配車アプリと電動バイクで移動問題を解決へ
シン・運転代行業界

リビング和歌山9月9日号「配車アプリと電動バイクで移動問題を解決へ シン・運転代行業界」

 夜の街のにぎわいが戻りつつある昨今、よく耳にするのは「運転代行を呼んでも、なかなか来ないわ!」という声。運転代行業者側には深刻な人手不足という事情もあり、ニーズに応えられていないのが現状です。これらの問題を解決するため、真正面から取り組んでいるベンチャー企業が和歌山市にあります。

運転代行を呼んでも来ない…
地方の移動問題に取り組む

 今年5月、新型コロナウイルス感染症が5類に移行しました。週末、夜の飲食街にはコロナ禍以前のように、多くの人が繰り出しています。楽しい時間を過ごし、そろそろ帰ろうかと運転代行を依頼すると、「2時間ほどかかりますわ」「うわぁ、2時間も待つの!」といった光景が…。

「AIRCLE(エアクル)という運転代行配車アプリを利用すれば、平均12分で運転代行業者が指定された場所に来てくれます」と胸を張るのは、和歌山市新通にオフィスを構えるベンチャー企業「myKeeper(マイキーパー)」の代表取締役・青山大翔(ひろと)さん。運転代行業界や地方都市が抱えている移動問題を解決しようと奮闘しています。

運転代行配車アプリ「AIRCLE(エアクル)」

運転代行配車アプリ「AIRCLE(エアクル)」
来てほしい場所を入力すれば、いま近くにいる代行業者を探し出し、平均12分で駆けつけてくれます。現金払い、カード決済OK

運転代行を利用したい人と運転代行業者をマッチングするアプリ「AIRCLE」は、沖縄県のベンチャー企業(アルパカラボ)が、琉球大学と連携して開発、2020年8月からリリースされ、21年11月からは、福岡県でもサービスを行っています。そして今年2月、同社と資本提携し、3月から和歌山県でのサービスを開始しました。

利⽤者がスマホなどで配⾞発注すると、利⽤者と運転代行業者の位置情報をAIが分析して最適な配車が実現するシン(神)アプリ。無駄な回送を省き、待ち時間が平均12分に!

またmyKeeperは、ドライバーの人手不足を解決する1人運転代行請け負い業「ONEMAN(ワンマン)」という革新的なサービスを開発、実施しています。ドライバー1人が折り畳み式電動バイクに乗って利用者が指定した場所(駐車場など)に行き、電動バイクを折り畳んで利用者の車に載せて目的地(自宅など)まで運転、送り届けた後は電動バイクで戻ります。

「運転代行業者は自前の車のガソリン代や駐車場代が不要になり、ドライバーは1人なので人件費の削減が図れます」と青山さん。このドライバーは1種免許所持者であれば業務に携わることができ、人材確保が容易に。経済産業省を通して国土交通省と国家公安委員会から法的に問題ないとの回答を得ており、保険サポートも。現在フランチャイズ化を推進し、全国で20の運転代行業者が加盟しています。

AIRCLEとONEMANの両輪を駆使し、「シン(新)運転代行」を構築する青山さん。運転代行業者として働く両親の姿があり、業界の諸問題を改善したいとの思いが根本にありました。

地方の移動問題を解消するモデルに

ITの力で運転代行業界を革新
待遇向上で人材確保も

青山さんは、海南市下津町生まれの30歳。地元の道場で日本拳法を習っていたことから、スポーツ推薦で大体大浪商高校、大阪体育大学に進学。教員や警察官など公務員を目指していました。

青山大翔さん


「運転代行の空白エリア(紀南)の解消も課題」と話す青山大翔さん

21歳で転機が訪れます。バイク事故で日赤に搬送。九死に一生を得るほどの事故で、意識が戻った際に担当医から「今回は僕が助けましたが、次は青山くんが誰かを助ける番」との言葉をかけられました。

「それまで格闘技に明け暮れ、自分が中心。先生の言葉でハッとさせられ、社会の仕組みを勉強しようと、カンボジアの商社に就職して商売のイロハから学びました」

1年後に帰国。リクルートに入社し、広告営業でトップセールスを成し遂げ、最年少の管理職に。久しぶりにプライベートでカンボジアを訪れると、トゥクトゥク(三輪のタクシー)を配車アプリで呼べるほどIT化が進んでいることに衝撃を受けたそうです。

