「症状が良くならないから」「念のために他の病院でも診てもらおう」など、自身の判断で医療機関を変えたことはありませんか? それは「はしご受診」といい、お金や時間を無駄にするだけでなく、体にも大きな負担がかかります。
医療機関を変えるたびに同じような検査・投薬が繰り返される可能性があり、同じ医療機関を3回受診した場合と、はしご受診で3回受診した場合の医療費を比較すると、初診・再診料だけでも約2倍、検査料は約3倍になります(表参照)。特に画像診断などは、検査料が高額なのに加え、体に負担がかかります。また、新たな薬の処方は重複や飲み合わせなどによる副作用のリスクも考えられます。さらに、はしご受診の繰り返しで治療が中途半端になり、かえって治療期間が長引くこともあります。
治療に不安や疑問があれば、まずは医師に伝えて話し合いを。医師とコミュニケーションを取り、信頼関係を築くことが最適な治療につながります。治療法の選択に悩んだときは、別の医師に意見を求めるセカンドオピニオン(自費)を利用し、自身が納得した治療法を選ぶこともできます。セカンドオピニオンを利用したい場合は、主治医に伝えて紹介状と検査結果などを提供してもらい、別の医療機関を受診しましょう。
(全国健康保険協会和歌山支部企画総務グループ)
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