未来を変える優しい取り組み エシカル消費

 物が生まれる背景や行く末に思いをはせ、少しだけ、“エシカル”な意識を持つことから始めませんか。今の私たちの小さな行動が、未来を大きく変えることにつながります。

日々の“消費行動”を 環境や人、社会に優しいものに

最近よく耳にするようになってきた「エシカル消費」。エシカルとは“倫理的な”という意味の英語。言葉だけ聞くと、なんだか難しそうな印象がありますが、私たちが日々何気なくしている食事や買い物などの“消費行動”に関わりがあります。エコやフェアトレードよりも間口は広く、環境はもちろん、人や社会に優しい製品やサービスを選ぼうという取り組みです。

2014年には、地球環境と人間社会が共存できる、“持続可能な世界”の構築を目指して、日本エシカル推進協議会が発足。発起人の一人である、和歌山大学観光学部教授の加藤久美さんに話を聞きました。

また、今年は「日本・フィンランド外交関係樹立100周年」。5月10日(金)~19日(日)に、「フィンランド・ウィークスinワカヤマ2019」が開催されます。その中のイベントの一つとして、フィンランド発のアップサイクル・カルチャー・イベント「クリーニング・デイ」が実施されます。アップサイクルとは、古くなった物や、いらない物に、価値を加えて新しい物に生まれ変わらせるという活動です。イベントを楽しみながら、エコやエシカルに対する意識が高いといわれているフィンランドに学んでみませんか。

日本の伝統や海外の文化に学ぶ

一人一人の行動が大きな変化に 少しだけ、視野を広げて

和歌山大学観光学部教授
国際観光学研究センター・センター長日本エシカル推進協議会
加藤久美さん

若者を中心に徐々に浸透しているという、エシカル消費。和歌山大学観光学部教授、国際観光学研究センター・センター長で、日本エシカル推進協議会の加藤久美さんに聞きました。

エシカルな消費行動とは、物を買うとき、その商品がどのようにして作られたか、使い終わってからはどうなるのかなどを意識して選ぶ消費行動(具体的な行動は下記参照)。加藤さんは、「もともと昔の人は、地球環境とうまく共生してきた」と話します。「例えば海女(あま)さんは、息の限界が漁獲量の限界。海産物を採りすぎることがないよう、リミットが自然とあったんです」。潜水用のメガネやウエットスーツが登場し、漁が便利になってからは、採りすぎを防ぐためにルールが設けられたとか。文明が発達し、どんどん便利になった現代の人は、何事にもリミットがあるという感覚が薄れてしまっています。海や森林などの自然と対峙してきた共生の歴史の中に、根本的にエシカルな考え方があるのです。

近年は、いくつかのファストファッションの裏側に、劣悪な労働環境があることが話題に。消費者個人の選択だけでなく、物を販売する側である企業も、環境や社会に配慮したビジネスをしていくことが持続可能な未来を作るカギになります。伝統産業の物作りには、エシカルやサステイナブルのヒントが。伝統産業が、時代の変遷の中で長く続いている理由は、自然環境を破壊せずうまく利用して、そこから知識や技術を得て物を作り出してきたから。そういった物作りは、現在当たり前になっている大量生産や大量廃棄とは対極にあります。

とはいえ、いきなりすべての消費行動ををエシカルな考えに基づいて変えるのは、なかなか難しいもの。いつもより少しだけ、“物の価値”を意識することから始めてみませんか。「エシカルな商品と、そうでない商品。もし値段が同じだったら、より環境に優しく、社会にフェアな物を選びたいですよね」と加藤教授。“自分一人の消費を変えるくらいじゃ、変わらない”と思うけれど、積もり積もった行動の結果で世界は変わります。加藤教授は、「消費者の力は強い。みんなの意識や行動の少しの変化でも、結果として大きな影響になる」と。ほんの少し視野を広げて、優しい未来につなげてください。

