国の天然記念物紀州犬に会いに行こう

 現在、世界的な日本犬ブームが起こっています。3月23日は「ナショナルパピーデー(世界子犬の日)。和歌山・三重にルーツがある日本犬「紀州犬」に注目しました。歴史や性質を知るとともに、愛らしい姿に癒やされてみませんか。

古くから生活に寄り添ってきた紀州犬
素朴な魅力に再注目

秋田犬、甲斐犬、四国犬など日本犬が、現在、ロシアやヨーロッパを中心に、ペットとして人気を集めています。そこで今回は、和歌山県が誇る日本犬「紀州犬」に注目しました。

中型で、白い毛並みが美しく、ピンとした耳、ハマグリのような形の目が特徴の紀州犬。本来は茶や灰色、ぶち模様などの紀州犬もいるそうですが、今は白色が主流。発祥は熊野地方で、祖先は紀元前から存在したといわれる歴史のある犬です。昔はイノシシを追う猟犬として、人々の生活に深く関わっていました。性質としては、おおらかで辛抱強く、飼い主に従順。かしこい犬種で、子犬の頃からうまくしつけをすると十分な社会性が身につけられるため、家庭犬としても親しまれてきました。しかし現在、小型犬や洋犬の人気に押されて、飼育数が激減。1934年に国の天然記念物の指定を受けて、保存の対象になっています。原産地の和歌山でも、今は見かける機会が減ってしまったのでは。

そんな紀州犬とふれあえるのが、和歌山城内にある和歌山公園動物園と、世界遺産・丹生都比売(にうつひめ)神社です。お出掛けにぴったりな気候の春、和歌山が誇る日本犬・紀州犬に会いに行ってみませんか。

歴史深く、愛くるしい紀州犬たち

人懐っこく愛らしい2匹の紀州犬
ふれあい体験で癒やされて

同園飼育スタッフの、湯浅真波さん(右)、木村明日香さん(左)

“お城の動物園”として親しまれている和歌山公園動物園(和歌山市一番丁)では、絢芽(あやめ)と皐月(さつき)という2匹の紀州犬とふれあうことができます。動物園の飼育スタッフ・木村明日香さんと、湯浅真波さんに話を聞きました。

マイペースな姉・絢芽

甘えん坊の妹・皐月

2018年5月12日生まれで、現在生後10カ月の絢芽と皐月。頭数が減っている紀州犬を後世に受け継ごうと活動している天然記念物紀州犬保存会から、昨年秋に同園へやって来ました。どちらもメスで、体長約80cm、体重約15~16kg。絢芽が姉で、皐月が妹です。本来紀州犬は、気性が荒く、飼い主以外にはなつきにくいという気質がありますが、子犬のときにたくさんの人や他の犬とふれあうことで、十分に人に慣れさせることができるといいます。同園の2匹は、保存会の会員が驚くほど人懐っこいとか。飼育スタッフの木村さんは、「今は、さまざまな種類の犬と遊ばせて、“犬の社会性”を学ばせているところ」と話します。エネルギッシュで活発な紀州犬には、運動が必須。朝夕2回の散歩や、園内を走らせることで、ストレスをためないようにしています。そんな飼育スタッフの丁寧なしつけや育成により、絢芽と皐月は小さな子どもに触れられても落ち着きがあり、愛らしい見た目と人懐っこい性格から、すでに園内の人気者。

グリーンがシンボルカラーの絢芽は、スレンダーな体格と、キリリとした目を持つ“美人”。好奇心旺盛で人のことが大好き。マイペースなところがあり、一人遊びが得意な面も持っています。妹の皐月のシンボルカラーは赤。がっちりとした体格で、くりくりの目が特徴。人にかまってもらうのが好きで、甘えん坊。負けず嫌いでがんこなところもありますが、人の話を一生懸命聞き取ろうと、首をかしげるしぐさをよくします。

「紀州犬ふれあい体験」に登場する2匹に、ぜひ会いに行ってみて。かわいい姿に癒やされること間違いなしです。雨天や、犬の体調、地面の状態により開催できない場合あり。

営業時間 午前9時~午後5時
休日 火曜(祝日の場合、翌日の平日)
問い合せ 和歌山公園動物園事務所
電話番号 073(424)8635

 

  • 飛びつく可能性があり。汚れても良い服装で
  • 細い装飾品(ファー、手袋、ストラップ、ひもなど)、遊び道具 になるような物は犬が興味を持つので注意
  • 突然走ったり、大声を出したりすると、犬がびっくりしてしまう ので禁止
  • 口元に手を持っていくと、かんでしまう場合も
  • たたいたり、蹴ったり、耳やしっぽをひっぱったりする行為は禁止
  • 食べ物を与えない

 

空海を導いた神の使いにちなみ
世界遺産のPR活動を担う紀州犬

愛らしいしぐさのすずひめ号

高野山にゆかりがある丹生都比売神社(かつらぎ町上天野)には、“御神犬”として紀州犬・すずひめ号が。2017年12月に同神社に奉献されました。

高野山開創の伝承によると、1200年前、唐での修行を終えて帰国した空海は、丹生都比売大神(にうつひめおおかみ)の息子・高野御子大神(たかのみこおおかみ)の使いである白い犬と黒い犬に導かれ、高野山にたどり着き、真言密教を開いたとされています。そんな伝説にちなんで、“神の使いの犬”のシンボルとして迎え入れられたすずひめ号は、世界遺産である同社のPR活動を担っています。

御神犬らしく、すらりとりりしい雰囲気も

現在2歳、メスのすずひめ号は、普段は紀州犬愛好家で日本犬保存会会員の豊岡由行さんに飼われており、毎月16日の祭礼日などに、同神社を訪れます。真っ白の体躯に、鈴付きの赤い首輪を着けたその姿は、どこか神秘的。性格は、人好きで愛嬌(きょう)があります。

すずひめ号とふれあいながら、高野山や丹生都比売神社の深い歴史に思いをはせてみませんか。ふれあいは無料。

 

すずひめ号 公開スケジュール

毎月16日
10:00~11:30/13:00~14:30

 

HP https://niutsuhime.or.jp/
営業時間 午前8時半~午後4時半
問い合せ 丹生都比売神社
電話番号 0736(26)0102

 

和歌山県民にはおなじみのキャラクターたちも、紀州犬がモチーフ。本物の紀州犬と触れ合ってみると、キャラクターにもより親しみが感じられるのでは!?

 体のマークは、和歌山の頭文字Wと和歌山の豊かな緑を表現。生まれ育った和歌山の自然と、スポーツが大好き。いろいろなことにチャレンジして、たくさんの人と友だちになりたいのだとか。きいちゃんのオリジナルグッズも多数作られています。

 

 

 

 

勇敢で行動力があり、落ちついた判断力のある紀州犬の性格が、県民の安全を守る警察官にぴったりだとして生まれたキャラクター。誕生日は7月1日。生粋の和歌山生まれ和歌山育ち。地域や交通の安全を守るため、啓発活動中。

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