治療の最前線! 専門医に聞くvol.12
女性に多い足のむくみ
下肢静脈瘤は重症化する場合も

女性に多い「下肢静脈瘤」は足の血管(静脈)の病気。血液を下から上に戻す弁が壊れ、血液がたまってしまって、足がむくんでだるくなったり、こむら返りなどが頻繁に起きたりします。

特に命にかかわるような病気ではないので放置しがちですが、重症化すると「うっ滞性皮膚炎」となり、皮膚に潰瘍ができてしまって治療が難しくなることもあります。下肢静脈瘤によるむくみで皮膚にストレスがかかって炎症が起こるのですが、その原因が下肢静脈瘤だと分からず、塗り薬などを続けても皮膚炎が治まらないというケースもあります。原因である下肢静脈瘤の治療をしなければ、この皮膚炎も改善しません。足首の内側に多く、初期症状は皮膚が茶色に変色したり、かゆみなど。気になる人は早めに心臓血管外科を受診しましょう。

下肢静脈瘤の治療は、悪くなった血管を閉じたり、切り取ったりする手術がスタンダードだと思われがちですが、軽症なら弾性ソックスを用いる圧迫療法を行います。弾性ソックスはその人にサイズがぴったり合っていることが重要で、当院では「弾性ストッキングコンダクター」の資格を持つ看護師が採寸します。

手術は、細い管(カテーテル)を悪くなった血管の中に入れ、その中を焼く「血管内焼灼(しゃく)術」が主流となっています。傷口が少なく、日帰りでできます。さらに当院では、皮膚に潰瘍などができてしまった患者さんには、傷がない皮膚から内視鏡カメラを挿入し、異常な血管を切り取る手術も行います。

中西靖佳医師

中西靖佳医師

(済生会和歌山病院心臓血管外科医師・中西靖佳)

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