異常が通常に!?
天気予報のエンタメ化
例年、言い続けている“何年に一度の異常気象”というフレーズ。そう言われても、いまいちピンとはこない。この暑さは、もはや“通常”になったと言えるのだから。とはいえ、連日の天気予報は最も大きな関心事だ。もちろん数字も上がるし、制作者もそれを分かって、番組内で天気を分かりやすく解説している。
例えば、YTVの「ten.(テン)」「ZIP!(ジップ)」などはカリスマ予報士を確立。МCとの掛け合いを演出し、より親しみやすいキャラを作り上げた。МBS「THE TIМE ,(ザ・タイム)」は、全国各地から中継で天気を紹介。ローカル名物・方言・観光情報を組み合わせている。NHK「ニュースウオッチ9」も、気象キャスターがクイズ形式やストーリーテリングで展開。エンタメ構成で視聴者を飽きさせない。他にも、占いと一緒に天気が表示されたり、空のライブ映像をゆったり流す番組も。近年の夏が命に関わる暑さだからこそ、無関心を防ぐべく、印象に残る仕掛けをしているのだ。異常が通常になった時代。天気予報だけが、毎日違う言い回しを頑張ってくれている。
文:岡内義人
読売テレビ「土曜はダメよ」「かんさい情報ネットten.」、ABCラジオ「征平・吉弥の土曜も全開」など番組構成や、テレビCMなどを手がける
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