暮らしにプラス
ほ~ほ~法律 Vol.6
トラブルなどを防止 遺言書の必要な人って?

 日頃からどんなに仲の良い兄弟姉妹・親族であっても、遺産分割などの相続手続きでトラブルになり、裁判に発展するケースが珍しくありません。トラブルを避けるための手段として、自分の死後の財産の分配など、生前にさまざまな意思を残す「遺言書」があります。遺言書は必ず要るものではないので、“自分には関係ない”と思うかもしれません。しかし、遺言書は法的に有効となるものです。自分の死後、財産をスムーズに引き継ぐためにも作成することをおすすめします。

遺言書がない場合は、民法に定められた法定相続が適用されます。民法では相続分を定めているだけなので、具体的に遺産を分けるには法定相続人全員での遺産分割協議が必要になります。また、家庭の状況によっては法定相続分で分けることが実情に即しているとは限りませんので、相続人の間で不平等な感情が生まれ、トラブルになるケースがあります。

遺言書があれば、法定相続分によらず、相続人の相続分や遺産分割の方法も定めることができます。例えば、子どもの配偶者や孫など、法定相続人以外の人に財産を渡したいときは、遺言書を残すことで、遺産分割協議をせずに自分の意思に沿った相続手続きができ、トラブルを回避できます(左記参照)。ただし、兄弟姉妹を除く法定相続人には、法律で保障される遺留分を請求する権利があります。法務局では、自身で書いた自筆証遺言書を預かる制度「自筆証書遺言書保管制度」があります。詳しくは、和歌山地方法務局供託課073(422)5131に相談を。

和歌山地方法務局供託課遺言書保管官・松田卓

和歌山地方法務局供託課遺言書保管官・松田卓さん

法定相続人

配偶者・・・常に相続人
第1順位・・・子ども
第2順位・・・直属尊属(親)
第3順位・・・兄弟姉妹
※子どもが相続人になる場合、直系尊属と兄弟姉妹は相続人になりません

遺言書が必要と思われる人

  • 夫婦の間に子どもがいない
  • 再婚して前の配偶者との間に子どもがいる
  • 子どもの配偶者や孫に財産を分けたい
  • 財産の割合が不動産に偏っている
  • 認知症などで判断能力を欠く相続人がいる
  • 家族関係に応じた適切な財産継承をさせたい

コーナー

関連キーワード

 

交通安全キャンペーン2024 贈呈式

交通安全キャンペーン2024 贈呈式

おすすめ記事

  1. リビング和歌山2025年6月21日号「今さら聞けない 給与明細のミカタ!」
     給与明細を毎月しっかり確認していますか? 給与明細には多くの情報が詰まっていて、ポイントを押さえ…
  2. リビング和歌山2025年6月14日号「 和歌山市の魅力を伝える広告が新大阪駅に 市の職員が制作! 彼女の名は?」
     関西の玄関口となるJR新大阪駅の新幹線改札内で、和歌山市のPR広告が放映されています。広告画像の…
  3. リビング和歌山2025年6月7日号「 甘~い誘惑! ドーナツ店巡り」
     6月第1金曜日の「ドーナツの日」に合わせて今号はドーナツ特集。定番のシンプルドーナツ、クリームが…
  4. リビング和歌山2025年5月31日号「いざというとき、自分の身を守る “護身術”を学ぼう」
     夏は夜の外出やイベントが増える時期。不審者や痴漢、通り魔など犯罪も起こりやすくなります。いざとい…
  5. リビング和歌山2025年5月24日号「価格高騰!令和米騒動 今こそ考えたい、食と農の未来」
     政府が備蓄米を放出したものの、市場への影響は限定的で、米の高騰が続いています。こうした状況だから…
リビングカルチャー倶楽部
夢いっぱい保育園

お知らせ

  1. 2025/6/19

    2025年6月21日号
  2. 2025/6/12

    2025年6月14日号
  3. 2025/6/5

    2025年6月7日号
  4. 2025/5/29

    2025年5月31日号
  5. 2025/5/22

    2025年5月24日号
一覧

アーカイブ一覧

ページ上部へ戻る