毎日生き生き健康通信vol.67
本当に熱中症?! 隠れた病気に注意して

甲状腺異常や糖尿病の悪化などが潜む

 厳しい暑さが続くと熱中症が多くなります。めまいやふらつき、たちくらみ、だるさ、頭痛、吐き気、異常な汗が主な症状で、悪化すると熱が出たり、意識がなくなったりします。対策としては、涼しい所で体を休ませる、水分補給などですが、ひどくなると点滴が必要になったりもします。

この時期はもちろん、熱中症に注意が必要ですが、熱中症ばかりに気をとらわれ、他の病気を見逃すこともあります。

その一つはウイルスによる感染症です。6月下旬ごろから新型コロナウイルス感染症が少し増えていますし、感染症は冬のイメージですが、アデノウイルス(プール熱)など夏に流行する感染症もあります。発熱、体のだるさなどに加え、せきや喉の痛みといった上気道に症状が出たときは、病院を受診しましょう。

甲状腺機能の異常によって起こる症状も熱中症に似ています。甲状腺は喉の下にある臓器で、ホルモンを分泌しています。このホルモン分泌が多くなると、汗をたくさんかくようになり、動悸(どうき)がしたり、微熱が出たりします。逆に分泌が少ないと、体のだるさや食欲低下、便秘、気分が沈むなどの症状が出ます。また、糖尿病の人が清涼飲料水を飲み過ぎて悪化するケースも多々あります。高血糖になると、倦怠(けんたい)感、喉の渇き、吐き気、ひどくなると意識がもうろろうすることも。

さらに、夏の暑さで自律神経が乱れると、疲労を感じやすくなったり、やる気が起こらなくなったり、身体的にも精神的にも不調が出ます。ひどくなると、抑うつの原因にもなるので、熱中症だと思い込んで見過ごしてしまわないように注意しましょう。

この他にも、高齢者の尿路感染症(ぼうこう炎)などもあります。初期症状は頻尿や残尿感などですが、高齢になると気付かないことが多く、知らず知らずに悪化してしまい、食欲不振やだるさなどの全身症状が出る場合もあります。

水分補給をして涼しい環境にいるのに、熱や倦怠感などが続くなど、一過性で治まらないときは、熱中症ではない可能性もあります。せきや喉の痛み、下痢などがあるときはもちろんですが、糖尿病の人や高齢者、体重低下が続く人も、体の不具合を熱中症だと思い込まずに、隠れた病気に気を付けるようにしてください。

(辻本直貴)

店舗名和歌山駅前つじもと内科・呼吸器内科アレルギー科
電話番号073-476-5676
Webサイトhttps://wakayama-naika.com/
住所〒640-8341 和歌山市黒田95-5
診療時間(月・火・木・金)9:00-13:00 15:00-18:00
※水曜日・土曜日9:00-13:00

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