普段から美容やスキンケアに気を配っていても、意外と見落としがちなのが「声の変化」。〝声が小さくなった〟〝出にくい〟などと感じたら、加齢による変化が関係しているかもしれません。声が変化する原因や今からできる対策について、和歌山県言語聴覚士会で話を聞きました。

中谷病院リハビリテーション科主任・青木健太さん
加齢だけでなく生活習慣も関係
人間の声は、肺から出た空気が喉の奥にある声帯を細かく振動させ、のど・口・鼻を通るときに共鳴し、音(言葉)となります。加齢などによる体の変化とともに声帯の筋肉がやせ、声を出すときに左右の声帯がぴったりと閉じにくくなると、隙間から息が漏れて〝声がかすれる〟〝会話が疲れる〟〝声が小さくなった〟〝食事時、むせやすい〟といった症状につながる可能性があります。
ただ、加齢だけで一律に声が老化するとは限りません。「声は体の状態をうつすバロメーター。普段声を使っているかどうかに加え、運動習慣、喫煙習慣、呼吸機能、全身の筋力といった生活習慣や健康状態も関係します。声の変化が気になり始めたら、筋力など体の機能にも目を向けるサインだと捉えてください」と話すのは、和歌山県言語聴覚士会理事で中谷病院リハビリテーション科主任・青木健太さん(写真)。
声帯やのど回りの筋肉が衰えると、声が出にくくなるだけでなく、食べ物や唾液が誤って気管に入り起こる、誤えん性肺炎につながるリスクも出てきます。
呼吸と声帯のバランスを整えて
年齢とともに、声が小さくなった・出しにくくなったと感じる人は、声を使う機会そのものが減っていることも。
声の老化を防ぐには、息を送り出す「呼吸」と、その息を受け止めて声をつくる「声帯」のバランスを整えることが重要。「毎日しっかりと声を出して、のど回りの筋肉を鍛えることは、誤えんの予防にもつながります。加えて、口中が潤う程度にこまめに水分を取って声帯の乾燥を防ぎ、のどを潤すことも大切です」と言います。
言語聴覚士は、言葉や声、聞こえ、飲み込みに関するリハビリを行う際、単に声を出す練習をするだけでなく、声の状態を確認しながら、発声に関わる呼吸や口・舌、のどの機能を総合的にみていきます。米国で開発された発声リハビリのプログラム「LSVT LOUD (ラウド)」の資格を持つ青木さんは「このプログラムでは〝あー〟や〝おー〟と、大きな声を出すのですが、そのとき、自分の声を意識しながら、適切な発声を繰り返し、日常会話に生かします」と伝えます。
家族や知人との会話、本や新聞の音読、歌を歌うなど、声を使う機会を持つことは声の健康維持につながります。「声の変化が何らかの疾患の初期症状として現れる場合もあります。急な変化やかすれが続くときは、医療機関で相談してください」と話しています。
青木さんに、自宅でできる声のトレーニングを教えてもらいます。無理のない程度に行ってくださいね。
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