月経前の痛みやイライラは 胎生期の性ホルモンが関係

和歌山県立医科大学が研究論文を発表

記者会見で金桶教授と研究に参加した学生らが成果を発表しました
(2017年9月27日、和歌山県立医大)

成人女性の90%以上の人が経験しているといわれる月経前の不調。月経周期に伴う女性ホルモン量の変化が関係していることは知られていますが、人によって症状や重さがなぜ違うのかは分かっていません。

そうした中、和歌山県立医科大学生理学第1講座・金桶吉起教授らの研究グループは、その症状や重さは母親の胎内にいるときに受ける性ホルモンの量と関連する可能性があることを突き止めました。

2014年度から3年間、和歌山市内の女子大学生403人の協力を得て、手の人さし指の長さを薬指の長さで割った「指比(ゆびひ)」の測定と、月経前症状に関するアンケートを実施。「指比」は、胎生期のホルモン量のバランスを示す指標として研究者らの間で使われていて、薬指が長い人は男性ホルモンが、人さし指が長い人は女性ホルモンが多いということが認められています。

その結果、月経前のめまいや集中力の低下、イライラ、頭痛、下腹部痛、腰痛などは指比と関係していることが判明。右手の薬指が人さし指より短い人ほど、すなわち女性ホルモンが多い人ほど症状が軽い傾向にあり、一方、眠気や体重増加、むくみ、肌荒れといった症状は胎生期のホルモン量との関連性が見られませんでした。

右手の薬指が人さし指より短い人ほど
その症状は軽い傾向に

スキャナーで手形をとり、薬指と人さし指の長さをノギスで測定。確かな数値にするため1人の手形を5~6人の学生が計測

この研究は、金桶教授が受け持つ医学部の基礎医学実習で行われ、3年間で27人の学生が参加。同大学臨床研究センターのサポートを受け、スイスの国際的学術サイトに研究論文が掲載されました。「指の長さを図って『指比』を出し、アンケートに答えてもらう…、それが何の研究につながるのかと思っていた学生も多いと思います。3年次の2カ月間と限られた実習期間の中で、信頼性の高い成果が残せました。月経前症状の治療や緩和ケアの研究つながることに期待したい」と金桶教授は話しています。

コーナー

関連キーワード

 

交通安全キャンペーン2024 贈呈式

交通安全キャンペーン2024 贈呈式

おすすめ記事

  1. リビング和歌山2025年4月19日号「高品質ブランド由良にんにく」
     一度食べたらニンニクの印象が変わるという「生ニンニク」。とれたての新鮮な香りやじっくり加熱すれば…
  2. リビング和歌山2025年4月12日号「地域を変える! サテライトやシェアオフィスからビジネス創出へ」
    多様な働き方が求められる現在、本来のオフィスとは離れた場所で仕事ができる「サテライトオフィス」など…
  3. リビング和歌山2025年4月5日号「関西パビリオン・和歌山ゾーンの魅力に迫る いよいよ開幕、万博へ!」
     開幕に向け、注目が高まる“大阪・関西万博”。会場に足を運んでみないと分からない楽しさやワクワクが…
  4. リビング和歌山2025年3月29日号「学びたい気持ちを応援! 4月から国の新制度がスタート 子ども3人以上で大学無償化」
    2025年4月から、扶養される子どもが3人以上いる全ての多子世帯を対象に、大学や専門学校などの入学…
  5. リビング和歌山2025年3月22日号「和歌山県、旬の魚を訪ねて漁港巡り 伝統漁法と海の環境に恵まれた加太漁港」
     「さかなをたべよう!」キャンペーンを展開中の全国リビング新聞ネットワーク。今回は和歌山市の加太(…
リビングカルチャー倶楽部
夢いっぱい保育園

お知らせ

  1. 2025/4/17

    2025年4月19日号
  2. 2025/4/10

    2025年4月12日号
  3. 2025/4/3

    2025年4月5日号
  4. 2025/3/27

    2025年3月29日号
  5. 2025/3/20

    2025年3月22日号
一覧

アーカイブ一覧

ページ上部へ戻る