「ゲストハウスRICO」を起点に
にぎわう大新エリア

リビング和歌山3月25日号「「ゲストハウスRICO」を起点に にぎわう大新エリア」 」

 話題のお店が次々にオープンしている和歌山市の大新エリア。中心市街地の空洞化が叫ばれる和歌山市で“最も勢いがあるまち”といっても過言ではありません。ここまでまちを育ててきたのは「ワカヤマヤモリ舎」の宮原崇さん、麻里さん夫妻。ゲストハウスを起点に、点から面へとエリアの魅力向上中!

Profile

宮原崇さん
和歌山市出身。一級建築士。地元での独立を考えつつ、2014年11月開催の「第2回リノベーションスクール@わかやま」に参加して、「ゲストハウスRICO」を設計・運営。まちづくり会社「ワカヤマヤモリ舎」の代表取締役

宮原麻里さん
兵庫県西宮市出身。大阪、東京で商業施設のコンサルティングやプランニングを手掛け、両親の実家がある和歌山市に移住。「ゲストハウスRICO」の立ち上げから関わり、まちづくりにも携わっています

かつての商業の地が衰退を経て “歩いて楽しいまち”に発展中

 大新公園、新通商店街を擁し、歓楽街アロチに隣接する大新エリア。江戸時代は商業の中心地、戦後は、繊維関係の問屋が軒を連ね、にぎわいを見せていましたが、高度経済成長期に入ると、暴力団が事務所を構え、環境が一変しました。

しかし今、そのまちが注目の的。新店が続々オープンし、若者がイベントを開いたり、外国人観光客が宿泊したり、様相が変わってきています。その起点は、和歌山市が空き物件を活用した新たなまちづくりの手法として2014年に開催した「リノベーションスクール」によって誕生した「ゲストハウスRICO」であり、運営する「ワカヤマヤモリ舎」の宮原崇さん・麻里さんの熱い思い。「自分たちが暮らす大新を歩いて楽しいまちに」とエリアマネジメントにいそしんでいます。

遊休不動産を活用して地域活性
昔ながらとイマドキの混在が魅力

「ゲストハウスRICO」は、築50年を超える5階建ての店舗兼住宅「ユタカビル」の一部を改修して、15年にオープン。「訪れる人が、出会いを通して自分の中にある豊かさの種に気づく場所」をコンセプトに、国内外から訪れるゲストを迎え入れ、19年には、1階部分にカフェ・バー&ダイニングも開業。旅人と地元の人たちの交流拠点にもなっています。

「ユタカビル」は、和歌山市のリノベーションスクールで事業計画が実事業化された2例目。建築士として既存建物の改修に興味を持ち、「それがどんどん寂しくなっていく和歌山のまちづくりに生かせるならば」とスクールに参加した崇さん。「ユタカビルをゲストハウスとしてよみがえらせるプランは、建物の用途や構造、インバウンドの増加などさまざまな背景から生まれましたが、近くに『幸福湯』があったことも大きい」と。祖父から孫へと代替わりした幸福湯は19年にリニューアルされ、宿泊客は特別料金で入浴できるなどゲストハウスとは密接な関係にあります。

一方、2人は高齢化が進むこのエリアに、若い人たちに住んでもらいたいという思いもあり、築61年の木造アパート「希望荘」でシェアハウスを運営。次なる展開を視野に、日ごろから空き物件のリサーチをしていて、遊休不動産のオーナーと同エリアに出店したい事業者をつなぐ役割も。

宮原崇さんと宮原麻里さん

ハード面は崇さん、ソフト面は麻里さんと“二人三脚”で、ゲストハウスを一からつくり、運営。「大新ピクニック」や「大新散歩」など、まちづくりイベントも手掛け、地域を盛り上げています

「建物が取り壊されるとまちの姿が変わり、そのまちが持つ歴史や物語が忘れ去られてしまいます。生かせる建物は残していきたいし、そこで新しいことを始めてくれるのは大歓迎」と麻里さん。「バルダーコーヒー」「ボワドゥギ」「コバトパーラー」「三木町発酵ビルヂング」「ノレ/マニエ」。2人が仲介役となり、同エリアの既存建物をリノベーションしてオープンしたお店は、存在感を示しつつ、まちに溶け込んでいます。「昔ながらの店舗とイマドキのお店が混在しているのが大新エリアの魅力。まだまだ面白くなりますよ」と宮原さん夫妻は話します。

まち歩きが楽しい 大新エリアMAP

大新エリアMAP

宮原さん夫妻(ワカヤマヤモリ舎)が関わりのある店舗(A~G)と、特別感のあるランチやテイクアウトグルメなど(①~⑨)、話題のお店を地図上にマッピングしました。さぁ、桜が満開。大新公園にお花見がてら、ぶらぶら歩きましょ!

