詐欺被害額 約2倍に

リビング和歌山9月17日号「詐欺被害額 約2倍に増加」これまで詐欺被害といえば「オレオレ詐欺」だったのが、最近では詐欺の手口が多様化し、『特殊詐欺』と呼ばれています。今年になって和歌山県内では特殊詐欺が増加。被害状況と、悪質な手口、詐欺被害に遭わないための防止対策について特集します。

特殊詐欺被害の現状
在宅時間が長い女性が狙われています

和歌山県の2021年中の特殊詐欺の被害は、認知件数59件、被害額は約9000万円。今年は7月現在で認知件数49件、被害額は約7000万円に及んでいます。被害額だけでみると、昨年(1月〜7月)と比べて約2倍増加しています。

被害は60歳以上の高齢者を中心に高い水準で発生し、深刻な状況が続いています(グラフ①参照)。被害における男女比では、女性の方が被害に遭うケースが圧倒的に多く、昨年度59件のうち44件が女性の被害者で、男性の約3倍。女性が狙われています。

これは専業主婦として在宅時間が長いため、犯人からの電話や訪問を受けることが多く、また家計を管理しているため、振り込みも自分でできるからと推測されます。

「多くの被害者は、まさか自分が被害に遭うとは思っていません。自分は詐欺に遭わないと思っていても、優しい口調で誘導してきますので気をつけてください」と話す、和歌山県警察本部生活安全企画課・犯罪抑止総合対策室長の柳本昌孝さん。

特殊詐欺被害認知状況(表②参照)を見ると、これまで身内をよそおってお金を振り込ませる「オレオレ詐欺」のほか、「架空料金請求詐欺」、「還付金詐欺」、「キャッシュカード詐欺盗」などの被害が増えてきているのが現状です。

犯人は市町村職員、警察官、金融機関職員、百貨店店員、家族などを名乗り自宅の電話にかけてきます。詐欺の手口の始まりは電話です(手口の詳細は下記)。

まずは電話を切って!
被害防止で大事なのは相談すること

「電話がかかってきて医療費や保険料の過払い金がありますとか、口座情報、キャッシュカード、ATMなど、お金に関することが出たら、相手の話を信用しないで、まずは電話を切ってください。今日ならまだ間に合うと安心させて振り込みを催促したり、裁判になると脅かしたりと、さまざまな言葉で送金を誘導してきますので、話の途中であっても、とにかく一度電話を切って、家族や警察に相談してください」と、柳本室長は警告。被害防止で最も重要なのが、だれかに相談すること。和歌山県警では24時間電話相談窓口を開設しています。

犯人からの電話を取らなくてすむよう、在宅中でも留守番電話にセットしたり、防犯機能付き電話にするのも対策です。

特殊詐欺被害防止広報大使として広報展開する「Fun×Fam」

特殊詐欺被害防止広報大使として広報展開する「Fun×Fam」

和歌山県警は地域密着型アイドルグループ「Fun×Fam(ファン・ファン)」を特殊詐欺被害防止広報大使に任命。県警のユーチューブチャンネルへの出演やイベント活動、SNS、テレビを通して詐欺防止活動を展開しています。

和歌山県警は8月に「ネッツトヨタ和歌山大浦店」で人形劇を通して詐欺の手口をわかりやすく紹介

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さらに、警察官OBの特殊詐欺被害防止アドバイザーが、企業や自治会、老人会などへ「出前講座」(講師派遣・無料)を行い、被害防止を呼びかけています。電話で問い合わせてください。

特殊詐欺被害分析状況(2022年7月末現在)

手口別被害者年齢構成

特殊詐欺被害認知状況一覧表

被害額

和歌山北署エリアで発生
80代女性130万円新手口の詐欺被害

8月23日、和歌山北署エリアで80代女性が特殊詐欺被害に遭い、現金130万円をだまし取られました。警察官をよそおった犯人から被害者に電話があり「詐欺の犯人を捕まえたところ、あなたの名刺を持っていた。家にあるお札を確認します」と言って、男が訪ねてきました。被害者は男に言われるまま現金130万円を渡すと「お金を調べるので預かります」と言って立ち去りました。不審に思った女性は家族に相談したところ被害が判明。

 

 

事故に遭ったと金銭要求 オレオレ詐欺

息子や孫になりすまして犯人から電話があります。最初の電話で、風邪を引いて喉の調子が悪いと言ってごまかします。事故に遭ったとか、小切手が入ったかばんを忘れたと言って金銭を要求。

なりすましに騙される 還付金詐欺

市町職員になりすまして電話をかけてきます。還付金という言葉以外には「医療費」、「給付金」、「過払い金」などの場合もあり。コンビニやATMに向かうよう指示してきます。

メールに突然届く手口 架空料金請求詐欺

若年層にも増えています。インターネット事業者などを名乗る犯人から、「有料サイトの利用料が未納です。支払わないと訴訟を起こします」と携帯電話にショートメッセージが送られてきます。

巧みな話術でカードを盗む キャッシュカード詐欺盗

警察官や銀行協会、百貨店などを名乗り「キャッシュカードが不正に利用されているので使えないようにします」と言って、訪問し、カードをすり替えたり、ハサミで切断したりしてカードを盗み取ります。

マッチングアプリ要注意 国際ロマンス詐欺

最近増えてきているのが「国際ロマンス詐欺」。主にマッチングアプリやSNS(インスタグラムなど)、インターネット上で知り合った外国人と親しくなり信用し、お金をだまし取られるケースです。
昨年度、和歌山県の被害は15件、今年は7月現在で5件発生、被害総額は約1500万円。被害に遭った方は40代〜70代。犯人は日本語や翻訳アプリを使って恋愛感情や親切心を利用し、現金を振り込ませます。
「具体的には『日本へ荷物を送りたいので保険料と送料を送金してほしい』や『軍に入隊しており、退役するためにお金を振り込んでほしい』などの手口です。男女ともに、被害者は会うこともなく相手を信頼し、お金を振り込んでしまいます。振り込んだ時点から相手と連絡が取れなくなり、だまされたと気づくのです。支払ってしまうと返金を受け取るのは困難です」と、刑事部・捜査第二課・警部・奥地隆文さん。
恋愛をしたい人や恋人が欲しい人にとってマッチングアプリは出会いを探せる便利なツールです。しかし、このような詐欺の手口もあることに注意してください。
男女ともに恋をすると周りが見えなくなるという、まさに「恋は盲目」。お金を振り込む前に、まずは現状について、家族や友人、警察に相談してください。

相談、問い合わせはこちら

24時間対応相談電話0120(508)878
出前講座の問い合わせ和歌山県警察本部生活安全企画課
073(423)0110

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