あなたのその行動が働きを鈍くしているかも
免疫細胞のはなし

リビング和歌山2025年8月23日号「あなたのその行動が働きを鈍くしているかも 免疫細胞のはなし」

 私たちが健やかに過ごすために、身体に備わっている〝免疫〟。忙しい毎日の中でついやってしまう行動が、この機能を低下させていることも。日々の暮らしの中で意識したいことを、専門家に教えてもらいました。

濵﨑洋子さん

教えてくれたのは
京都大学iPS細胞研究所
医学研究科免疫生物学
教授 濵﨑洋子さん

check!
日々の行動を振り返ってみて

□ エアコンの冷風が直接当たる場所に長居することが多い

冷房の効いた部屋で1日に何杯も冷たい飲み物を飲んでいる

□ デスクワークで1日中座りっぱなし。通勤中も階段を避けてエレベーターやエスカレーターを使う

□ 休日は家でゴロゴロ。ソファの上で同じ体勢のまま動画を見ている

□ 一人きりの昼食は残り物や菓子パンで適当に済ませがち

□ 家族が寝たらようやく自分の時間。ドラマを一気見して、気づくと深夜に。寝不足が続いている

ママ友たちとの付き合いは苦手、無理して参加して気疲れする

ウイルスとたたかうT細胞は
加齢とともに減少

生活習慣の乱れも影響

 「免疫とは、細菌やウイルスなどの異物が体内に侵入するのを防いだり、侵入した異物を排除したりする仕組みのこと。免疫細胞と総称される、数々の細胞の働きによって成り立っています」

そう教えてくれたのは「京都大学iPS細胞研究所」の免疫生物学教授・濵﨑洋子さんです。

「免疫細胞の中で注目したいのが、〝T細胞〟。この細胞は、体内に侵入した病原体を覚え、2回目以降の侵入時に素早く攻撃し、他の免疫細胞にも指令を出すことで、感染症に対処。体内で発生するがん細胞にも対応するなど、中心的な役割を持っています。

T細胞は『胸腺』という臓器で作り出されますが、小学校低学年くらいまでをピークに、その量は減少。ある程度、どんな病原体にも反応できるくらいの量になると、胸腺が萎縮していき、高齢期にはほとんど作られなくなります。そのため、加齢とともにT細胞は減っていきます」

多くの免疫細胞は加齢で減少することはないようですが、「不摂生などで生活習慣が乱れることで、T細胞を含む免疫細胞の働きは鈍くなります」と濵﨑さん。

「免疫の機能も低下。感染症にかかりやすくなったり、生活習慣病を引き起こしやすくなるという影響があります」

また、免疫細胞に異常が起きると、体内の細胞を誤って攻撃するなど、本来の機能が果たされないことも。

「長く健やかに過ごすために、日々の行動に気をつけて、免疫細胞の働きを鈍らせないようにしたいですね」

上のチェックリストは、免疫細胞に影響を与える行動の一例です。当てはまるものがないか、確認してみて。次項で詳しく紹介しています。

免疫細胞を活性化させる
日常生活のポイントは四つ

 免疫細胞の働きを少しでも維持するために、気をつけたいことを濵﨑さんに聞きました。

「日々の生活で意識したいのが『体温』『ストレス』『食事』『運動』の四つです」とか。上のチェックシートの行動を例に、免疫細胞の特徴や、生活習慣のアドバイスをもらいました。

「もし改善が必要だと思うものがあれば、一つずつ習慣を変えてみて。〝やらなきゃ〟という義務感はストレスになってしまうので、できることから取り組んでみてくださいね」

エアコンの冷風が直接当たる場所に長居することが多い
 冷房の効いた部屋で1日に何杯も冷たい飲み物を飲んでいる

空調や服装で
体の冷えを予防

体温が下がると免疫細胞の働きが鈍くなります。特に夏は、冷たい飲み物や冷房で体を冷やしがち。熱中症や脱水の対策は優先しつつ、涼しい家の中では温かい飲み物で水分補給をする、エアコンの風向きを変えるといった工夫を。冷房が効いた場所に出かけるときは、薄手の上着を用意して体温を調整しましょう。

デスクワークで1日中座りっぱなし。通勤中も階段を避けてエレベーターやエスカレーターを使う
休日は家でゴロゴロ。ソファの上で同じ体勢のまま動画を見ている

運動で血の巡りを改善

 免疫細胞の一部は、血液やリンパ液に乗って全身を巡り、病原体がいないかパトロールを行っています。運動不足で血の巡りが悪くなると、体内の異物に気付くのが遅れてしまう可能性があるとか。ウオーキングやストレッチなどで体をほぐして。座ったままかかとを上げ下げするなど、小さな動きでもOK。筋肉を動かすことで体温も上がり、免疫細胞も活発になることが知られています。

一人きりの昼食は残り物や菓子パンで適当に済ませがち

バランスの良い食事で
腸内環境を整えて

 免疫細胞が正しく働くには、糖質(炭水化物)、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル、アミノ酸などのさまざまな栄養が必要です。また、免疫細胞の7割は腸内で活動しており、腸内細菌が出す物質の影響を大きく受けるといわれています。腸内環境を整えることで免疫細胞の働きも活発に。ただし、腸内細菌の種類や量は人によって異なるため、体に良いからといって特定の食品だけを取りすぎるのはやめましょう。自分に不足しているかもしれないものをまんべんなく補う感覚で、バランスのよい食事を心がけて。

家族が寝たらようやく自分の時間。ドラマを一気見して、気づくと深夜に。寝不足が続いている
ママ友たちとの付き合いは苦手、無理して参加して気疲れする

ストレスをため込まず
心身に休息を

 悩みをため込んだり睡眠不足が続いたりすると、ストレスホルモンが分泌されます。ストレスホルモンには、免疫細胞の働きを抑制する効果が。1面で紹介したT細胞を作る臓器は感受性が高く、ストレスによって一時的に萎縮してしまうのだとか。ストレスがたまっていると感じたら、無理せず心身の休息をとって。悩みごとは友人や専門の窓口に相談を。趣味の時間を作ってリフレッシュするのも効果的です。寝付きが悪い人は、ぬるま湯のお風呂で体を温めたり、日中に体を動かしておくことで入眠がスムーズに。自分の時間を大切にしつつ、夜更かしはほどほどに。

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