鉄道に乗っているとき 津波が来たらどうする?

3月21日、災害対策について考える「ワダイノカフェ」実施

はしごを使った降車訓練の様子

はしごを使った降車訓練の様子

 3月21日、JR西日本と和歌山大学の協定締結を記念した「ワダイノカフェ」が、JR西日本吹田総合車両所日根野支所新在家派出所(和歌山市新在家)で開かれました。ワダイのカフェは、和歌山大学の研究者と一般参加者が、“知的な会話”を楽しむコミュニケーションの場。

 テーマは、「鉄道乗車中、津波から逃げ切る!~『鉄學(てつがく)』ときのくに線の津波対策~」。和歌山大学地域活性化総合センター・准教授の西川一弘さんが、ゲストにJR西日本和歌山支社安全推進室長の清水敏生さんを迎え、トークと避難訓練を実施しました。参加者は、子どもを含めた一般21人。

JR和歌山支社安全推進室長の清水敏生さん

JR和歌山支社安全推進室長の清水敏生さん

 JR西日本和歌山支社は、3月にすさみ町などで地域住民を参加者とした、津波を想定した避難訓練を実施。清水さんは、そこで地域の住民の防災意識の高さを目の当たりにしたといいます。また、「鉄道から避難する場合には、乗客の協力が必須になってきます」とも。

 西川教授は、鉄道防災教育・地域学習列車「鉄學」を考案。これは、自然やグルメなどの地域資源と“防災”を組み合わせて、地域のことを知るとともに防災についても楽しみながら学べる、“旅行商品”としてのプログラム。実際に災害が起きたときの「率先避難者」を増やすことを目的に、これまで6回のツアーを実施。防災意識の低い人に向けた、啓発の工夫などについて話しました。

和歌山大学地域活性化総合センター・准教授の西川一弘さん

和歌山大学地域活性化総合センター・准教授の西川一弘さん

 トークの後は、実際の車両を使って、降車訓練が行われました。①道具を使わずそのまま車両から飛び降りるという降り方 ②ロープを使った降り方、③備え付けのはしごを使った降り方を体験。参加者は、「(車両から地面までの距離が)思ったより高かった」と、想定とのギャップを体感していました。

 「鉄道乗車中に災害が起きたとき、乗務員の指示がなくても、当事者意識を持って率先して非難を」と呼びかける西川さん。JR西日本和歌山支社、和歌山大学は、今後もともに地域住民と連携しながら、津波の仕組みや避難方法を伝える活動を続けていきます。 

 

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