第11回 たい松押し 〜花園の御田舞〜

大みそかの夜に行われる火祭り

近年は、大たいまつの上には年男が乗ることも

古くから火は、さまざまなものを浄化させる役割があるといわれており、火をたき上げる祭りは全国各地で見ることができます。

大みそかの夜、一年の厄払いと、翌年の無病息災や家内安全を祈願する火祭りが、下花園神社(かつらぎ町花園)で行われる「たい松押し」。現在、地元の20代~80代でつくる「花園郷土古典芸能保存会」が中心となり行われています。

小たいまつに火を移す人たち

当日の朝、会員たちは神社の境内に集まり、長さ約7メートル、直径約70センチの大たいまつと、30本の小たいまつを作ります。午後9時過ぎ、神前の火を境内に準備したたき木に移し、大たいまつに点火。音頭とりの歌と掛け声を合図に、重さ約200キロにもなる大たいまつをかつぎ上げ、辺りを赤々と照らすたき木の回りを3周練り回します。

同保存会長の浦中隆男さんは「昔は“たいまつの火を遍照寺の(今はありませんが)大日堂のかやぶき屋根に押し付けても火事にはならない”といわれていたほど。それだけ神聖な火とされています」と言い伝えについて触れます。

神社の階段を下りるたいまつの行列

大たいまつの火は、小たいまつに移し、それぞれの自宅に持ち帰るのが習わし。除夜の鐘の音を合図に、小たいまつを左右に振りながら神社の石段を下りる光景は幻想的で、浦中さんは「行列が長ければ長いほど炎が波打つように見えてきれいです」と目を細めます。持ち帰った火は、年初めの火として神棚などに供えられます。

木製のくわを手にし、演じる地元の若者

かつて、たい松押しの日に配役を決めていたのが、その年の豊作を祈る「花園の御田舞」。旧暦の1月8日、遍照寺で演じられていました。

木製のくわなどを手にした役者が、太鼓や笛ばやしと歌に合わせて田植えの準備から稲刈り、もみすりまで一連の作業を、口上と舞で演じます。

浦中さんは「舞は古い形式をできるだけ忠実に再現していて、しゅうとと婿の掛け合い、昼ごはんを持って登場する嫁など、格式高い中にもほのぼのとしているのが特徴。みんな楽しみながら、一人でも多くの人に伝えていきたいのが私たちの思いです」と話しています。

次回は来年2月を予定(続)。

【祭り情報】
たい松押し

開催日 12月31日(月)
場所 下花園神社境内(かつらぎ町花園梁瀬)
※町立梁瀬(やなせ)小学校グランド
スケジュール 22:30ごろ たい松押し
※雨天中止。グランドの状態により中止の場合もあり、当日午後以降に要問合せ

花園の御田舞

開催日 2019年2月17日(日)
スケジュール 10:00~11:00 御渡(下花園神社)
12:30~15:00 御田舞(遍照寺=かつらぎ町花園梁瀬)
問い合せ かつらぎ町役場花園支所
電話番号 0737(26)0321
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