治療の最前線! 専門医に聞くvol.7
骨の強さを知って予防しよう
骨粗しょう症による骨折

滑って転び骨を折る、寒い時期に多くなるのが高齢者の骨折です。その原因の多くが骨粗しょう症で、骨がもろくなって、ちょっとした衝撃でも骨が折れやすくなります。

中でも椎体(ついたい)骨折が多く、尻もちをついて背骨が圧迫され、骨が砕けてしまいます。以前はコルセットなどで背骨を固定し、数週間ほど安静にしておく保存療法がほとんどでしたが、近年は、つぶれてしまった背骨を元の形に近づけて骨セメントで固定する“椎体形成術”を用いることで、術後すぐに痛みが取れ、体を動かせるようになりました。

高齢者の骨折を防ぐには、骨粗しょう症のケアが大切。まずは、骨密度検査で、自身の“骨年齢”を把握しましょう。よく知られるように、骨粗しょう症は女性に多く、閉経後に女性ホルモンの減少で進行します。また、病気の治療にステロイドを使っている人も骨粗しょう症を起こしやすいです。年齢・性別に関わらず、骨密度が70%以下であれば、早期に骨粗しょう症の治療を始めることをおすすめします。骨粗しょう症の治療にはさまざまな薬が用いられます。内科でも処方できるので、かかりつけ医に相談してみてください。

日頃気を付けたいのは、運動不足にならないこと、栄養(カルシウム)を十分に摂取すること。しかし、カルシウムを取っていれば良いわけではなく、その吸収を助ける栄養素も必要なので、バランスの良い食事を心がけ、屋外に出て陽を浴びることもカルシウムの吸収に良いことです。喫煙や飲酒は骨の形成を阻害するので控えましょう。
(済生会和歌山病院整形外科部長・山﨑悟)

みんなの健康

関連キーワード

 

交通安全キャンペーン2024 贈呈式

交通安全キャンペーン2024 贈呈式

おすすめ記事

  1. リビング和歌山2025年7月12日号「参加者募集!リビング特別体験イベント夏休み! 親子で工場見学」
     もうすぐ夏休み。親子で工場見学に出かけませんか。地元和歌山にゆかりのある産業やものづくりを知り、…
  2. リビング和歌山2025年7月5日号「和歌山県の手仕事を訪ねて 民藝100年の今を生きる 暮らしの中の道具に宿る「美」 」
     1925(大正14)年、思想家・柳宗悦(むねよし)が、「民衆的工藝」を略し、「民藝」と主唱。暮ら…
  3. リビング和歌山2025年6月28日号「片男波に出現!関西最大級のビッグスライダー海上アスレチック AQua LooP 」
     夏休みまであとわずか。今年は片男波海水浴場に巨大な海上アスレチック「AQua LooP」が誕生し…
  4. リビング和歌山2025年6月21日号「今さら聞けない 給与明細のミカタ!」
     給与明細を毎月しっかり確認していますか? 給与明細には多くの情報が詰まっていて、ポイントを押さえ…
  5. リビング和歌山2025年6月14日号「 和歌山市の魅力を伝える広告が新大阪駅に 市の職員が制作! 彼女の名は?」
     関西の玄関口となるJR新大阪駅の新幹線改札内で、和歌山市のPR広告が放映されています。広告画像の…
リビングカルチャー倶楽部
夢いっぱい保育園

お知らせ

  1. 2025/7/10

    2025年7月12日号
  2. 2025/7/3

    2025年7月5日号
  3. 2025/6/26

    2025年6月28日号
  4. 2025/6/19

    2025年6月21日号
  5. 2025/6/12

    2025年6月14日号
一覧

アーカイブ一覧

ページ上部へ戻る