主人公の日常を市営住宅や小学校で

7月1日に海南保健福祉センターで記者会見が行われました。左から高明監督、俳優の森本のぶ、田山由起、ゆかわたかし。子役はオーディションで決定! 前列左が主役の西川諄、右が弟役の矢野原圭吾
子どもが日常的に家族の介護や看護、家事などをする「ヤングケアラー」。こども家庭庁の後援で製作される、この社会課題を描いた啓発映画『助けてなんて言えないよ(仮題)』が、今夏、海南市で撮影されます。
『スポットライトを当ててくれ!』など、数々の話題作を手掛ける高明(こうめい)監督が、「僕自身、両親が5歳の時に離婚して、ヤングケアラーでした」と、自らの体験をもとに、家族のケアを担わざるを得ない子どもの葛藤や希望、リアリティーを描きます。
主人公の12歳の少年が通う小学校、精神疾患を抱える母、うつ病に苦しむ父、包丁で傷つく事件を起こす弟と暮らす家や町に、日方小学校や南野上小学校、市営住宅、塩津漁港などが使われ、全編同市内で撮影されます。
高明監督はこれまで海南市や有田市で撮影された作品にスタッフとして関わったことがあり、「サポートしてくれた地域の方々と仲良くなり、本作は小規模で低予算にもかかわらず、相談すると快く協力してくださるとのこと。山があって海が近くて、都会ではない町並みや人と人のつながりが強い地域のコミュニティーがこの作品にぴったり」と、同市が撮影場所に選ばれました。
作品については、「映画で何かを変えられることはないでしょうが、少しでも変えられるようなきっかけになればと思い、本作に臨んでいます。ヤングケアラーの子どもたちを哀れむのではなく、月並みですが助けてあげてほしいし、孤独を抱える彼らが、『助けて』と言えるような社会になれば」と、高明監督は話します。来年2月に開催される「きみの海南映画祭」で完成作品が披露され、その後、国内外の映画祭に出品。2027年1月に全国劇場公開が予定されています。
同作を応援したい人は8月31日(日)まで、クラウドファンディングが実施中 | https://camp-fire.jp/projects/846069/view |
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