フェンシング東莉央(あずまりお)・晟良(せら)選手 姉妹で目指す東京五輪

 さぁ、2020年の幕開け。2020年注目の話題といえば、やはり東京五輪・パラリンピックではないでしょうか。その自国開催の五輪出場に闘志を燃やしているのが、東莉央・晟良姉妹。和歌山市出身の姉妹は、小学生でフェンシングを始め、ジュニア時代から世界を舞台に活躍。つい先日行われた、ワールドカップ・フランス大会にも日本代表として姉妹で出場し、団体銅メダルに貢献。東京五輪に向け今、最も注目を浴びるフェンサーにインタビュー。2020年を漢字一文字で、莉央選手は「向」、晟良選手は「勝」と表しました。

東晟良選手

1999年8月20日(20歳)、和歌山市生まれ。和歌山北高校卒、日本体育大学体育学部2年生。国内ランキング1位(12月18日現在)。和歌山のみかんが好き

東莉央選手

1998年7月27日(21歳)、和歌山市生まれ。和歌山北高校卒、日本体育大学体育学部3年生。国内ランキング3位(12月18日現在)。和歌山のはちみつ梅と桃が好き

元フェンサーで五輪も目指していたという母親の影響で、莉央選手は小学5年生、晟良選手は4年生でフェンシングを始め、10代のころから全日本選手権や国際大会で結果を残してきた二人。目の前に見えてきた東京五輪に対する思いと、お互いの存在について語ってもらいました。女子大生らしさも垣間見え…。

“意識していなかった”が“出場できそう”に 東京五輪ではメダルを目指してプレーで感動を

ー2020年を「向」「勝」と表現。文字に込めた思いを聞かせてください
莉央 〝向上心〟とか〝向かう〟という意味を込めて「向」にしました。東京五輪を含め、いろいろ目標に向かってがんばる一年にしたいです。
晟良 東京五輪に向けて勝たないといけないので「勝」。このままキープすれば出場できるポジションにはいますが、ランキングで対戦相手が決まるので、勝ってポイントを上積みしていきたいです。

ー東京五輪で注目の姉妹フェンサーといわれることにプレッシャーは
莉央 めっちゃプレッシャーを受けている感じはないですけど、もうちょっと落ち着いてって思いますね。いろいろと言われるのはあまり好きではないので。
晟良 強くなるにつれてそういう風に言われるのは当たり前のこと。他の競技でも強い選手は、テレビなどで追いかけ続けられていますよね。それは〝つきもの〟と思うようにしています。

ー五輪は小さいころからの目標だったのでしょうか
莉央 いえ、特に意識してやってはこなかったですね。中学3年生のときに、2020年の東京五輪開催が決まったのですが、「出るぞー」という感じでもなく…。決定の瞬間、太田雄貴さん(日本フェンシング協会会長)がガッツポーズをして喜んでいるのをテレビで見て、そんなにすごいことなんかな~と冷めた目で見ていたのを覚えています。
晟良 自分も「あっ、東京なんや」ぐらいにしか思っていなかったのですが、この数年で〝地元開催〟という実感が湧いてきて、自分が出場できそうなレベルになってきたこともあり、東京で良かったって思うようになりました。

2019年全日本選手権、(右)が莉央選手

―その太田さんが日本フェンシング協会の会長に就任して以降、競技の裾野拡大や選手育成・ 強化に尽力。若い選手がどんどん育ってくる中、トップレベルを維持するのは大変では
莉央 日ごろはナショナルトレーニングセンターで、トップレベルの選手たちと楽しく和気あいあいと練習しています。普通にやっているだけなので、大変とは思いませんね。
晟良 いや、大変じゃない?
莉央 トレーニングは確かに大変だけど、ずっと維持しようと思って練習しているわけではないから。
晟良 そっか。自分もただ強くなりたい一心でやっているだけかも。

「普通に妹」「完全なる姉」はライバルではなく仲間 東京での女子大生生活は意外にも“インドア派”

―お互いがもっとも身近なライバル
莉央 晟良がライバルという意識はありません。試合で対戦するときは、勝ちたいとは思いますけど、普通に妹(笑)。
晟良 莉央は完全なる姉。
莉央 完全なるって何?
晟良 細かいところはあるけど、支払いとかは全部莉央がやってくれるので、頼りにしています。フェンシングでは助け合える人? 仲間?

