治療の最前線! 専門医に聞くvol.14
がん検診は定期的に
自覚症状なく、早期発見がカギ

当院の内視鏡センターでは、胃・食道・大腸の早期がんの早期発見と、治療に重点を置いています。コロナ禍の検診控えが心配されていますが、最近は、やはり消化管でも、進行したがんが見つかるケースが少し増えているように感じます。

胃や食道、大腸の早期がんは、ほぼ自覚症状がないので、大切なのは“検診”です。何か違和感がある場合はもちろんのこと、特に異常を感じなくても、定期的にがん検診を受けることをおすすめします。市町村の検診は、胃がんは50歳以上で2年に1回、大腸がんは40歳以上で1年に1回が対象となります。食道がんは、胃の内視鏡検査(胃カメラ)で調べることができます。

ただ、検診で胃炎や胃潰瘍などが見つかった場合は、その症状により、毎年検査を受ける方がよい場合があります。また、胃の検診でピロリ菌が見つかった場合は、除菌しましょう。ピロリ菌は萎縮性胃炎を引き起こす原因となり、この萎縮性胃炎が胃がんに進行していきます。ピロリ菌の除菌には、薬を服用します。

近年は衛生環境が良くなって、昔と比べるとピロリ菌は少なくなっています。しかし、胃がんの原因は、すべてがピロリ菌というわけではありません。ピロリ菌が原因でない胃がんもありますので、やはり、検診で早期発見を。胃に限らず、食道、十二指腸、大腸のがんは、早期で小さいうちに見つかれば、内視鏡で切除でき、入院も短期間ですみます。がんが進行して大きくなると、手術が必要になって体の負担も大きくなります。そうなる前に治療したいですね。

田端康人医師

田端康人医師

(済生会和歌山病院消化器内科・医師・田端康人)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

みんなの健康

関連キーワード

 

交通安全バナー2023贈呈式

交通安全バナー2023贈呈式

おすすめ記事

  1. リビング和歌山5月27日号「親子で話そう、考えよう「子宮頸がん予防」9価ワクチンが今年4月から公費に」
     子宮頸がん予防を期待できる9価HPVワクチンが今年4月から定期接種の対象となり、公費で受けられる…
  2. リビング和歌山5月20日号「ノスタルジックな漁師町に新しい風 雑賀崎でまち散歩」
     日本のアマルフィと呼ばれる街並みの風景がノスタルジックな漁師町・雑賀崎。まちを見下ろす高台に新し…
  3. リビング和歌山5月13日号「心に余裕 出張サービス「てとちゃ」 」
     毎日の家事や育児をもっと楽しく豊かにするためには、ゆとりの時間が必要です。今、子育て家族を支援す…
  4. キラキラDECOシール・キーホルダー・ブローチやプリザーブドフラワーを使った室内飾り、クリスタルを…
  5. リビング和歌山4月29日号「約100年の時を経た「湯浅駅旧駅舎」から始める ゆる〜り湯浅トリップ 」
     醤油(しょうゆ)醸造発祥の町として名高い、湯浅。その玄関口となるJR湯浅駅の旧駅舎が、5月14日…

電子新聞 最新号

  1. リビング和歌山5月27日号「親子で話そう、考えよう「子宮頸がん予防」9価ワクチンが今年4月から公費に」

    2023/5/25

    リビング和歌山5月27日号

    リビング和歌山5月27日号  子宮頸がん予防を期待できる9価HPVワクチンが今年4月から定期接種の対…
バックナンバー
リビングカルチャー倶楽部
夢いっぱい保育園

お知らせ

  1. 2023/5/25

    2023年5月27日号
  2. 2023/5/18

    2023年5月20日号
  3. 2023/5/11

    2023年5月13日号
  4. 2023/4/27

    2023年4月29日号
  5. 2023/4/20

    2023年4月22日号
一覧

アーカイブ一覧

ページ上部へ戻る