「中学のときに両親が運転代行業を始め、配車効率の悪さや価格競争など問題が山積していることは知っていました。ITの力で解決できるのではと思い立ち、退職して東京のプログラミングスクールで働きながら勉強し、教える側にも」

2017年、茨城県で運転代行配車アプリを1千万円ほど投資して作ったが大失敗。そんな折、中国や韓国などのサイトで、1人で請け負うスタイルの運転代行が流行していることを知ります。

「公道走行の可否、保険の整備など、日本の法規制は厳しく、事業として成立していませんでした。事業化するため、経済産業省のグレーゾーン解消制度を利用して『ただちに違法性はない』との回答を取得し、大手損害保険会社の協力で実証を繰り返して安全性を確認、1人代行専用の保険を完備しました」

公道走行可能な電動バイクを作る和歌山のベンチャー企業「glafit(グラフィット)」の鳴海禎造社長と知り合い、同社の折り畳み式電動バイクを購入して和歌山で事業を始めることを決意。さらに、AIRCLEを開発した沖縄の棚原生磨さんのもとに足を運びました。

「地方都市における運転代行業の適正化や飲酒運転撲滅など、目指すビジョンが同じでした。自社で新たにアプリを開発して競争するのではなく、運転代行業界の未来を共創(きょうそう)できればいいなと」今年3月から本格的に事業を開始。現在4台のバイクが稼働し、安全教育を受けたスタッフ8人程度が携わっています。また、いくつかの運転代行業者がAIRCLEに参画し、効率良く稼働中。

「両親にも入ってもらったところ約1・4倍の売上だとか。利用料金は1キロあたり1800円で、以降1キロごとに200円追加。他の運転代行より割高ですが、1~2時間も待たされてもう1杯飲んでしまうより、平均12分で呼べて帰れるから結局お得ですよ」

運転代行の価格設定は自由競争。ダンピング合戦の末、業界自体が疲弊しているとか。

「適正価格で稼働し、安定した賃金が確保できれば、運転代行業者やドライバー不足が解消します。利用者側も帰りの足の心配がなくなれば、もっと夜の街は活気づきますし、地域の発展につながるのでは。地方都市は公共交通機関の利便性が低下し、移動手段が大きな問題になっています。和歌山のスタイルで解決できれば、全国のお手本になるはずです」

青山さんは運転代行業界の未来を見据え、力強く語りました。

AIRCLEとONEMAN利用の流れ

1.
アプリ「AIRCLE」を開き、駐車位置と目的地を入力。料金の提示、支払い方法、車に電動バイクが積めるスペースの有無なども入力
アプリ「AIRCLE」を開き、駐車位置と目的地を入力。料金の提示、支払い方法、車に電動バイクが積めるスペースの有無なども入力

2.
注文を受けた後、AIが利用者の近くにいるドライバーを検知。 そのドライバーのiPad(アイパッド)に注文が表示されます
注文を受けた後、AIが利用者の近くにいるドライバーを検知。
そのドライバーのiPad(アイパッド)に注文が表示されます

3.
ドライバーが駐車場に向かいます。なお、車に積めるスペースがないと回答した場合は、電動バイクではない提携の運転代行業者が来ます
ドライバーが駐車場に向かいます。なお、車に積めるスペースがないと回答した場合は、電動バイクではない提携の運転代行業者が来ます

4.
現場で電動バイクを畳んでバッグに収納
現場で電動バイクを畳んでバッグに収納

5.
車に積み込みます(軽自動車でもスペースがあれば可)
車に積み込みます(軽自動車でもスペースがあれば可)

6.
ドライバーが運転席に座り、安全運転で目的地へGO!
ドライバーが運転席に座り、安全運転で目的地へGO!

myKeeper

電話 050(1754)5016
営業時間 午後7時〜翌3時
定休日 無休
ホームページ https://mykeeper.info/
備考

※利用はアプリ「AIRCLE」(下記ダウンロード)をダウンロードして注文。
電話の場合は上記番号へ

ダウンロードはこちら→https://aircle.onelink.me/JRxE/h8xnyyuw?af_qr=true

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