哀愁と郷愁だらけ
終わりの境界線って?

テレビのツムジ


哀愁と郷愁だらけ
終わりの境界線って?

 毎年、夏の終わりに感じていた哀愁と郷愁。それも昔の話で、今や季節の境目すら曖昧だ。そんな中、仕事で5年間愛用していたノートパソコンが突然、壊れてしまった。きっと、季節感のない暑さの影響なのだろう。スイッチを入れても、うんともすんとも言わない。これじゃ仕事にならないと、慌てて新たなパソコンを買った。ところが、その夜、壊れたはずのノートパソコンが復活。普通に使えるどころか、やたらサクサクと快調に動き出したのだ。

同じようなことが番組でもある。最終回が決定し、まだ対外的に発表する前なのにも関わらず、急に視聴率が伸びるというやつだ。恐らくだが、どうせ終わるし、今まで出来なかったダイナミックなことをやろう、というのが功を奏するのだろう。中には、あるだけの予算を使ってしまえと、豪快なプロデューサーのもと、収録後の打ち上げが豪華になって士気が上がる番組もあった。とはいえ、それでも必ず終わるのが番組の常。あぁ…かつて担当してた番組もパソコンのように、何かのスイッチを入れたら復活してくれないかしら。

テレビのツムジ 関西の放送作家がバッサリ!
文:岡内義人
読売テレビ「土曜はダメよ」「かんさい情報ネットten.」、ABCラジオ「征平・吉弥の土曜も全開」など番組構成や、テレビCMなどを手がける

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