ハートウォーミング賞受賞!癒やしのぬいぐるみ作家TANEさん

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※小さいクマさんは試作品です

和歌山のニット生地を使って、オリジナルのぬいぐるみを独学で制作している和歌山市在住のクリエーター・手仕事ぬいぐるみTANE(タネ)さん。ぬいぐるみ作りに対する熱い思いを語ってもらいました。

自分の理想を追い求めて
独学で完成させた「ばぁのくま」

創造性、デザイン性に富んだ創作物や活動を顕彰する日本ホビー協会主催の「ホビー大賞」。今年で25回目を迎え、TANEさん(本名非公表)の作品「ばぁのくま」が「ハートウォーミング賞」に選ばれました。

「子どものころからぬいぐるみが大好きで、私のそばにはいつもお気に入りのクマさんがいました。世の中にかわいいぬいぐるみはたくさんあります。でも、私が理想とするフォルムのものがなくて。理想を求め、出来上がったのがこの子たち」と話すTANEさん。

日ごろは、在宅で印刷会社のデザインの仕事などを手掛けていて、「ぬいぐるみ制作は、仕事と家事と孫守りの合間のライフワーク」とのこと。

「小さいころから手芸が大好きで、遠足に持って行くマスコットを前日に作るような子でした。ところが、生地や型紙などがセットになったキットを買うと仕上がらなくて。手本通りに縫えないんですよね」と。

「ばぁのくま」は、デザイン、型紙から縫製、綿(わた)の詰め方まで、すべて独学で創り上げたオリジナル。下記では、「一人で座れる」「目線が合う」など、TANEさんのぬいぐるみへのこだわりを紹介します。
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ぬいぐるみを通して伝えたい ものづくりの楽しさ

和歌山生まれの吊り編み機で編んだ
ニット生地で理想のフォルムを実現

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「頭でっかちなのに、支えがなくても座れるんです。胸に抱くと、抱いてくれた人を見上げて視線が合い(右記写真)、お花の形の目が、角度によってまつげを伏せたように影を落とすことも…」

見た目のかわいさに加え、いろいろな表情を見せるのが「ばぁのくま」の特徴で、TANEさんのこだわり。使っているのはニット生地とポリエステル綿、それにボタンとフェルトだけ。芯材は一切使用していません。理想を形にできたのは、「『吊(つ)り編み機』という昔ながらの機械で生地を作り続けている『和田メリヤス』(和歌山市馬場)のニット生地に出合えたから」と言います。

難しい制作工程はなく、パーツごとに裁断した生地を縫って綿を入れ、つなぎ合わせるという至ってシンプルな作り方。「風船のように伸びる生地に入れる綿の量、詰め方がポイント。あとは私の〝野生の勘〞かな…」

手にとって確かめてみたい人は、海南駅前一番街商店街にあるカフェ「ファーストガーデン」(海南市名高)に展示されているのでぜひ。また、インターネットサイト「iichi(ハンドメイド・クラフト・手仕事品の販売・購入)」(http://www.iichi.com/)で販売されています(3万8000円)。

目標はTANEのタネ明かし本の出版
世界でたった一つのぬいぐるみを

結婚したときに母親に買ってもらったという愛用のミシンで生地を縫い合わせていくTANEさん。口周りやパーツの縫い合わせは手縫い

結婚したときに母親に買ってもらったという愛用のミシンで生地を縫い合わせていくTANEさん。口周りやパーツの縫い合わせは手縫い

しかし、TANEさんは、「作品を気に入って購入してくれるのはもちろんうれしいこと。でも私は、皆さんに作る楽しさも知ってもらいたいんです。ものづくりを始めると、年齢に関係なく自分ではまだ気付いていない力が芽生えてきます」と。

ゆくゆくは、「ばぁのくま」の型紙や縫製方法を公開する考えで、〝TANEのタネ明かし本〞として出版するのが目標だそう。「試行錯誤を繰り返し、ようやく作り方が確立できてきました。何もかもが我流なので、他の人が作れるかどうか今、友達に試してもらっているところ。子どもや孫、自分のために〝世界でたった一つのぬいぐるみ〞を作って、ものづくりの楽しさを実感してほしい」と強調します。

そんなTANEさんのものづくりに触れられる「TANEのタネ明かし講座」を開催します(下記参照)。今回は、「ばぁのぬいぐるみ」ではなく、和歌山市内の温泉を紹介する「わスパ」のマスコットキャラクター「源太&スパ郎」の「スパ郎」を作ります。同キャラクターは7年前、TANEさんが考えました。本人いわく「頼まれもしないのに作るのが好き」なのだとか。興味がある人はご参加ください。


「日本ホビーショー」で作品PR

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4月23日〜25日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で行われた、アジア最大級の手作りホビーの祭典「2015日本ホビーショー」(主催=日本ホビー協会)で、ハートウォーミング賞受賞のTANEさんの作品「ばぁのくま」も展示されました。今回のホビーショーには、499社が出展し、約13万人が来場。「ある企業の方に評価いただき、コラボレーションできればいいねとお声を掛けていただきました」とTANEさん。「他の出展者の作品や活動を見て刺激を受けました」とも。

「わスパ」のマスコットキャラクター
源太&スパ郎、生みの親はTANEさん

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和歌山市観光協会発行の温泉マップ「わスパ」などに登場するマスコットキャラクター「紀州犬の源太」と「スズメのスパ郎」。TANEさんのアイデアから生まれました。

「TANEのタネ明かし講座
『スパ郎』を作ろう」を開催!

スパ郎

スパ郎

TANEさんに作り方を教わりながら、「わスパ」に採用されている「スズメのスパ郎」を制作します
(協力/和歌山市観光協会・和歌山市温泉協議会・印刷会社「ウイング」)

日時 5月23日(土)午後1時~4時
場所 リビングカルチャー倶楽部ガーデンパーク教室(和歌山市北島)
参加費 1500円(材料費込み)
定員 10人
申し込み先 073(428)0281
和歌山リビング新聞社
(受け付けは月~金曜午前10時~午後6時半)

※申し込みは5月15日(金)まで。応募多数の場合は抽選、当選者にだけ5月19日(火)までに案内状を送ります





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