リビング新聞社「紀州あかもくアイデア料理」係へ
メール living@waila.or.jp同係へ

応募締め切り
5月31日(金)必着

問い合せ

電話番号 073(428)0281
和歌山リビング新聞社 土曜、祝・休日除く月~金曜午前9時半~6時半
休日 不定休
紀州日高漁業協同組合戸津井支所 073(428)0281

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