この夏、有田川町で復活!蒸気機関車デゴイチ

心を豊かにする情報を届ける「Good Life~心に潤いと輝きを~」。今週は、有田川鉄道公園に登場した蒸気機関車「D51」、通称デゴイチのレトロな魅力を紹介します。線路を走るデゴイチを訪ねて、古き良き時代への“タイムトラベル”を楽しんで。

クラシックな魅力満載
動く蒸気機関車に乗れます!

「デゴイチ」または「デコイチ」の愛称で親しまれるD51形蒸気機関車が、有田川鉄道公園(有田川町)で復活。迫力ある昔の姿をそのままに、線路を走ります。鉄道ファンでなくても、蒸気機関車の代名詞として、名前を聞いたことがあるはず。この夏、デゴイチの勇姿を見に行きませんか。

1960〜1970年代にかけて、貨物用として作られ、製造両数が多く、全国各地でその姿を見ることができたデゴイチ。そのため、蒸気機関車のシンボル的な存在として、たくさんの人に愛されてきました。ディーゼルカーの台頭に伴い、旧国鉄としては1975年ごろに運行を廃止。姿を消してから40年余りたちますが、今なお高い人気を誇る機関車です。

今回、そんなデゴイチを再び走らせる計画を立ち上げたのは、重量物の運搬を手掛ける会社「アチハ」(大阪府大阪市)。今年4月18日、D51形蒸気機関車827号機が、愛知県あま市から有田川鉄道公園に運ばれました。整備や試験走行を経て、7月から一般に向けて乗車体験や運転体験を実施しています。

下記では、アチハSL鉄道事業推進室室長の阿知波(あちは)みどりさんらにインタビュー。デゴイチの魅力に迫ります。

走るデゴイチを見に行こう!

重厚感の中に感じる繊細さ
後世に残すべき遺産

アチハ SL鉄道事業推進室室長
阿知波みどりさん


有田川鉄道公園にやってきたデゴイチは、1943年製の827号機で、全長約20メートル、総重量約90トン。旧国鉄中央西線(現在のJR中央線)を30年にわたり走っていました。1973年に廃車になった後は、愛知県あま市の個人が購入。その後、鉄道車両などの輸送を手掛ける「アチハ」に譲渡。“動くデゴイチ”を復活させるプロジェクトを立ち上げた同社は、線路があり、列車を走らせることができる場所を探していました。

そこで、2002年に廃線になった有田鉄道について後世に伝えていくことを目的に、2010年にオープンし、約400メートルの線路を備えている有田川鉄道公園に白羽の矢が。一般に向けて数台の列車の展示運転を行っており、線路の安全対策が整っていたため選ばれました。

6月25日、関係者や鉄道ファンに見守られながら試験走行が実施されました。動力としては、蒸気の仕組みは変えず、圧縮空気方式を採用。炭水車にエアーコンプレッサーを2台搭載し、送り込まれた空気により車体が動きます。石炭に比べ、ランニングコストが安く済み、エコ。阿知波さんは、「昔と同じ方法で動かそうとすると、何トンもの石炭や水が必要になります。重要なのは、デゴイチが実際に動く様子や走る姿を多くの人に見てもらうこと。たくさんの車両を引く必要はないので、パワーが落ちても問題ありません」と話します。

緑豊かな有田川町の環境の中、しっかりと磨きをかけられ、イキイキとした姿で走るデゴイチ。運転席をのぞくと、むき出しになったたくさんのパイプや時代を感じさせる圧力計が。今の電車とはまったく趣きの違う、レトロな雰囲気にうっとり。鉄道に興味がない人や当時を知らない人も、現役で活躍していたデゴイチを想像して、タイムトラベルした気分に浸れます。

有田川町産業振興部商工観光課商工観光班主任の梅本泰彦さんは、「パッと見は鉄のかたまり。おおざっぱな作りなのかと思いきや、中身はかなり繊細というギャップがいいですよね。動くデゴイチが見られるこの機会に、多くの人が同園を訪れ、デゴイチはもちろん和歌山の鉄道にも興味を持ってくれたらうれしいです」と話します。また、有田川町を“デゴイチが走った町”として知ってもらいたいとも。

阿知波さんは、「重厚感や躍動感が魅力のデゴイチ。私たちは、蒸気機関車を文化遺産として後世に引き継ぎたいと考えています。子どもたちに物が動く仕組みに興味を持ってもらい、学びにも活用していければ」と。今後は、全国の自治体やテーマパークなどへのリースを検討しているとのことです。

同園ではこの夏、デゴイチの乗車体験や運転体験が実施されます(下記参照、9月以降のスケジュールは未定)。走る姿を見るだけでなく、実際に乗ってみると歴史をよりリアルに感じられます。鉄道ファンでなくても、きっと楽しめるはず。新たに命を吹き込まれたデゴイチに、ぜひあいに行ってみて。

現役時のD51 827

D51 1085


同園の入り口すぐの場所に保存されているデゴイチ。みかん号のヘッドマークを付けています。1944年に製造され、東京、青森、北海道で32年間活躍。走行距離はなんと、地球50周分だとか。2010年に同園にやって来ました。※柵の中には入れません

キハ58003


映画「ALWAYS 三丁目の夕日’64」のロケでも大活躍。時代設定当時、同車両が実際に新宿駅~大月駅間を走っていたそう。

ハイモ180-101


1993年に岐阜県・樽見鉄道から有田鉄道に譲渡されたレールバス。2002年の廃線まで、藤並駅~金屋口駅間を走行。

軌道モーターカー


安全な運行のため、鉄道の線路を保全・維持する「保線」を行うとき、資材や機器の運搬に使用されていた作業用車。他の列車のけん引をします。

鉄道交流館内には、有田鉄道や沿線地域をイメージした鉄道模型・ジオラマが展示されています。広い芝生の広場や遊具もあり。町の人の散歩コースや憩いの場として親しまれています。

問い合わせ 有田川鉄道公園
住所 有田川町徳田124-1
電話 0737(52)8710
営業時間 午前10時~午後5時
定休日 水・木曜(祝日の場合は営業)
料金 1日券 大人(高校生以上)200円、子ども(小学生以上)100円
ホームページ https://www.facebook.com/kiha58003/
駐車場 あり

デゴイチに乗ろう!

乗車体験

D51がけん引する車両に乗車。

日時 8月5日(土)、6日(日)、26日(土)、27日(日)
午前11時、午後1時、2時、3時
料金 大人(高校生以上)500円、小人(小・中学生)300円、未就学児は無料(保護者同伴)
※未就学児3人以上で小人料金1人分
事前申し込み不要

運転体験

憧れの運転士を体験!(初心者向け)

日時 8月25日(金)
①午前10時から、4人
②午後1時から、6人
走行コース 金屋口駅~有田川鉄道交流館前間を2回(約200m×2回)※後進の運転操作は指導員が実施
料金 夏休み特別料金
1人6000円(通常1万円)
対象 高校生以上
申込み方法 有田川町のホームページから、必要書類をダウンロードし、下記へ申し込みを。
有田川町役場商工観光課「D51 827」担当宛てと明記。
※応募者多数の場合抽選

住所:〒643-0153
和歌山県有田郡有田川町中井原136-2
FAX:0737(32)9555
メール:umemoto.y@town.aridagawa.lg.jp
締切 8月14日(月)正午まで
問い合わせ 有田川町役場金屋庁舎商工観光課
電話 0737(52)2111
ホームページ http://www.town.aridagawa.lg.jp/kanko/kanko_info/20830.html



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