治療の最前線! 専門医に聞くvol.19
軽く見られがちな“片頭痛”
長い間痛みを我慢していませんか

“片頭痛”というと、よく聞く言葉で、特に命に関わる病気ではないので軽く見られがちです。しかし、その症状は非常に幅広く、中には、頭痛が起こると体を動かせなくなり、光や音、匂いなどに敏感に反応して頭痛が激しくなるため、暗い部屋にひきこもってしまうほどの重症者もいます。頭痛には吐き気を伴うことも多く、重症ではなくても頻繁に頭痛が起こり、その都度つらい思いをする人も多くいます。

 片頭痛は女性に多いのが特徴で、根本的な原因は分からないので、治療は難しく、慢性化することも多いです。女性の社会進出が進んでいるとはいえ、まだ男性の管理職が多く、職場などでは片頭痛の理解度が浅いのが現状です。重い症状に悩む人がいることを理解してほしいと思います。また、クリニックなどでも、専門医でなければ、ボルタレンなどの鎮痛薬を処方するだけの治療にとどまる場合もあります。もちろん、それで頭痛が落ち着けばいいのですが、症状が良くならないときは、脳神経外科や神経内科、総合内科などで専門的な治療をしましょう。

 鎮痛剤を多用すると、薬剤誘発性の頭痛を起こす可能性があります。もちろん、頭痛の発作が起こったときに、鎮痛剤を飲むのことをためらう必要はありませんが、飲み過ぎには要注意です。薬剤誘発性頭痛なら、鎮痛薬を飲むのは悪循環。頭痛を起こさないように予防する治療が必要でしょう。最近、重症患者を対象とした注射による片頭痛の予防薬ができました。ひどい片頭痛で長く悩んでいる人は、専門医を訪ねてみてください。
(済生会和歌山病院脳神経外科医長・三木潤一郎)

三木潤一郎医長

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