勝手にリビングノーベル食文化賞

リビング和歌山2025年10月11日号「勝手にリビングノーベル食文化賞」

 各分野で人類に対して多大な貢献をした人物に贈られる「ノーベル賞」。食欲の秋を迎えた今週は、食の道を究めようと研究している店をクローズアップ。研究内容を取材し「勝手にリビングノーベル食文化賞」を贈ります。

ブランド牛賞

紀州和華牛研究所

原大造さん

原大造さん

多彩な一品料理やコースで県産牛を
ご堪能ください

和歌山県と近畿大学が共同開発した「紀州和華牛(わかうし)」を、しゃぶしゃぶで思う存分いただけるお店。「県産ブランドを盛り上げるため、22年に開店しました」と、マネジャーの原大造さんは話します。「研究所という名前が生産者や卸業を連想させるみたいで、『取引したい』と問い合わせが入ることも(笑)」

脂身が少ない赤身肉で、ビタミンが豊富。「しゃぶしゃぶなら、さらに余分な脂を落とせるので、肉本来の味をヘルシーに堪能できます」。あぶりずしなど、各部位の特徴を生かした料理も提供。「私のおすすめはローストビーフ。上質な肉のうま味がしっかり出ます」。また忘新年会シーズンに向けて新メニューを企画中だそう。

19年のブランド化以来、和華牛の名前は徐々に知れ渡り、「県外や海外のお客さまが増えています」と原さん。「食品ロスの減少に取り組んだサステナブルな飼育が、外務省の海外向けサイトで紹介されています」とも話します。和歌山発の和牛が世界のWAGYU(ワギュー)になる日も遠くないかもしれませんね。

お問い合わせ 073(488)9777
住所 和歌山市太田1-1-12 1階 
営業時間 午後5時~11時(OS10時半) ※土・日曜、祝日は午前11時から 
定休日 火曜
駐車場 あり
Instagram @wakaushi_lab

フードイノベーション賞

健康研究所・鉄板ダイニングBENK

鉄と酵素とミネラルの力
食で健康をめざします

 「人は食べ物でできている」。この言葉を掲げる「健康研究所・鉄板ダイニングBENK」は単なるステーキ専門店ではありません。オーナーシェフ・諏訪智也さんが、料理を通して“食と健康”の関係を真剣に探究する場でもあるのです。

研究の原点は子どもさんの体調不良でした。めまいなどで、朝起きられなくなり、起立性調節障害と診断されたことがきっかけ。「薬ではなく食事から改善したい。鉄・酵素・ミネラルを取り入れた食に挑戦し、その効果を徹底的に調べ続けてきました」と諏訪さん。

同店のステーキコースは、肉・魚・野菜・米の栄養バランスをベースに、鉄と酵素、ミネラルをしっかり補える構成。仕上げにはコーヒーではなく鉄窯で沸かした湯で入れたお茶を提供。研究を始めて7年、子どもが健康を取り戻した今、「ステーキを食べても胃もたれしない」という、お客さんの声が集まるたび、研究の成果を実感しているといいます。BENKの一皿は、ただのごちそうではなく、未来の自分の体を作る食事です。

お問い合わせ 073(448)3337
住所 和歌山市内原876-1
営業時間 ランチ午前11時半~午後2時半(OS2時)、カフェ午後2時〜9時、ディナー午後6時~10時(OS9時半) 
定休日 なし
駐車場 あり
Instagram @dining_benk

味や栄養を追求する食の研究者たち

ラーメン賞

中華そば研究所 まるけん

宮本征宗さん

宮本征宗さん

麺も具材も好きなだけ増して
自分好みの一杯に

 店主・宮本征宗さんの名刺に書かれている肩書は“所長”。店名を研究所にしたのは、「生存競争の激しい業界で生き残るために、常に探究心を持って、研究していこう」との熱い思いから。

「子どものころからラーメンが大好きで、将来はラーメン屋になりたい、と思っていた」と話す宮本さん。地元和歌山の有名店やフランチャイズ店で修業を重ね、唯一無二の味を追求。2018年に開店し、「鬼の肉そば」「中華そば」「鬼のまぜそば」(全て880円から)の3つのメニューで、ラーメン通を魅了。

自家製のかえし(スープのたれ)は、ミリリットル単位まできっちり守り、ぶれない味を提供。つぎ足しのだしによる豊潤なスープに、製麺所で特注した麺がよく絡みます。「好きなだけ食べてもらいたい」と、麺の太さや、麺・具材の量を選べるカスタム制度も好評。

