「なんとかなる」ではならない災害対策② 災害時に大活躍!段ボール

 9月1日は防災の日、9月は防災月間です。皆さん、災害時の備えは万全ですか。普段から防災を意識したり、もしも被災したとき、どのように行動すべきか家族や周囲の人と話し合っておくことが大切です。8月25日号に続いて、防災に関する情報を掲載します。

避難所で役立つ段ボール メーカーや研究者の取り組み

2018年6月に発生した大阪府北部地震、7月に起きた西日本豪雨(平成30年7月豪雨)と、相次いで自然災害が発生し、防災への関心が高まっている昨今。自分や家族の身を守るためには、事前の備えや知識がカギになってきます。今回は、被災して避難所で過ごすことになった場合に役立つ物資として、段ボールに着目。実際にどんな物が、どのように使われるかを紹介します。

今年5月1日、段ボールメーカー「オカジ紙業」(本社=海南市山崎町)が、災害時に避難所で使う段ボール製品などをスムーズに供給できるようにと、海南市と協定を締結。取締役・工場統括の大岡正斉(まさひと)さんに、段ボールメーカーとしての取り組みについて聞きました。また、県内外で防災教育プログラムや段ボールベッド・間仕切りなどを開発している、和歌山大学災害科学教育研究センター客員教授・今西武さんに製品について伺いました。

さらに、和歌山県キャンプ協会理事・和歌山県シェアリングネイチャー協会副理事長の林美由貴さんを講師に迎え、段ボールをテーマにした「親子防災デイキャンプ」を企画。「いざというときに役立つ防災グッズ」の、スペシャル版プレゼントもあります。

 

いざというときを段ボールがサポート

段ボールを使った製品が避難場所での健康被害を予防

オカジ紙業取締役・工場統括
大岡正斉さん

オカジ紙業の大岡さんに、災害時における段ボールの有用性や、メーカーとしての取り組みについて聞きました。

避難場所では、床に寝ることでさまざまな健康被害を受ける恐れがあります。床に寝転んだ状態から、起き上がったり立ち上がったりすることが困難な高齢者の場合は、特に体力を消耗し、活動量が低下します。それをきっかけに寝たきりになってしまうケースも。また、集団生活では個人のプライバシーを確保することが難しいため、ストレスにさらされることに。そこで役立つのが、段ボール。簡易ベッドは寝起きしやすく、床からの粉塵吸引も防げます。段ボールシートやパーテーションも、物質が限られた中で快適に過ごすのに有効です。

「2011年3月11日に発生した東日本大震災では、段ボールが役に立つという認識が薄く、提供できる物資があったにもかかわらず、受け入れの体制が整っていなかったために、ほとんど供給ができなかった。その反省を生かして、段ボール工業組合は各都道府県と、メーカーは各市町村と防災協定を結ぶことにより、災害時にスムーズに物資を供給できる枠組み作りが進んでいます」と大岡さん。被災地のメーカーは、被災によって段ボールを供給できなくなる場合が多いため、できるだけ被災地に近い工場が生産を担当します。

現在、段ボール工業組合は、27都道府県と防災協定を締結。枠組みが整ったことにより、熊本地震の際は段ボールベッド約5000台、大阪府北部地震395台、西日本豪雨災害4611台と、必要に応じて、スムーズに供給されました。

和歌山県は、昨年2月に、西日本段ボール工業組合と協定を締結。そして、今年5月、海南市とオカジ紙業が、防災協定を結びました。大岡さんは「実際に物資を供給するときは、組み立てや廃棄を指導する人が同行する仕組みを作り、経験や反省を生かしながら、必要としている人により迅速に、より役立つ段ボール製品が届けられるよう、今後も枠組みを発展させていきます」と話します。

・床に近いため、ほこりや粉塵(ふんじん)  などを吸い込んでしまう
・床から起き上がる、立ち上がる動作で 体力を消耗
・起き上がることがストレスになり、活動 量が低下
・活動量低下によるエコノミー症候群を 発症する場合も
・冬は冷気が伝わり、低体温に

 

