口から始まる健康づくりvol.68トレーニングで予防しようオーラルフレイル

心身の健康や社会性にも関わる
歯や口周りの機能の低下

早期の重要な老化のサインとされている「オーラルフレイル」。フレイルとは、病気ではないけれど、年齢とともに筋力や心身の活力が低下し、介護が必要になりやすい状態のことです。その中でもオーラルフレイルは、噛(か)んだり、飲み込んだり、話したりするための口腔機能が衰えることを指します。

噛む力や舌の動きが悪くなると、食生活に悪影響を及ぼし、心身の機能の低下につながります。また、滑舌が悪くなったり、人との食事ができなくなったりすると、外出することにも抵抗が生まれ、人や社会との関わりが減ってしまうというリスクもあります。口や歯の健康は、体と心の健康や暮らしの豊かさにも関わってくるのです。

まずは、下記のオーラルフレイルのセルフチェック表で、自身の口腔状態を確認してみましょう。「はい」か「いいえ」で回答し、合計点を算出します。合計点が2点以下だとオーラルフレイルの危険性低く、4点以上だと危険性が高いので、何らかの対策が必要になります。

口や喉の筋肉は使わないとどんどん衰えていきます。機能をキープするためにはトレーニングを継続することが大切。日本歯科医師会のホームページ(https://www.jda.or.jp/)では、「オーラルフレイル対策のための口腔体操」が紹介されています。「口や舌の動きをスムーズにする」「飲み込むパワーをつける」「噛むパワーをつける」「滑舌をよくする」「舌のパワーをつける」といった5つの効果別に、多様なトレーニング方法が掲載されているので、参考にしてみてください。いきいきした表情を保つためにも、効果的な体操ばかりです。

また、歯を失ってしまった場合は、硬い物をしっかり食べることができるよう、適切な治療をすることが大切。信頼できる歯科医院の検診を定期的に受けながら、笑顔でおいしく食べられるよう、健康な歯と口腔環境を守りましょう。
(川崎豪彦)

オーラルフレイルのセルフチェック表

出典:東京大学高齢社会総合研究機構田中友規、飯島勝矢

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