治療の最前線! 専門医に聞くvol.22
糖尿病は早期診断で早期治療
新しい薬で自分に合う治療を継続

 糖尿病は、インスリンの働きが悪くなって血糖値が高くなる病気。全身の血管が傷つき、足先がしびれる神経障害や、失明のおそれがある網膜症、進行すると透析が必要になる腎症などの合併症を起こします。太い血管の流れが悪くなると、足えそや心筋梗塞、脳梗塞も起こしやすく、がん・認知症になりやすい、骨折しやすいなど、さまざまな悪影響を与えます。

治療には、食事療法・運動療法・薬物療法があります。食べ過ぎず、栄養バランスの良い食事を規則正しく取ること、ややきついと感じる運動を食後1~2時間以内に15~30分間、これを1日に2回、週に3回以上行うこと。それでも改善されない場合は薬を使います。糖尿病の薬は年々進歩し、種類も増えました。そのうち、今注目されている2つを紹介します。

一つは「GLP1受容体作動薬」。血糖値を下げる力が優れ、以前は毎日注射が必要でしたが、週に1回の注射で済むようになりました。注射が苦手な人には飲み薬(毎日)もあります。もう一つは「SGLT2阻害薬(飲み薬)」で、血糖値を下げるだけでなく、心臓や腎臓を守る効果があることが分かってきました。糖尿病は血管にダメージを与えるので心臓や腎臓の病気が併存することが多く、よりメリットの高い薬となっています。また、この2つの薬には体重を減らす作用もあります。

ただし、インスリン分泌が極度に少ないと、こうした薬は使えず、インスリン投与が欠かせなくなります。そうなる前に、糖尿病が気になる人は早期に診断を受け、治療を進めることが大切です。
(済生会和歌山病院糖尿病代謝内科・太地真衣美)

 太地真衣美医師

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