治療の最前線! 専門医に聞くvol.20
専門医の治療で良質な睡眠を
閉塞性睡眠時無呼吸症

閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)は、睡眠中に無呼吸を繰り返すことで、睡眠不足に関する症状をはじめ、高血圧症、糖尿病、脳血管障害などの合併症に関連する病気です。全国で約300万人のOSA患者がいると推定され、男性は40~50歳代で、女性は閉経後に発症する傾向にあります。

OSAは空気の通り道である上気道が狭くなることで起こり、首周りについた脂肪など肥満が深く関与します。また、顎が小さい、舌が大きい、へんとう肥大など身体的な特徴や、鼻炎など鼻の病気が原因となることも。

主な症状に、いびき、夜間頻尿、起床時の頭痛、記憶力低下、集中力の欠如など。良質な睡眠を得られないため、日中の作業の効率が低下し、居眠り運転による事故のリスクも問題視されています。

問診でOSAが疑われた場合、睡眠中の呼吸状態や心拍数、酸素飽和度を調べる「簡易検査」や「終夜睡眠ポリグラフ検査」を行います。検査の数値が無呼吸低呼吸指数の基準を超えると、経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)の治療適応に。OSAは脳卒中や心筋梗塞を引き起こす危険性が、健常な人と比べて約3~4倍高くなりますが、治療すると死亡率が下がることが分かっています。その他、重症度や病態により、生活習慣の改善、マウスピース装着、口蓋(こうがい)へんとう摘出術などの治療法もあります。

県内ではOSAの精密検査や手術が受けられる医療機関が限られます。まずは内科などのかかりつけ医に相談し、専門的な検査や治療が必要な場合は適切な医療機関を紹介してもらいましょう。
(済生会和歌山病院 呼吸器内科医長・髙木陽)

済生会和歌山病院 呼吸器内科医長髙木陽医長

髙木陽医長

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