経験をもとにした物語で導く やさしさと思いやりの世界 和歌山市の髙田友紀子さんが絵本を制作

書店や福祉施設で自著の読み聞かせも

 人生観を変えた輝かしい経験。差別を受けた歯がゆさや悲しさ。ページをめくるたびに、作者の思いを代弁する登場人物の豊かな感情が、読み手に伝わってきます。

「絵本を通して障害者と健常者の壁を少しでもなくしたい」と話す髙田さん。イラストは姉の鮫島裕美子さんが担当

 和歌山市在住の髙田友紀子さんが、児童文学作家・たかだゆき子として4月にデビュー。『はじめてのうみ』と『やさしいきもち』を2冊同時に出版しました。生まれつき肢体に障害があり、幼少のころから家庭で絵本を楽しむ環境が整っていたという髙田さん。「母に読んでもらったり、姉や双子の兄と一緒に絵本を手作りしたり。大人になってからは読み聞かせグループに参加するなど、絵本はいつもな存在でした」と話します。

 いつか自分の絵本が作れたら―。子どものころからの夢が現実に変わったきっかけは、昨夏に初めて体験した、磯の浦海水浴場での車いすの海水浴。海を五感で楽しめ、「『つらいことがあっても生きていてよかった』と心から思えました」。この経験をもとに、絵本制作に挑戦し、完成したのが『はじめてのうみ』です。

 一方、『やさしいきもち』は、障害があることで差別を受けたときの思いを表現。「私の絵本を通して、障害の有無に関わらず、幼いことから優しさを育む大切さを感じてもらえれば」と話します。

 書店などで自著を読み聞かせするとき、「子どもだけじゃなく、立ち止まって聞いてくださる大人の方もいます」と髙田さん。「『車いすに乗っている人にどのように接すればいいか分からなかったけど、やさしい気持ちがあればいいと絵本から学びました』と、声を掛けてくれてうれしかったですね」

 『はじめてのうみ』28ページ、1404円。『やさしいきもち』40ページ、1620円。ツタヤウェイガーデンパーク和歌山店、宮脇書店和歌山店などで販売。また、読み聞かせの情報は髙田さんのブログ(https://yukkorin-love8.amebaownd.com/)で随時公開中です。

たかだゆき子さんの絵本を読者4人にプレゼント
【応募方法】〒住所、氏名、年齢、電話番号、希望の絵本のタイトルを明記し、〒640-8557(住所不要)和歌山リビング新聞社「たかだゆき子絵本」係、またはliving@waila.or.jpの同係へ。7月10日(水)必着。当選発表は発送をもって代えます

コーナー

関連キーワード

 

交通安全キャンペーン2024 贈呈式

交通安全キャンペーン2024 贈呈式

おすすめ記事

  1. リビング和歌山2025年11月8日号「「もしもノート」を活用して 始めてみよう“人生会議”」
     11月30日は、「人生会議の日」。厚生労働省により定められたものですが、“人生会議”って何? 今…
  2. リビング和歌山2025年11月1日号「深まる秋 お出かけも夜長も カフェでわたし時間」
     ぐっと気温が下がり、秋が一気に深まりました。山々が色づき始め、そろそろ届く紅葉の便りにお出かけ気…
  3. リビング和歌山2025年10月25日号「話題を呼ぶNew Spot 県内初! 「ハンズ」オープン」
     10月15日、近鉄百貨店和歌山店に和歌山県初の「ハンズ」がオープン。さっそく話題を集めています。…
  4. リビング和歌山2025年10月18日号「ワークスタイル -これからの“働く”を考える- 今日も社会を動かす場所で」
     近年、警備の仕事で女性の活躍が目立つようになり、女性警備員が全体の7・3%を占めるまでに増えてい…
  5. リビング和歌山2025年10月11日号「勝手にリビングノーベル食文化賞」
     各分野で人類に対して多大な貢献をした人物に贈られる「ノーベル賞」。食欲の秋を迎えた今週は、食の道…
リビングカルチャー倶楽部
夢いっぱい保育園

お知らせ

  1. 2025/11/6

    2025年11月8日号
  2. 2025/10/30

    2025年11月1日号
  3. 2025/10/23

    2025年10月25日号
  4. 2025/10/16

    2025年10月18日号
  5. 2025/10/9

    2025年10月11日号
一覧

アーカイブ一覧

ページ上部へ戻る