テレビドラマをきっかけに、おうちで手軽に試せる薬膳に関心を持つ人が増えてきています。スーパーで手に入る身近な食材を組み合わせるだけで取り入れられることも人気の理由。今号は、冬の季節に向けた薬膳について、養生薬膳アドバイザー・神谷知佳さんに聞きました。
冬は体を温めるなどして元気に
健康を保つには、自分の体の状態を知ることが大切です。「薬膳は、薬と食べ物は本来同じ源にあるという“薬食同源”という考え方が基本にあります。体質や体調、季節に合った食材を選び、日々の食事を通して、体に足りないものを補い、滞っているものを巡らすという考え方です」と話すのは、リビングカルチャー倶楽部(くらぶ)フォルテ教室講師で、養生薬膳アドバイザーとして「養生サロン・ゆるりか」を主宰する神谷知佳さん(写真)。
特に冬は体が冷えやすく、免疫力も落ちやすいといわれる季節。薬膳ではこの時期、「腎」をいたわることが大切とされ、体を温める、潤いを保つと期待される食材を積極的に取り入れるとよいといわれています。
例えば、ショウガや長ネギ、ニラ、カボチャなどは薬膳でいう、体を温める代表的な食材です。さらに、温める性質の食材だけに偏らず、豆腐やダイコン、コマツナ、ゴボウなど、冷やす性質の食材を加熱するなどして取り入れ、バランスを保つことがよいとされています。
薬膳と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、特別な料理ではなく、身近な食材や旬の食材で季節に合った食べ方をするのが大切とも。神谷さんは、「寒くなると、鍋料理をする機会が増えると思います。カキやシャケの鍋をするなら、豆腐を一緒に入れたり、ダイコンおろしを添えたり、食材の組み合わせで薬膳の考え方を取り入れられます。他にも、黒豆茶を飲んだり、黒ごまをおひたしにかけるだけでもOK」とアドバイスします。
また、首・腰・足元を冷やさないこと、適度な運動と十分な睡眠も大切。「食事は自身の体をつくります。取り入れやすいことから始め、寒い冬を元気に過ごしましょう」と語っています。
11月21日(金)、神谷さんによる「薬膳教室1日講座」が開かれます。詳細は下記で確認を。
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