―でも、お互いの存在がなければ、ここまで続けて来られなかった
莉央 多分。
晟良 えーっ、多分なん? 莉央がやめかけていたとき、私の存在が引きとめさせたとは言わないけど、お母さんにも説得されて今もこうして続けているわけで。

―なぜやめようと
莉央 思春期って遊びたいじゃないですか。周りの子たちが遊んでいるのに自分は毎日練習。そういうのが嫌になったんです。学校帰りに友達と集まって寄り道をして…って、1回もしたことがなくって。学校が終わったら、さっさと家に帰って自転車に乗って練習に行くのが当たり前で、遊んだ記憶がないんです。

―和歌山北高校から日本体育大学へ進学。東京では遊べていますか
莉央 前よりは…。
晟良 日曜はオフなので。
莉央 買い物をするところもごはん屋さんもいっぱいあって楽しいけど、電車移動が苦手。和歌山では経験したことのない満員電車が苦痛です。
晟良 まったく同じ。買い物はしたいけど、人込みが疲れるので…。家で映画を見て過ごすことが多いかな。和歌山にいるときは早く東京に行きたいなって思ったけど、1年半ほど住んで、大変なところが見えてきました。

2017年全日本選手権決勝、(右)が晟良選手

―女子大生として今、興味・関心があることは
莉央 女子大生だからというわけではないですが、暇さえあればずーっとユーチューブを見ています。それか、アプリでマンガを読むか。少女マンガも好きだけど、人を殺す系も好き(笑)。
晟良 将来何が起きるのか…(苦笑)。自分は、大学生になって髪の毛を染めたり、ネイルをしたり、ピアスも開けて、高校時代にできなかったオシャレを楽しんでいます。

―和歌山を離れて改めて思う和歌山の良いところは
莉央 田舎なところ。時間の流れ方は和歌山も東京も同じはずなんですけど、やっぱり東京はせかせかした感じがして、ちょっと違うなって。それと人が少ないのがいい。東京の人は怖いんですよ(笑)。人込みでぶつかりそうになってもよけてくれなくって…。
晟良 和歌山の和んでいる感じが好き。帰ってきたらリラックスできます。

―最後に、読者にメッセージを。それと、東京五輪に出場したらどんなプレーを見せてくれますか
莉央 東京五輪に出られるようにがんばるので、応援してください。和歌山を有名にします!
晟良 もっと強くなって、世界でメダルをとれるようにがんばりたいと思います。応援してくれる人たちのためにも世界で活躍して、プレーで感動を与えられる選手になります。
莉央 優先権とかポイントとか分かりづらいかもしれませんが、攻撃と守備の切り替えに注目してもらえれば。するどさや迫力が伝わればうれしいです。
晟良 他の競技にはない〝剣〟が魅力。しなる剣を自在に操る姿を見てください。

小学生時代からの主な戦績

莉央・ともに種目は「フルーレ」

莉央
2011年
国際ケーニヒ杯小学生の部準優勝
2012年
全国少年フェンシング大会中学生の部優勝
2016年
全日本選手権大会準優勝(女子種目では高校生初の快挙)
2018年
アジアジュニア選手権個人銅メダル
2019年
ワールドカップ・フランス大会団体銅メダル

晟良
2011年
国際ケーニヒ杯小学生の部優勝
2012年
全国少年フェンシング大会中学生の部準優勝
2017・18年
全日本選手権大会優勝(連覇)
2018月
ワールドカップ・アルジェリア大会個人銀メダル
2019年
ワールドカップ・フランス大会団体銅メダル

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