駅舎物語
~Stories of the Station House~
- 2025/7/17
- フロント特集
和歌山県内にある約130の駅の中から、鉄道を利用して訪れてほしい駅をピックアップして紹介します。ひと味違った夏旅へ…。
聖地の始まりはここから
フォトジェニックな秘境駅
南海高野線
極楽橋駅(ごくらくばし)

頭上の天井絵巻に見とれ、ついに聖域へ!と高揚感
高野の聖域と俗世を区切る境界といわれる「極楽橋」。高野線の電車はここまでで、ケーブルカーに乗り換えて高野山駅に向かいます。電車側を俗世、ケーブルカー側を聖域とし、両側を結ぶコンコースを見上げると、「いのちのはじまり」をテーマに、高野山ゆかりの動植物などが描かれた天井絵巻に魅せられます。
真田幸村ゆかりの最寄り駅
ホーム販売の「おむすび」を
南海高野線
九度山駅(くどやま)

カラフルな高野紙で装飾されたホームにあるお店

「えび天おかか」(350円)、「びんちょうまぐろ旨煮」(300円)、「ひらひら豚のとん汁」(450円)
戦国武将・真田幸村が隠せいした九度山。駅舎には真田家の「六文銭」をあしらった幕が張られ、幸村ゆかりの地らしさが演出されています。橋本方面行きホームには「おむすびスタンド くど」があり、かまど炊きご飯を使用した“おむすび”などが購入OK。電車の車両を模したイート・イン・スペースで頬張ることができます。
おむすびスタンド くど
お問い合わせ | 0736(20)7553 |
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営業時間 | 午前10時(土・日曜、祝日は9時から)~午後4時(売り切れ次第終了) |
定休日 | 月~水曜 |
@kudo.omusubistand |
鉄道好きに激推し!
築100年の駅舎がホテルに
南海高野線
高野下駅(こうやした)

4人部屋の窓からは電車が走り抜けていく姿も
1925年建造の高野下駅舎をリノベーションして営業する「ニッポニアホテル高野山参詣鉄道」。駅係員の宿直室を改装した4人部屋と、乗務員の待機スペースだった2人部屋が完備。電車や駅関連の古いパーツがインテリアとして使用され、放送や走行音がライブで楽しめます。唯一無二の宿泊体験を。
ニッポニアホテル高野山参詣鉄道
お問い合わせ | 050(1808)9157 |
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金額 | [料金]4人部屋1人あたり1泊8000円~、2人部屋1人あたり1泊9000円~ |
HP | https://nipponia-koyasan.jp/ |
宿泊予約 | https://www.jhpds.net/nipponiakoyashita/uw/uwp3100/uww3101.do?yadNo=329938 |
鉄道で行く駅舎訪問の夏旅
のんびりゆっくり、暑さに負ケズニ
開業時の姿に思いを巡らせ
湯浅の味を堪能する幸せ
JRきのくに線
湯浅駅(ゆあさ)

手前が湯浅駅旧駅舎、向こうが複合施設「湯浅えき蔵」で、現在の湯浅駅はこの中

「本日のおむすび定食」(1100円)
現在の湯浅駅は2019年から運用。1927年建造の旧駅舎は一時期閉鎖されていましたが、2023年5月に「湯浅駅旧駅舎」としてリニューアル。舎内は昭和の雰囲気を残し、土産販売や地元素材などを使った食事が楽しめる「湯浅米醤」が入店しています。ここからデッキに出て、行き交う電車を見ることも(乗車不可)。
湯浅米醤(ゆあさべいしょう)
お問い合わせ | 070(9133)0737 |
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営業時間 | 午前10時~午後5時(食事は午前11時~午後2時OS) |
定休日 | 無休 |
@yuasabeishou |
世界から注目される
ねこ駅長の聖地に降り立つ
和歌山電鐵貴志川線
貴志駅(きし)

DESIGNED BY EIJI MITOOKA + DON DESIGN ASSOCIATES
猫の顔がモチーフとなった 貴志駅の外観

勤務中(若干ウトウト)のウルトラ駅長「ニタマ」。公休日の水・木曜を除く午前10時~午後4時に駅長室で執務しています
無人駅ながら「たまカフェ」「たまショップ」が併設され、駅長室にはウルトラ駅長の「ニタマ」が勤務しています。「たま」駅長が海外メディアで度々取り上げられ、フランス映画にも出演したことから、今も多くの観光客が猫の駅長を見ようと貴志駅を訪問。駅舎内では外国語が飛び交っています。
たまカフェ・たまショップ
お問い合わせ | 073(478)0110 |
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営業時間 | 午前10時~午後4時(ショップは4時半まで) |
定休日 | 不定休 |
HP | https://wakayama-dentetsu.co.jp/ |
明治期に開業した洋風建築
南海加太線
加太駅(かだ)

明治以来、加太の旅はここから
1912(明治45)年、加太軽便鉄道の駅として開業。洋風の外観は当時、かなりのオシャレだったことでしょう。レンガの基礎や木製のベンチ、上げ下げ窓などに、長い歴史を感じさせます。
世界初の3Dプリンター駅舎
JRきのくに線
初島駅(はつしま)

7月22日(火)の始発から供用開始
コスト&タイムパフォーマンス(費用対効果と建築時間)に優れた3Dプリンター施工技術により建てられた、世界で初めての未来型駅舎。実際目にするとコンパクトでカワイイですが、耐震性も備わっています。
昭和初期に建てられたモダン
JR阪和線
紀伊中ノ島駅(きいなかのしま)

保存と活用が模索されている貴重な駅舎
全国にもあまりないという、ひし形の木格子が印象的な駅舎。決して広くはないのですが、天井は高く、大きな窓なので、開放的な空間になっています。1935年開業で、今は無人駅。古さがまた、いい味わい。