整理収納教育士のカール友波さんが伝授する
子どもができる“お片づけ術”
- 2025/5/8
- フロント特集
「片づけなさい!」と、今日は何度子どもに言いましたか? でも、ちょっと待って。子どもが片づけやすい環境を考えたことはありますか。リビングカルチャー倶楽部(くらぶ)の講師で、整理収納教育士のカール友波さんに、子どもが自分でできる“お片づけ術”を伝授してもらいます。

整理収納教育士・お片づけプレゼンター
カール友波さん
【プロフィル】
「カールく明るくお片づけ」をモットーに、セミナーなどで活躍中。時短家事コーディネーターBasic(ベーシック)認定講師、発達支援教育士認定講師の肩書もあり、リビングカルチャー倶楽部で認定講座を開講中。4月には、リビング和歌山で友波さんの新コラム「時短・カンタン・家事・育児」がスタートしました
子どもが“嫌”じゃないお片づけ
親もノウハウを知って一緒に実践
ゴールデンウイークが終わり、子どもたちも新しい学校生活に慣れてきた頃でしょうか。小学生になると何かと持ち物が増えます。最初は親が一緒に準備をしたり、片づけたりして、だんだんと子どもが自分でできるようになるのが理想ですが、自分で片づけができる子は少ないのでは。
「片づけが“嫌”なイメージになっていませんか」と問いかけるのは、整理収納教育士のカール友波さん(写真)。「大人だって楽しいことは続けられますが、嫌なことは続かないもの。子どもは“片づけなさい”と叱られてばかりで嫌な印象しかないので、自分でなかなかできるようにならないんです」とも。
親自身も、片づけが楽しい!と思えないのが現実ではないでしょうか。「知識とテクニックがあれば、片づけ習慣が身に付きます」と友波さん。「親がそのノウハウを取り入れて子どもと一緒に実践し、“嫌じゃない”片づけができると、やがて子どもは自立できると思います」とアドバイス。
片づけの前には「整理」「収納」という概念があります。必要な物か不要な物かを仕分けるのが「整理」。その後、物の適切な定位置を決めるのが「収納」。整理・収納ができた次の段階で行うのが、“片づけ”です。「子どもの身の回り品は、できるだけ簡単に片づけられる場所や方法を決めてあげるのがポイントです」と友波さん。今回は、カバンなどのバッグ類、教科書やノートなどの本類、そして、プリントなどの紙類の3つのカテゴリー別に、子どもが片づけやすい“場所づくり”について聞きました。

学校から帰ったら、まずはぜ~んぶをまとめてバスケットに。水筒はどこ? 帽子は? と親も探し回る必要はありません
カバン
数あるバッグ類はS字フック
ランドセルや帽子まとめてかごへ
ランドセルを玄関に置きっぱなし…。よくある光景ですね。ランドセルや水筒、帽子、その日に持っていった体操服袋や絵の具セットなど、学校から持ち帰った物がすっぽりまとめて入るかごやバスケットを用意しましょう(写真上)。家に帰ったら、まずは全部をかごの中に。身の回り品が散乱するのを防げます。数あるバッグ類はS字フックを活用して、つるすのがおすすめです(写真下)。
塾や習い事のカバン、お出かけ用のポシェットなど、大きさも種類もさまざま。フックにかけるだけなら超簡単!
どちらも百均ショップにあるよ

バッグの持ち手がかけやすい、片側が大きなカーブのS字フック

長いフックも活用して
コツをつかんで実践!
最初から完璧を目指さないで、できることから取り入れて。子どもと一緒に“お片づけ”できるパパ・ママになりませんか。カール友波さんによる講座も企画しました。「片づけなさい」と言う前に大人が学んでおきたい整理収納術を学べます。
プリント・紙類
簡単に挟めて便利
クリップボードにまとめる
小学生になると、学校からのお知らせやテスト、宿題プリントなど、子どもが持ち帰るペーパー類が増えてきます。机にそのまま置くと乱雑になり、大切なお便りも失くしがち。クリップボードなどに挟んで、ひとまとめにしましょう。連絡帳も、毎日親がチェックするので、お便りと一緒に挟んでリビングに。兄弟がいるなら一人一人専用のクリップボードを用意して、ファイルラックにまとめて立てます。親も見やすく、子どもが宿題をするときも取り出しやすくて便利ですよ。

子どもでも簡単に挟めるクリップボード。一つは親に見せるものをまとめてリビングに、もう一つは子ども部屋用にして机の上の紙類をまとめます

クリップボードもファイルスタンドに立て、定位置に
教科書・本類
ファイルスタンドに
とにかく“立てる!”
教科書やノート、絵本に漫画などの冊子類は平置き厳禁! 場所を取り、上に重ねていくと、何がどこにあるのか分からなくなってしまいます。勉強机にも本を立てる場所があったり、部屋にも本棚があったりするかもしれませんが、よく使うものを頻繁に片づけるのはちょっと面倒。今読んでいる本やよく使うノートなど、つい机の上に置きがちな本類は、A4サイズのファイルスタンドに立てておくようにしましょう。何があるのかひと目で分かり、省スペースになります。スタンドの中がいっぱいになったら、読まなくなった本を本棚に戻すなど、整理をします。

A4サイズなら、だいたいの冊子がおさまります。背の低いものは、ファイルスタンドの向きを変えて使えば、背の高さがバラバラでもまとまってスッキリ
受講者募集
すっきり整理・楽しく収納ができるノウハウを学ぼう

講師はカール友波さん
整理収納教育士認定講座
~子どものお片づけ教育~ 1日講座
整理収納の基本理論から実例・演習まで。整理収納アドバイザー2級と同等の資格を1日で取得できる講座です。子どものお片づけ教育は、情報を整理し、記憶や思考を効率的に処理する「ファイリング脳」を育てることにもつながります。
日時 | 7月24日(木) 午前11時半~午後6時 |
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定員 | 12人 |
受講料 | 2万1670円 ※別途テキスト代・認定料 整理収納アドバイザー2級認定講座テキストを ●持っている人……1万1330円(テキストを持参) ●持っていない人…1万2930円 |
関連講座
発達障がい空間支援士取得講座
発達障害の特性から、部屋の中で落ち着かない大人や子どももいます。その特性を理解して、「椅子に座っていられない」「家具の配置が気になる」など、暮らしづらさを解消し、一人一人に合う空間づくりを支援する知識を身に付けます。
日時 | 7月25日(金) 午後1時~4時 |
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定員 | 12人 |
受講料 | 1万2650円 ※別途9350円(テキスト代、修了証書) |
発達支援教育士認定講座
発達障害やグレーゾーンといわれる子どもたちをサポートするためのアイデアやヒントを学びます。障害の有無に関わらず、社会や家庭で役割を持てる人に成長できるよう、子どもの自立を促す方法を学べる講座です。
日時 | 7月26日(土) 午前10時半~午後5時 |
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定員 | 20人 |
受講料 | 1万8700円 ※別途7700円(資格認定料、テキスト代) |
場所
リビングカルチャー倶楽部
フォルテ教室
(和歌山市本町2-1 フォルテワジマ4階)
申し込み・問い合わせ
073(421)4411
リビングカルチャー倶楽部
フォルテ教室
(日曜、祝日を除く、午前10時~午後6時半)
カール友波さんの著書紹介
※どちらも電子書籍です