考えよう 災害時の備え 被災地での体験、経験を生かして⑭

和歌山市消防局・高度救助隊 消防司令補 梶本 敦司さん

国際緊急援助隊救助チームの一員としてメキシコへ

災害時は救助に当たる側
どんな事態にも対応できる準備を

国際消防救助隊に登録しているのは全国77消防本部、599人。和歌山県初の派遣

国際消防救助隊に登録しているのは全国77消防本部、599人。和歌山県初の派遣

現場で黙とうするJDRの隊員

現場で黙とうするJDRの隊員

ブレターニャ通り(メキシコ市)での救助の様子(写真提供=JICA)

ブレターニャ通り(メキシコ市)での救助の様子(写真提供=JICA)

昨年9月にメキシコ中部地震が発生。日本に支援要請があり、政府は消防、警察、海上保安庁、医師らで組織する国際緊急援助隊救助チーム(JDR)を派遣。和歌山市消防局高度救助隊の隊員である梶本敦司さんは、国際消防救助隊の登録隊員であり、JDRの一員として9月21日~28日の期間、メキシコ市で救助活動に当たりました。

「上空から見る限りでは目立った被害がなかったのですが、現場に着くと6階建ての共同住宅が“パンケーキクラッシュ”の状態でした。聞くところによると全壊は約40棟、1985年のメキシコ地震より以前に建てられた建物が被害に遭ったようです」と言います。

目撃情報や災害救助犬の嗅覚を頼りに、生存率が低下するとされる「72時間の壁」を念頭に置き、救助資機材を使って穴を開けたり、がれきを取り除いたりして、要救助者を探しました。結果として、見つかった女性はすでに息を引き取っていましたが、保護した犬は飼い主の元に戻ることができたそう。
初めての海外での救助活動に対して梶本さんは、「緊張や不安はありましたが、いつでも行ける準備と心構えはできていました。海外での救助活動は、日常業務の延長線上にあり、ただ、国際ルールにのっとるということと、初めてチームを組む人たちに時には命を預けるということになりますから、とにかくコミュニケーションを大切にしていました」と話します。

小学生のころ、阪神・淡路大震災で被害に遭った人々を救う消防士の姿をテレビで見て、憧れを抱いたという梶本さん。「今は災害が起こったら、自分は救助に当たる側の人。家族には、絶対にここで合流しようという避難場所を決め、備えています」と。

※次回5月19日号掲載

 

梶本 敦司さんが伝えたい災害時の備え

・日ごろから考えていないといざというときにとっさに対応できない
・常に備えておくこと、準備しておくことが大事
・日々の訓練の積み重ねがあるからこそ発揮できる

コーナー

関連キーワード

 

交通安全キャンペーン2024 贈呈式

交通安全キャンペーン2024 贈呈式

おすすめ記事

  1. リビング和歌山2025年9月20日号「あなたのアイドルを探せ!! 【推し活】アニマル総選挙!」
     ジャイアントパンダの帰国から3カ月。新たな“推し”を探すべく「アニマル総選挙!」を開催します。ア…
  2. リビング和歌山2025年9月13日号「行ってみたから伝えたい! 大阪関西 万博体験レポート」
     今年4月に開幕した「大阪・関西万博」は10月13日(祝)の閉幕まで残すところ約1カ月。今週は万博…
  3. リビング和歌山2025年9月6日号「和歌山のヒガシから新着情報 これが新しい橋本です」
    橋本市と聞いても、「あまり行ったことないわ~」との印象を持つ読者は多いかもしれませんね。実はそれっ…
  4. リビング和歌山2025年8月30日号「自然界の脅威に備えよう 人と自然の“キケンな遭遇” 出合ったらどうしよう!?」
     秋は川や山などへ出かける機会が増える季節です。もしも「クマ」や「スズメバチ」などの危険な生き物た…
  5. リビング和歌山2025年8月23日号「あなたのその行動が働きを鈍くしているかも 免疫細胞のはなし」
     私たちが健やかに過ごすために、身体に備わっている〝免疫〟。忙しい毎日の中でついやってしまう行動が…
リビングカルチャー倶楽部
夢いっぱい保育園

お知らせ

  1. 2025/9/18

    2025年9月20日号
  2. 2025/9/11

    2025年9月13日号
  3. 2025/9/4

    2025年9月6日号
  4. 2025/8/28

    2025年8月30日号
  5. 2025/8/21

    2025年8月23日号
一覧

アーカイブ一覧

ページ上部へ戻る