A bois de gui (ボワドゥギ)、balder coffee (バルダーコーヒー)

bois de gui ボワドゥギ balder coffee バルダーコーヒー

大阪・北浜で展開している“カフェに併設する花屋”の業態で、和歌山への出店を考えていたオーナーと空きビルを手放したかった物件オーナーをマッチング。1階はカフェ「バルダーコーヒー」、フラワーショップ「ボワドゥギ」、3階は1日1組限定宿泊&貸しスタジオスペース。

問い合わせ 073(427)5311(ボワドゥギ)
073(427)5322(バルダーコーヒー)
住所 和歌山市坊主丁13
営業時間 午前11時~午後7時(カフェは第1・3・5土曜11時まで)
定休日 不定休
インスタグラム

@boisdegui_wakayama@baldercoffee

B COBATO PARLOUR (コバトパーラー)

コバトパーラー

 取り壊しが検討されていた元生地店をワカヤマヤモリ舎が、賃借して一部修理。和歌山でカフェ展開を考えていた「バトングループ」のオーナーが建物を気に入りカフェに。レトロな空間でスイーツ、パンメニューなどを提供。

問い合わせ 073(488)9770
住所 和歌山市新通5-24-1
営業時間 午前9時~午後6時(OSフード5時、ドリンク5時半)
定休日 木曜
インスタグラム

@cobato_parlour

C COBATO BAKE FACTORY (コバトベイクファクトリー)

COBATO BAKE FACTORY

「コバト・パーラー」の倉庫に使っていた向かいの空きテナントに姉妹店がオープン。店内で焼いたベーグル&焼き菓子を提供。大阪・天満橋で飲食業や雑貨店など9店を“街角展開”している「バトングループ」らしい出店戦略。テラス席も併設。

問い合わせ 073(488)9770(コバトパーラー)
住所 和歌山市新通5-36
営業時間 午前11時~午後5時(売り切れ次第終了)
定休日 木曜
インスタグラム

@cobato_bake_factory

D Guesthouse RICO(ゲストハウスリコ)、Una rama de RICO(ウナラマデリコ)

Guesthouse RICO(ゲストハウスリコ)、Una rama de RICO(ウナラマデリコ)

 5階建てのビルをシェアハウス、ゲストハウス、カフェ&バー、コワーキングスペースと段階的に改修。カフェやバーは宿泊客以外も気軽に利用できます。地元の食材を使った料理が美味。宮原さん夫妻とのおしゃべりも楽しい。

問い合わせ 073(488)6989
住所 和歌山市新通5-6
営業時間 バー&ダイニング午後6時〜11時半(木~土曜)、
カフェ午後6時〜10時(日~水曜)、
ブランチ午前10時〜午後3時(土・日曜)
定休日 無休
インスタグラム

@rico.wakayama

E norae/ma niece (ノレ/マニエ)

norae/ma niece

 夫婦で営む美容室「ノレ」とセルラムサロン「マニエ」。建物の雰囲気が美容サロンに向いているかもと紹介。中で仕切られたプライベート空間でマンツーマン対応。マニエは女性専用、英国発祥の美容機器「セルラム」導入店。

問い合わせ 080(5322)3869(ノレ)
住所 和歌山市南雑賀町58
営業時間 午前10時~午後7時(ノレ)、
午前9時半~夕方(マニエ)
※両店完全予約制
定休日 月曜(ノレ)、不定休(マニエ)
インスタグラム

@norae_masaki@maniece___haruna

F 幸福湯

幸福湯

 ニューレトロな銭湯。地元の人たちだけでなく、“サ活(サウナを楽しむ活動)女子”たちにも人気。入浴料大人440円、小学生150円。オリジナルの銭湯グッズがかわいく、「ゲストハウスRICO」とコラボレーションの「大新巡りMAP」のタオル、エコバッグも販売。

問い合わせ 073(433)4526
住所 和歌山市北休賀町31
営業時間 午前11時~午後11時半(土曜は午後3時半から)
定休日 水曜
駐車場 あり(19台)
インスタグラム

@kofukuyu4526

G 三木町発酵ビルヂング

三木町発酵ビルヂング

 市役所近くで「サンドヤ」のオーナーから移転先の相談を受け、空き物件を紹介。具材や調味料に“発酵”をしのばせた「サンド」、甘酒スタンド「アマゴト」、みそ汁が主役の定食店「ジル」が入居。

