ウッドショックで価格が高騰
輸入材から国産材へ
紀州材の粘り強さに注目

木目が細かく、美しいスギ、ヒノキ

これからマイホームを建てようと検討中の皆さん、最近、“ウッドショック”という言葉を耳にしませんか。コロナ禍による在宅勤務の増加などに伴い、アメリカの住宅需要増加や木材輸送のコンテナ不足といった要因もあって、昨年秋ごろから輸入木材価格が高騰。日本は森林大国にもかかわらず、木材自給率は4割程度で、建築用木材は約50%を輸入に頼っています。輸入材の品薄状態が続き、国産材に目が向く中、今回は、古くから「紀州・木の国」と呼ばれてきたわが和歌山県で育つ紀州材のお話。

「日本の木造住宅に輸入材が使われるのは、価格のこともありますが、木材の強度も関係しています。梁(はり)など強度が必要な部材には、ベイマツなどが使われることが多いのですが、紀州材も強さがウリ。『粘り強さ』がデータで裏付けられていて、住宅用木材に適しています。また、先人たちが丁寧に育ててきているので、年輪が混んでいて、色ツヤが良いのも特徴です」と、和歌山県林業振興課の担当者は話します。さらに、「県内の森林で生産され、製材加工された木材および木材加工品が紀州材。2020年の県内の原木生産量は24万4000立法mで、スギが61%、ヒノキが36%で残りは広葉樹。うち製材用が12万4000立法mと51%を占めています」と説明します。

県では、長期総合計画で原木生産量を、26年に30万立法mにまで増やすことを目標に掲げ、生産・流通体制の強化、用途に応じた販売先の拡充に取り組んでいます。10年前は16万立法m台だった生産量が、17年以降20万立法mを越えるまでに拡大。昨今の“ウッドショック”は、「国産材への代替のチャンス、追い風ととらえています」と。

ところで皆さん、和歌山に住むものとして、“紀州材の家”には関心はあるけれど、なんとなく高そうなイメージがありません? 「紀州材は県内の工務店で昔から使われていて、住みよい家づくりに欠かせない身近な木材です」とのこと。県が01年度から実施している「紀州材で建てる地域住宅支援事業」は認知度も高く、昨年度は、県内の年間木造住宅着工数の1割強にあたる約370件に補助金が交付されました。

紀州材で建てられた家(写真提供=中村伸吾建築設計室)

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