備蓄だけで満足せずに実際に使うことを想定した訓練を

和歌山大学災害科学教育研究センター・客員教授、マーケティングプランナー・今西武さん

今西武さんは、和歌山大学客員教授、マーケティングプランナーとして、県内外の行政、教育委員会(学校)、自治会などと連携し、防災教育プログラムや防災活動活性化プログラムを提供し、ともに実践活動を行っています。

段ボールでできた簡易ベッド「イスdeベッド」は、今西さんが発案し、浅川組運輸(和歌山市築港)と共同研究を行い商品化されました。段ボール箱を並べて作るタイプのベッドではなく、パイプいすを使って簡単に作る一風変わった物。「避難場所として利用される体育館などには、パイプいすがたいてい設備されています。物資が限られた状況を想定し、身近にある物を上手く使うことが重要です」。重さ3.8キログラムと軽量で、女性1人でも手軽に設置できるのがポイント。幅96センチ、長さ185センチ、厚さ約1.5センチ、約75キロの重さに耐えられるといわれています。使わないときは、4つ折りにしてコンパクトに収納することが可能。

今西さんは、その他、連結部分にマジックテープを使った間仕切りなど、被災者のニーズを第一に考えた開発を行っています。「簡易ベッドや間仕切りだけでなく、災害時に使う物は、普段から使えるようにしておくのがいいでしょう。備蓄だけして満足するのではなく、扱いに慣れておくべき。実際に行動してみるという訓練も含めたうえで、地域全体で“備える”ことが大切です」と話します。

災害が起きたとき、何をどのように使えばいいか分からなければ、戸惑うこともあるはず。備蓄だけで終わらせず、実際に使ってみるなど体験しておくことで、いざというときのストレス軽減にもつながります。製品について、「今後、県内の小学校や避難所に指定されている施設で役立てられれば」と。

 


同商品は、2枚で8640円。浅川組運輸が販売 http://www.asakawa-unyu.co.jp/  撮影協力:野崎西小学校(連携校の1つ)

 

林美由貴さん

災害時にも役立つアウトドアのノウハウを学ぶ防災デイキャンプ。林美由貴さんを迎え、今回挑戦するのは“段ボールオーブン”。避難所や屋外で生活をしなければならない状況になったとき、さまざまな物が制限された環境で長く過ごすことになると、気持ちが落ち込みます。そんなとき、みんなでわいわい何かを作ることで、心も体もほっこり。段ボールでオーブンを作り、ピザ作りに挑戦。その他、段ボールを使って災害時に役立つグッズ作りも行います。

講師 和歌山県キャンプ協会理事 和歌山県シェアリングネイチャー協会
副理事長 林美由貴さん
日時 11月4日(日)午前9時半~午後3時
場所 休暇村紀州加太オートキャンプ場(和歌山市深山483)
対象 小学生以上の子どもと保護者
参加費 1人300円+1家族500円(材料費ほか)
持ち物 段ボール、新聞紙など。詳しくは参加者に送付する案内状に記載します
定員 10家族(1家族5人まで)
応募締め切り 10月17日(水)※応募多数の場合は抽選、当選者には案内状を送付します
申し込み 和歌山リビング新聞社
073(428)0281(午前9時半~午後6時半 ※土・日曜、祝日除く)

3LEDヘッドランプ&浮くリュックサック(ホイッスル、防災頭巾、反射テープ付き)

問い合せ:☎073(499)4579和歌山市消防協会

以前同コーナーで紹介し、応募が殺到した2つの商品が、豪華セットに! 夜間作業中、両手が使えて便利なヘッドランプと、ウエットスーツと同じ素材で、体重80㎏まで対応できる浮き輪代わりにもなるリュックサック。市民の防火・防災意識の向上を図る「和歌山市消防協会」(同市七番丁)から、5人にプレゼント。ハガキまたはメールで応募を。〒住所、氏名、年齢、電話番号を明記し、下記の宛先まで。当選発表は当選案内のはがきの発送をもって代えます。賞品の受け渡しは弊社となります

〒640-8557(住所不要)和歌山リビング新聞社「防災グッズスペシャル」係
【メール】 living@waila.or.jp
【応募締め切り】9/5(水)必着

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