食品ロス削減にもつながる 広げよう! フードドライブ

 今年10月、食品ロス削減推進法が施行。食品メーカーや小売業などの企業で取り組みが進むことが期待されますが、私たち消費者も行動を見直すことが求められます。そんな中、まだ食べられる食料品を、必要としているところに届ける活動をしている「フードバンク和歌山」を取材しました。

食べられるのに廃棄される食料品 1人毎日お茶わん1杯分

”食品ロス”とは、食べられるのに廃棄される食品のこと。和歌山県循環型社会推進課の谷上直紀さんに聞くと、「農林水産省が2016年度の推計として発表した資料によると、国内で1年間に約2800トンの食品が廃棄され、そのうち約643トンが可食部分、いわゆる食品ロスでした。お茶わん1杯のご飯を140グラムとすると、全ての国民が毎日ご飯1杯分くらいの食品を捨ててしまっている計算になります」と説明します。こうした食品ロスを削減するために制定されたのが「食品ロスの削減の推進に関する法律」で、今年10月1日に施行されました。

この法律の中で支援すると挙げられているのが、“フードバンク活動”。品質に問題がないのに、賞味期限が近い、包装が破損しているなどの理由で店舗に並べられない食品や、家庭で食べきれない食品などを提供してもらい、生活困窮家庭やその支援団体など、必要としている人たちに届ける橋渡しをするのが「フードバンク」。そして、フードバンクを支える活動は“フードドライブ”と呼ばれ、今後、地域での広がりが期待されています。
フードドライブを県内でもっと活発にしようと取り組む「フードバンク和歌山」を訪ねました。

“もったいない”を“ありがとう”に

和歌山県内の各地で支援を呼びかけ 必要としている人たちに届ける

「“フードドライブ”とは、家庭や職場で余った食品を持ち寄って、私たちのような『フードバンク』に提供し、“食”に困っている家庭や施設を支援する市民活動です」と説明するのは、「フードバンク和歌山」の理事長を務める古賀敬教さん。

食べきれない食品はありませんか 無駄にせず、有効に活用しましょう

フードバンク和歌山のメンバー。フードドライブの実施場所ではのぼりを掲げ、支援を受け付けています

フードバンク和歌山は御坊市に拠点を置くNPO法人で、教師や地元のPTAに携わる保護者などの有志が集まって2015年に発足しました。個人や企業、行政、また生産者から食品や食材の寄付を受け、一時保管。県内の児童擁護施設や児童自立生活援助施設、母子生活支援施設、社会福祉協議会、ファミリーホームや子ども食堂などに呼びかけて、必要としている場所や人に届ける“フードバンク活動”をしています。

同時に、「御坊こども食堂」を運営。毎週土曜と毎月2回日曜(第2・4)に、事務局がある建物で、地域の子どもや家族を対象に食事を提供しています。子どもたちには無料で学習支援も行っており、教師や教師OB、学生などがボランティアで勉強を教えています。

現在、同NPOのメンバーは12人。加えて十数人のボランティアが活動を支えています。「フードバンクは、もともとアメリカで始まった運動。日本に伝わって広がり、今は『全国フードバンク推進協議会』に加盟している団体が30を超えています」と古賀さん。「食べられる食品が捨てられてしまっている事実がある一方で、食べたくても食べられない貧困家庭があります。私たちは、そんな生活が困難な人たちの支援につながればと、“フードバンク”と“子ども食堂”を両輪に活動を続けています。そして、貧困の連鎖を断ち切ろうと子どもたちの学習支援も行っています」

さらに、フードドライブが和歌山県内でもっと活発になるようにと、御坊市外にも出向いて寄付を受け付ける活動を昨年4月にスタート。毎月1回「フードドライブ実施日」を設け、御坊市のほか、和歌山市、海南市、有田市、田辺市、新宮市で各地域の支援を募っています。同NPO事務局長の鈴木正文さんは、「各地への出張は、私たちのフードバンクへの寄付を広げるというよりも、より多くの方にフードバンク活動を知ってもらいたいという願いを込めています。食品の大切さを見直すきっかけにもなり、消費しきれない食品があるときは“フードドライブ”で誰かの役に立つということを、一人でも多くの人に知ってもらえれば」と話します。

同NPOは11月と12月に、和歌山市・海南市でフードドライブを実施(下記参照)。みなさんの家庭や職場に、食べきれない食品はありませんか。この機会に有効な活用法を考えましょう。寄付できる食品は下記を参考に。