エシカル消費ってどんなこと?
物を選ぶときの一つの尺度
環境への配慮
リサイクルできる素材を使った物や、資源保護などに関する認証がある、エコ商品を選ぶ
社会への配慮
売り上げの一部が寄付につながる商品を選ぶ
発展途上国の原料や製品を、適正な価格で継続的に取り引きされた、フェアトレードの商品を選ぶ
人への配慮
障害のある人の支援につながる商品を選ぶ
地域への配慮
地産地消によって、地域活性化や輸送によってかかるエネルギーを削減
被災地の特産品を買うことで、その地域の経済復興を応援する
生物多様性への配慮
「FSC森林認証」「MSC認証」「RSPO認証」などの認証ラベルのある、自然環境に配慮した商品を選ぶ
参考:消費者庁「エシカル消費ってなぁに」(2018年)

フィンランドの文化の中に “物の循環”を楽しむヒントが

環境先進国のフィンランド。その文化やライフスタイルに触れることができる「フィンランド・ウィークスinワカヤマ2019」が、5月10日(金)~19日(日)に開催されます。同イベントは、昨年初めて開催され、今回で2回目。フィンランド在住の有名テキスタイルデザイナー・島塚絵里さんの展示会を中心に、各日さまざまな催しが実施されます(スケジュールは下記参照)。

KORVAPUUSTI
武田真理さん

主催者は、フィンランド雑貨のお店「KORVAPUUSTI(コルバプースティ)」の店主・武田真理さん。「フィンランドの風景や自然などからインスピレーションを受けた島塚さんのテキスタイルを楽しんでいただくとともに、様々な体験を通して、フィンランドの文化や豊かな暮らし方を感じていただけたら」と話します。

5月11日(土)には、「クリーニングデイ」をテーマに、ミニマーケットやワークショップ(要予約)が実施されます。2012年にフィンランドで始まった「クリーニングデイ」は、「リサイクルのハードルを下げる」「地域交流」を目的にした、リサイクル・カルチャー・イベント。現在世界中で広がりを見せ、日本では、古い不要な物に新しい価値をつけたり、より良い物に生まれ変わらせたりする「アップサイクル」をコンセプトに展開しています。

hanalima
藤井静香さん

ワークショップの担当者である藤井静香さんは、「hanalima(ハナリマ)」という屋号で、アフリカの布を使った雑貨を制作している作家。「不要なものも、視点を変えるだけでワンランクアップした価値のあるものに変えることができて、愛着もわく。自分サイズのやり方で気軽に挑戦してみてほしい」と話す藤井さん。ワークショップでは、ハギレを使ったくるみボタンブローチを制作。ハギレなどを簡単にアップサイクルする方法を提案してくれます。使う生地は、アフリカと北欧デザインのコラボ。藤井さんは、「フィンランドもアフリカも日本も物を大切にするという概念は共通だと思います」と。

本来廃棄される物の価値を見直して使ったり、新しい物に生まれ変わらせたりする、“物の良い循環”を楽しもうという意識が高いというフィンランド人。さまざまな体験を通して、エシカルなライフスタイルを楽しむ前向きな姿勢を、フィンランドの文化に学んでみませんか。

日時  5月10日(金)~19日(日) ※13日(月)は休み 午前11時~午後5時

場所  和歌山県立近代美術館2階 BRING BOOK STORE(ブリング・ブック・ストア)

期間中全日
島塚絵里エキシビション2019 「Yötön yö 夜なき夜」
5月11日(土)
クリーニングデイ@WAKAYAMA
・北欧デザインとアフリカンファブリックのハギレで、くるみボタンのブローチをつくろう!
①午前11時から、②午後1時から
・絵本の物々交換会+フィンランドの絵本から生まれたワークショップを楽しもう(午後3時から)
・北欧アップサイクルミニマーケット(午前11時~午後5時)
5月12日(日)
北欧ジャーナリスト・森百合子さんによるトークイベント
①午後2時から ②午後5時半から
5月16日(木)、17日(金)
フィンランドを楽しむお茶会 ※少人数制
(各日午後3時から)
各トークイベント・ワークショップは事前予約制
5月18日(土)
テキスタイルデザイナー・島塚絵里さんトークイベント(午後2時から)
「テキスタイルデザイナーの仕事について」
5月19日(日)
島塚絵里さんによる、赤ちゃんお絵かきワークショップ(午前11時から)
島塚絵里さんトークイベント(午後1時半から)
「フィンランドの暮らしと幸せについて」

問い合せ先 KORVAPUUSTI
電話番号 090(3460)8056
HP http://shop-korvapuusti.com/
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