固定客が多く、味の安定感を大切にしつつ、「常連さんが分かるぐらいの微差でマイナーチェンジを重ね、進化し続けるラーメンを」と、所長の飽くなき挑戦は続きます。

お問い合わせ 073(425)3150
住所 和歌山市手平5-8-19
営業時間 午前11時~午後2時半(OS2時)、午後5時~9時半(OS9時)
※材料がなくなり次第終了
定休日 日曜、月曜の昼
駐車場 あり
Instagram @maruken_maruken

ヘルシー賞

ピクルス研究所

瀧一洋さん

瀧一洋さん

薬剤師が作る
体にも環境にもやさしい保存食です

 薬局内に、おしゃれにディスプレーされるピクルス。作っているのは、「きのくに薬局」の代表で、薬剤師の瀧一洋さん。

農と食に関心があり、「地場の野菜を使った食品を作れないか」と考えた瀧さん。たどり着いたのが、旬の野菜を無駄なく生かした、健康にも良い保存食、ピクルス。

「酢との組み合わせで、体を整える効果も期待できますしね。試作を重ね、構想すること1年以上。今年5月から店頭に置けるようになりました」
瀧さんが手掛けるピクルスは、季節の野菜と無添加にこだわり、保存料や甘味料も使いません。ピクルス液の絶妙な配合、シャキッとした歯応え、そして野菜のうま味と酸味が食欲を増進。「保存食で重要な、食中毒に関する細菌の検査も行っています」と、瀧さん。

豊富なラインアップに迷いますが、今のおすすめは、「山椒(さんしょう)香るタケノコとこんにゃくのピクルス」(950円)だそうです。山東の春の風物詩を和風ベースのピクルス液に漬け、県産ブドウ山椒の香りを効かせた新商品です。

お問い合わせ 073(462)6777
住所 和歌山市藤田15-1 きのくに薬局内
営業時間 午前9時~午後6時 ※土曜は正午まで
定休日 日曜、祝日
駐車場 あり
Instagram @kisyu_pickles

そば賞

健康料理研究所 さらい

中尾朗さん

中尾朗さん

窓から見える緑に癒やされながら
江戸の粋を楽しんで

 有田川町の山あいにたたずむそば処(どころ)。店主の中尾朗(あきら)さんが振る舞うのは、江戸前の二八そばです。

北海道産のそば粉と小麦粉を使った麺は、喉越しのよい1・1ミリの細打ち。つゆは関西人の口に合わせ、4種のだし節と昆布の配分を絶妙に調整し、そばの風味をぐんと引き立たせています。

証券会社員時代に転勤で国内を回り、各地の食文化に感化された、と話す中尾さん。「東京で、江戸流のそばの楽しみ方を知って。関西との味の違いにも驚かされました」
早期退職後、京都の調理師学校に通い、名店「有喜屋(うきや)」でそば作りのいろはを学びます。一方で、生家を3年掛けて自らリノベーション。開店に合わせて故郷に戻りました。

「親の教えや育った環境から、自然食材が体にもたらす健康効果に常に興味がありました。そばの店を開いたのも、その高い栄養価に注目して」と中尾さん。「健康は食にあり」をモットーに、地の食材や国産の調味料にこだわった一品料理も提供しています。

お問い合わせ 0737(23)8503
住所 有田郡有田川町谷114-1
営業時間 午前11時~
※そばは1日10食前後の提供のため予約優先。夜は予約営業
定休日 不定休
駐車場 あり
Instagram @aridagawa__sarai

スパイス賞

スパイスダイニングLABO

濵慶太郎さん

濵慶太郎さん

知れば知るほど
奥が深いスパイスを身近に感じて!

 和歌山で珍しいスパイス料理店として、今年3月にオープン。エスニック感あふれる料理から、デザート、アルコールまで、スパイス尽くしのメニューがそろいます。
オーナー兼料理人は、飲食店コンサルタントとして、県内で数々のお店を手掛けてきた濵慶太郎さん。実は濵さん、以前はスパイスに苦手意識を持っていたそうで。

辛いものが得意じゃなく、スパイスイコール辛いと思い込んでいたんです」
しかし、風味に深みを加え、多様な効能がある、スパイス遣いの妙に触れ、「試行錯誤しながら、スパイス料理を極めたい」、そんな思いを込めて、店名をラボ(研究所)にしたと打ち明けます。

おすすめは「スパイスチキンカレー」(650円から)。スパイス6種と鶏肉のうま味、トマトの酸味、ヨーグルトのコクが溶け込み、絶品。スパイスラックのコリアンダー、クミン、カルダモン、ターメリック、カイエンペッパーで、自分好みに追いスパイスも。風味や辛さを調整する楽しさを知れば、スパイスの魅力にはまるはず。

お問い合わせ 050(8884)8465
住所 和歌山市十番丁48-1
営業時間 午前11時半~午後2時半(OS2時)、午後5時~10時(OS9時半)
定休日 不定休
駐車場 あり
Instagram @spice.dining.labo

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