宅建協会に聞く、消費税増税の影響② 分譲住宅は引き渡し日で決定 中古住宅はリフォームに経過措置

土地代は非課税、建物部分に課税

2019年10月1日に予定されている消費税の増税。マイホームを検討している人のために、その影響について、和歌山県宅地建物取引業協会広報啓発委員長の藪雅仁さんに解説してもらいます。今回は、分譲住宅と中古住宅について。

「前回も伝えましたが、住宅を購入する際、土地代に消費税はかかりません。消費税がかかるのは、基本的に新築の建物部分で、原則として、引き渡し時点の税率が適用されるのは、分譲住宅も中古住宅も同じです」と藪さんは言います。

分譲住宅は、売買契約のタイミングに関係なく、住宅の引き渡し(最終決済)が19年9月30日までに完了すれば消費税は8%、10月1日以降になれば10%かかります。「“家を建てる”というより、“家を買う”という感覚でしょうか。スーパーでお茶を9月30日に買うのと、10月1日に買うのでは消費税率が変わるのと同じですね」と。

一方、中古住宅は、個人間の売買には消費税はかかりません。「ただし、個人間の売買を不動産業者が仲介する場合は、仲介手数料に消費税がかかります。さらに、売り主が不動産業者など法人の場合は、建物価格に消費税がかかります」とのこと。その際、仲介手数料も建物価格も、一般的にかかる消費税は19年9月30日までに売買契約が完了すれば8%、10月1日以降は10%です。しかし、リフォームを行う場合は、19年3月31日まで請負契約が完了していれば、引き渡しが10月1日以降になっても消費税は8%が適用されます。

政府は、増税の負担を緩和するために、すまい給付金の増額、贈与税非課税枠の拡充に加え、さらなる追加措置を検討しています。「恩恵を加味しても、負担が大きくなるようなら、増税前にマイホーム取得を決断するのも悪くないかもしれません。ですが、住宅は人生において大きな買い物です。不安があれば県宅建協会に相談を」と藪さんは話していました。

【分譲住宅】
9月30日までに引き渡し→8%
10月1日以降の引き渡し→10%

【中古住宅】
◆個人売買→消費税はかかりません
◆不動産業者が仲介
9月30日までに売買契約→仲介手数料に8%
10月1日以降に売買契約→仲介手数料に10%
◆売り主が不動産事業者
9月30日までに引き渡し→建物価格に8%
10月1日以降に引き渡し→建物価格に10%
※リフォームは請負契約が3月31日までに完了しているか、引き渡しが9月30日までに完了すれば8%

※次回は1月26日号掲載

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