治療の最前線! 専門医に聞くvol.4
外科手術やがんの最新治療
体の負担がより少なく

私たちが最新の治療法を取り入れるのには、理由があります。例えば、外科手術では、多くの病気は胸腔鏡や腹腔鏡手術が今はスタンダードになっています。一般的には胆石症やそけいヘルニア、悪性腫瘍なら食道がんや胃がん、大腸がんなどの手術にも胸腔鏡・腹腔鏡が多く用いられます。

その大きなメリットは、“体への負担が少ないこと”です。開腹手術と比べて傷口が小さいので、術後の痛みが少なくて傷跡も目立ちません。術後の回復も早く、入院や安静臥床(がしょう)の状態が短期間で済みます。働き盛りの年代なら社会復帰を早く果たすことができ、高齢期なら、術後の安静による筋力低下など、他の体の機能が衰えてしまうことを防ぎ、できるだけ早く以前の生活に戻れるようになります。

次に、進行したがんの治療ついて、これまでは抗がん剤だけに頼らざるを得ませんでしたが、今は「分子標的薬」や「免疫チェックポイント阻害剤」などの新しい治療薬を組み合わせています。

「分子標的薬」は、がん細胞だけに存在する分子(遺伝子やタンパク質など)を攻撃するよう設計された薬。また、がん細胞は私たちが持つ免疫機能に影響を与え、その力を抑え込んでしまうのですが、こうしたがん細胞の働きを妨げ、私たちの免疫機能が発揮されるように働きかける薬が、「免疫チェックポイント阻害剤」。どちらも抗がん剤と併用することで治療効果が期待できます。

2人に1人ががんになる時代、がんになっても治療し、元気で長く生きられるように医療でサポートしたいと思います。
(済生会和歌山病院 外科部長・坂田好史)

みんなの健康

関連キーワード

 

交通安全キャンペーン2024 贈呈式

交通安全キャンペーン2024 贈呈式

おすすめ記事

  1. リビング和歌山2025年7月19日号「駅舎物語」
     和歌山県内にある約130の駅の中から、鉄道を利用して訪れてほしい駅をピックアップして紹介します。…
  2. リビング和歌山2025年7月12日号「参加者募集!リビング特別体験イベント夏休み! 親子で工場見学」
     もうすぐ夏休み。親子で工場見学に出かけませんか。地元和歌山にゆかりのある産業やものづくりを知り、…
  3. リビング和歌山2025年7月5日号「和歌山県の手仕事を訪ねて 民藝100年の今を生きる 暮らしの中の道具に宿る「美」 」
     1925(大正14)年、思想家・柳宗悦(むねよし)が、「民衆的工藝」を略し、「民藝」と主唱。暮ら…
  4. リビング和歌山2025年6月28日号「片男波に出現!関西最大級のビッグスライダー海上アスレチック AQua LooP 」
     夏休みまであとわずか。今年は片男波海水浴場に巨大な海上アスレチック「AQua LooP」が誕生し…
  5. リビング和歌山2025年6月21日号「今さら聞けない 給与明細のミカタ!」
     給与明細を毎月しっかり確認していますか? 給与明細には多くの情報が詰まっていて、ポイントを押さえ…
リビングカルチャー倶楽部
夢いっぱい保育園

お知らせ

  1. 2025/7/17

    2025年7月19日号
  2. 2025/7/10

    2025年7月12日号
  3. 2025/7/3

    2025年7月5日号
  4. 2025/6/26

    2025年6月28日号
  5. 2025/6/19

    2025年6月21日号
一覧

アーカイブ一覧

ページ上部へ戻る