vol.5 台風は自然の大掃除 ?

 9月になると、耳にする機会が増える台風のニュース。強風に大雨、私たちにとっては、できれば来てほしくない存在です。台風が過ぎ去った後の海岸には、普段とは違う物がたくさん打ち上げられています。流木、木の枝、海藻、貝殻…。そして、残念ながらペットボトルやプラスチックなどの人間が出したゴミも。

実は私、台風の後の海がちょっと楽しみでもあります。9月は水温が高く、シュノーケルを楽しめるし、足のつく浅瀬なら箱メガネで海の中をのぞくこともできます。

以前、台風の後に海をのぞいていたら、和歌山市の海ではあまり見ることのない熱帯魚に出合ったことがあります。海流や台風による海の大きな動きで、南の海から生き物が運ばれてくることもあるのです。

そして、台風は、海を大きくかき混ぜます。海の中の生き物や海藻が動き、海岸にはたくさんの「海からのお届けもの」が並びます。これを楽しむのが「ビーチコーミング」。海岸を歩きながら、貝殻や流木、シーグラスなどを探して楽しむ活動です。

台風の後のビーチコーミングは、ぜひ「ゴミ拾い」とセットで。 「これは自然から届いたもの」 「これは人間が落としてしまったもの」。一つ一つ見分けながら拾っていくと、海岸の景色が少し違って見えてきます。

海藻は小さな生き物の食べ物になり、流木は生き物の隠れ家になり、やがて自然へと戻っていきます。これって、私たちが大切にしている「アップサイクル」と同じなんじゃないかな、と思うのです。一方で、プラスチックは自然には戻りません。だからこそ、私たちが拾う意味があります。

台風は怖いもの。だから、海に出るときは必ず波や風の状況を確認して安全第一。その上で、台風が過ぎ去った後の海岸を、ゴミ拾いをしながら歩きます。「今日は海から何が届いているかな?」
そんな気持ちで楽しむ、9月のビーチコーミング。海をきれいにしながら、海をもっと知る-。そんな時間を、ぜひ家族で楽しんでみませんか。
(里山アップサイクル代表・溝部名緒子)

海岸でビーチコーミングを楽しむ人たち


著者女性狩猟会・里山アップサイクル代表
溝部 名緒子さん
プロフィール全狩猟免許を取得。サバイバル体験施設「ハンターズイン」のガイドを務める他、さまざまな体験活動を展開中

子育て・教育

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