問い合わせ 073(488)8088
住所 和歌山市三木町中ノ丁7
営業時間 午前11時~午後6時(ジルは5時まで)
定休日 不定休
インスタグラム

@sando310310@jill.jill26@amagoto.1nichi1ama

1.食堂ことぶき

食堂ことぶき

 食材の恵みが伝わるごはんとおやつの店。蒸しながら焼く、ふわふわの「台湾カステラ」はテイクアウト可。

問い合わせ 073(422)0559
住所 和歌山市畑屋敷葛屋丁22
営業時間 午前11時~3時半(OS3時)
定休日 木・金曜 ※店舗営業は5月7日(日)まで
駐車場 あり
インスタグラム

@shokudoukotobuki

2.うらら

うらら

  宮崎県出身の“ひょっとこ大好きマスター”が迎えてくれるアットホームな喫茶店。秘伝のだし入り「たまごサンド」とコーヒーのセット(900円)を味わって。

問い合わせ 073(427)5260
住所 和歌山市岡南ノ丁6
営業時間 午前10時~午後9時
定休日 不定休
駐車場

なし

3.げんまん

げんまん

  和歌山で数少ない肉まんの専門店。豚の角煮が入った「豚まん」、ジューシーな「とりまん」(各300円)は、売り切れ必至。

問い合わせ 073(423)5590
住所 和歌山市木挽丁24
営業時間 午前11時~売り切れ次第終了
定休日 不定休
インスタグラム

@genmanwakayama

4.七輪焼 つどいや

七輪焼 つどいや

  店主は京都ミシュラン一つ星店で修行。10食予約限定のランチが女性に人気。夜は肉や魚を七輪で焼く居酒屋スタイルで。

問い合わせ 073(426)3800
住所 和歌山市北ノ新地榎丁7北ノ新地ビル1階
営業時間 午後5時半~深夜0時
※ランチは完全予約制の10食限定
定休日 月曜
インスタグラム

@tudoiya2108

5.燦味壱隊(さんみいったい)

燦味壱隊

  炭火で焼き上げた極上ホルモンが堪能できる大衆ホルモン屋さん。昼からガッツリお肉が味わえます。

問い合わせ 073(422)3310
住所 和歌山市北ノ新地2-26
営業時間 午前11時~午後2時、5時~10時半
定休日 日曜、第2月曜
インスタグラム

@sanmiittai073

6.中国彩 崇華(しゅうか)

中国彩 崇華

 品数が豊富で、多彩な中国料理が味わえる。ランチは前日までに要予約、花見弁当も予約可。

問い合わせ 073(426)3434
住所 和歌山市坊主丁1
営業時間 正午~午後2時、午後6時~午後10時
定休日 水曜、第3火曜 
HP https://www.chugokusai-syuka.com
駐車場 あり
インスタグラム

@tyuugokusai_syuuka

7.中六薬局

中六薬局

  1921年創業の老舗漢方薬局。3代目・宇治田元昭さんがオーダーメイドの漢方を調合してくれます。

問い合わせ 073(422)2400
住所 和歌山市新通7-45
営業時間 午前10時~午後7時半
定休日 日曜 ※GW中は事前に電話で確認を
駐車場 なし
インスタグラム

@yakurounakaroku

8.NEST craftbeer&coffee(ネストクラフトビール&コーヒー)

NEST craftbeer&coffee

日本各地、時には海外のおいしい生樽(だる)クラフトビールが常時4~5種類。今日の出合いが楽しみ。 

問い合わせ 073(423)7110
住所 和歌山市雑賀町24(1階)
営業時間 火~土曜午後5時~深夜0時、日曜・祝日午後3時〜深夜0時
定休日 月曜(祝日も休業) 
HP

http://nest-craftbeer.com/

9.グリル三笠

グリル三笠

 今年で67周年を迎える洋食店。ハンバーグなどがのったセット「三笠」(写真・900円)が人気。

問い合わせ 073(423)0918
住所 和歌山市新通5-25
営業時間 火~金曜午前11時~午後2時(OS1時半)、
土曜午前11時~午後2時、5時~9時、
日曜午後5時半~9時(OS8時半) 
定休日 月曜
駐車場

あり

大新公園

遊具 複合遊具、ブランコ、鉄棒、滑り台、砂場
ベンチ あり
トイレ あり(バリアフリーで車椅子対応、おむつ交換可)
水飲み場 あり
地下駐車場

30分100円、
最大料金午前6時~午後6時400円、
午後6時~翌朝6時800円、
収容台数79台

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