治療の最前線! 専門医に聞くvol.11
関節リウマチは早期に治療開始を
関節の破壊・変形が進むのを防ぐ

関節リウマチは自己免疫異常の疾患で、日本の有病率は0・5〜1・0%、100〜200人に1人はいるとされ、意外と多い病気です。40代の中高年の女性に多いですが、今年4月当院に開設したリウマチ・膠原(こうげん)病科では高齢患者も多く、また、若年や男性でも発症します。

手足の指や肘、膝など、全身のさまざまな関節で炎症が起こり、痛みや腫れが生じ、朝はこわばるなどの特徴があります。進行すると関節が破壊・変形し、以前はゆるやかに症状が進むと考えられていましたが、近年、発症早期に急速に進行することが分かり、医療の進歩によって早期に適切な治療を始めれば、関節破壊の進行抑制が期待できるようになりました。発症後できるだけ早く治療を始めることが大切です。

関節痛といっても、加齢による関節の変形や更年期によるもの、甲状腺機能の異常によるものなど、原因はさまざま。すぐに“リウマチ”と疑うことは少ないかもしれませんが、関節の痛みや腫れが何週間も続く場合や、複数の関節で痛みがあるときなどは、まずは専門医を受診しましょう。整形外科を受診する患者さんも多いので、医師同士の連携も重要です。

診断は、関節の触診に加えて血液検査やレントゲン、さらにMRI、関節の超音波検査などにより総合的に行います。関節リウマチなら、肺や血管、神経にも障害が出る場合があり、全身の診察が必要です。内服薬や点滴など治療法はさまざまで、一人一人の症状に合う方法で、進行を抑えることを目指します。

安武美紗生医師

安武美紗生医師

(済生会和歌山病院 リウマチ・膠原病科 医師・安武美紗生)

みんなの健康

関連キーワード

 

交通安全キャンペーン2024 贈呈式

交通安全キャンペーン2024 贈呈式

おすすめ記事

  1. リビング和歌山2025年4月19日号「高品質ブランド由良にんにく」
     一度食べたらニンニクの印象が変わるという「生ニンニク」。とれたての新鮮な香りやじっくり加熱すれば…
  2. リビング和歌山2025年4月12日号「地域を変える! サテライトやシェアオフィスからビジネス創出へ」
    多様な働き方が求められる現在、本来のオフィスとは離れた場所で仕事ができる「サテライトオフィス」など…
  3. リビング和歌山2025年4月5日号「関西パビリオン・和歌山ゾーンの魅力に迫る いよいよ開幕、万博へ!」
     開幕に向け、注目が高まる“大阪・関西万博”。会場に足を運んでみないと分からない楽しさやワクワクが…
  4. リビング和歌山2025年3月29日号「学びたい気持ちを応援! 4月から国の新制度がスタート 子ども3人以上で大学無償化」
    2025年4月から、扶養される子どもが3人以上いる全ての多子世帯を対象に、大学や専門学校などの入学…
  5. リビング和歌山2025年3月22日号「和歌山県、旬の魚を訪ねて漁港巡り 伝統漁法と海の環境に恵まれた加太漁港」
     「さかなをたべよう!」キャンペーンを展開中の全国リビング新聞ネットワーク。今回は和歌山市の加太(…
リビングカルチャー倶楽部
夢いっぱい保育園

お知らせ

  1. 2025/4/17

    2025年4月19日号
  2. 2025/4/10

    2025年4月12日号
  3. 2025/4/3

    2025年4月5日号
  4. 2025/3/27

    2025年3月29日号
  5. 2025/3/20

    2025年3月22日号
一覧

アーカイブ一覧

ページ上部へ戻る