治療の最前線! 専門医に聞くvol.26
脈が飛んだり、早くなったり
心房細動は加齢と共に要注意

 心臓がドキドキする“動悸(どうき)”。緊張すると脈が速くなったり、体の左側を下にして横になると自分の鼓動が聞こえて寝られなかったり︙。こうした動悸は心臓の病気ではないことが多いですが、脈が飛んだり、速くなったり、不整脈という心臓病の可能性があります。

不整脈の1つに心房細動という病気があり、脈が不規則で速くなり、動悸などの症状が出る疾患です。80歳以上の場合、10人に1人リスクがあり、60歳を超えると発症率が少しずつ増え、加齢と共に上昇。約3割の人に症状がなく、気付かない間に脈が乱れている場合も。心房細動は脳梗塞を起こす可能性があるため、症状がなくても検査や治療が必要です。

不整脈の発作は、夜に起きやすい人、運動したときに起きやすい人など、発作を起こす時間や頻度が人によって異なります。常に症状が出ていないので、検査をしても異常が見つからないことがあります。動悸が気になって病院へ行くときは、事前に自分で脈を測って記録しておくと、診断に役立ちます。脈が1分当たり100回以上になると要注意。脈が速くなると自分で測れないこともあるので、脈が測れる血圧計やスマートウオッチを使うと便利です。

病院の検査では、24時間心電図を記録できる装置などを使用しますが、24時間だけでは発作が起こらないこともあります。当院は、2週間記録できる装置を使って、症状が出ているときの心臓の状況を見て原因を調べます。心房細動による動悸が気になる人は、専門医へ相談を。
(済生会和歌山病院循環器内科・尾鼻正弘)

尾鼻正弘医師

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