こんな食品を集めています
●米やパスタなど主食になるもの
●食用油やしょう油、みそ、砂糖などの調味料
●インスタント・レトルトの食品
●肉や魚、野菜、果物などの缶詰
●のりやかつお節、干ししいたけ、わかめなどの乾物
●飲料水やお茶、コーヒー、ジュース、お菓子などのし好品
※そのほか、衣類や日用品などの生活必需品、文房具、書籍なども受け付け(書籍は美品で、それ以外は未使用品)

受け付けられないもの
●生鮮食品や調理した食品、アルコールやタバコなど
(生産者からの農作物はOK)
●賞味期限が切れたもの、または1週間以内のもの
●内装など開封したもの

どうやって届ける?
下記のフードドライブ実施場所に持ち込む、または同NPOの事務局まで持参(または郵送)

お問い合わせ先 フードバンク和歌山
住所 〒644-0011御坊市湯川町財部778-7
電話番号 080(3792)0000
注意!! 郵便で送る場合は、送料を負担してください。お米が30kg以上ある場合は事務局スタッフが引き取りに来てくれます

和歌山市と海南市でフードドライブ
それぞれの日程、会場で時間中はスタッフが「フードドライブ実施中!!」ののぼりを掲げ常駐しています。活用できる食品や支援品を持ち込んで

11月17日(日)

時間 午前10時~午後1時
住所 和歌山市中島581-2 エクシード中島駐車場

12月15日(日)

時間 午前10時~午後1時
住所 海南市日方283-6

来年のフードドライブの予定は「フードバンク和歌山」のホームぺージへ

食品ロス削減推進法
世界には飢餓や栄養不足に苦しむ人たちがたくさんいる中、日本は食料の多くを輸入に頼りながらも、まだ食べることができる食品が大量に廃棄されています。そんな食品ロスを削減するため、今年10月1日に、「食品ロスの削減の推進に関する法律」が施行されました。「国や地方公共団体、事業者、そして消費者、それぞれが相互に連携・協力して、国民運動として食品ロス削減を進めるように定められています」と法律について話す和歌山県循環型社会推進課の谷上さん。「すでに食品メーカーが賞味期限の表示方法を変更したり、小売店に納品する期限を賞味期限の3分の1までとする商慣行を見直す動きなどがあります。和歌山県でも、具体的な削減計画を策定していきます」とも。
私たち生活者にはどんなことができるでしょうか。

・無駄なものを買わない (買い物前には冷蔵庫をチェック!)
・賞味期限と消費期限の違いを理解し、消費できる
ものは期限間近なものを購入することも検討する
・料理を残さない。宴会などで「30・10運動」(※)を
※開始からまず30分は席で食事し、終了10分前にも席に戻って料理を残さず食べることを幹事さんなどが呼びかける運動です

一人一人が考えましょう

和歌山県が作ったマグネットシート。冷蔵庫に貼って、実践できることを呼びかけます

和歌山市は、生ゴミ・食品ロス削減を目指す“3きり運動”(使いきり・食べきり・水切り)をすすめるレシピ本を作成

私たちの住む地域の「子ども食堂」でも、米や食料などの支援を待っているところがあります。
(支援したいものがあるときは、まずは事前に問い合わせを)

和歌山市

こはうすの家・こむすび塾

問い合せ先 楠見中と河西コミュニティセンター
電話番号 073(421)7355

中之島子ども食堂

問い合せ先 中之島 橋詰鍼灸整骨院2階
電話番号 090(6236)5827

鳴神子ども食堂

問い合せ先 鳴神 なるコミ
電話番号 073(471)1162

冒険こども食堂

問い合せ先 同市周辺の公民館など
電話番号 050(5243)2608

あいとく子ども食堂

問い合せ先 今福 愛徳医療福祉センター内
電話番号 073(425)2391

おのみなとこども食堂

問い合せ先 下町 天理教紀ノ川分教会
電話番号 090(8538)7949

インド式ヨガ自然かぞく食堂

問い合せ先 市小路 河北コミュニティセンター
電話番号 090(4282)2925

こども広場 ①

問い合せ先 中之島 支えあいセンター虹
電話番号 073(474)5121

こども広場 ②

問い合せ先 栗栖 JAわかやま中央営農センター
電話番号 073(473)9402

海南市

オナカスイータ~ちいさな家~

問い合せ先 船尾 らそ恵友
電話番号 090(2284)3767

きうちこども食堂

問い合せ先 鳥居 天理教紀内分教会
電話番号 073(482)2774

※和歌山県がまとめた「こども食堂」の一覧(今年8月現在)をもとに調査

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