和歌山バーテンダー物語 vol.05

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そのBARは橋のたもとにあって川に面する、と聞くだけでワクワクし、川面を眺められるテーブル席もあるとなれば、なおさら心が躍りそうだ。

「オーセンティック(本格派)ではないので、気軽に来て、楽しんでほしい」。バーテンダーのキャリア21年になる上田さんは、私たちに少し距離を置くかのように話し始めた。初めての出会いで緊張状態の際、グイグイ来るのではなく、相手の気を少し楽にさせる接し方。「取材は慣れていないので、すみません」と断りながら、言葉少なに話す。どこか渋さも感じられる。

ダイキリ

ダイキリ

バーテンダーは客の心を読み、客は心を読み取ってもらって、酒が出される。ピッタリ重なった時、最高の時間が始まる。「おまかせで」とオーダーが入っても、瞬時に客の意向をめぐらせて作り、一杯のグラスを差し出すのがバーテンダー。店に300種類以上のボトルが並び、無限大のレシピが上田さんの頭の中にあるから可能。お決まりのビールや日本酒だけの店では、こうはいかないだろう。

「お酒を作るのも好きですが、お客さんとの、一期一会の接点も楽しい。それが店をこれまでやってきた理由の一つ」。店を開いて10年目になるそうだ。

撮影中、「気軽に、気取らずにとはいえ、Tシャツでは店に立たないでしょうね」と投げかけてみた。「それは、まぁ」。最低限の礼儀が存在することに、BARを訪ねる心地良さを感じる。

帳(とばり)が落ち、川面を見つめながら一人、マスターが自分に選んでくれたお酒を飲む。これこそ最高の時間。

(次回は3月14日号に掲載)

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住所和歌山市東蔵前丁32
電話番号073(423)1163
営業時間午後6時~翌1時半
休日日曜
HPhttp://www.bar-marisco.com

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