新型コロナ、3年間の日々の記録
前県技監・野㞍さんがエッセー発刊

東京医療保健大学 学事顧問・特任教授 野㞍孝子さん

東京医療保健大学
学事顧問・特任教授 野㞍孝子さん
【プロフィル】
宝塚医療大学特別客員教授、紀南病院医療顧問を兼務

 前・和歌山県福祉保健部技監の野㞍孝子さん(写真)が、『“和歌山方式”を生んだ新型コロナとの連戦に思う』(ぎょうせい出版、A5サイズ、210ページ、2200円)を発刊しました。2020年から約3年間、保健医療行政のトップとして、陣頭指揮を執ってきた日々の記録をエッセー風にまとめた一冊。表紙は、自身が好きな緑色を基調に、和歌山県の地形と虹をデザイン。野㞍さんは「3年間取り組んできたことを自分だけのものにせず、伝えるのも役割りの一つ。今後の公衆衛生の発展に少しでも貢献できればうれしいです」と、発刊に至った思いを伝えます。

書籍は、帰宅してから夜な夜なA4の用紙に、その日の出来事、そのときでなければ生まれない気持ちや考えを書き留めたもの。全国初の院内感染が起こった2020年2月から、5類移行前の2023年3月までのことを年度ごと分けた3編で構成。「和歌山方式」を確立したときの裏話、感染者公表の際の葛藤、感染拡大と向き合う中で起こる心の叫びなどが、時系列でリアルに描かれています。野㞍さんは「働き者の両親を見て育ったこともあり、とにかく“前向き”がモットー」と自己を分析。「医療関係者や県職員など、さまざまな人との信頼関係があってこそ乗り切れた難局。人間は人と人とのつながりの中で生きているんだ、と改めて認識しました。県民の命を守りたい、という気持ちを貫けたことは良かったです」と振り返ります。

野㞍さんは今年3月、県庁を退職(写真下)。現在は東京医療保健大学で、診療看護師(NP)の普及に向けて動き出しています。現時点では、日本NP教育大学院協議会が認定する大学院は近畿圏内にはなく、県出身の有資格者は2人(うち1人は県外勤務)。「看護師が医師の治療の一端を担うことで、地域医療は必ず充実します」と力を込めます。

多忙な日々。”趣味は?”の質問に「そうね~」と考え、「家事や中国の伝統音楽を聴くこと。それと、買い物を兼ねた長男との散歩かな」と言い、はじける笑顔を見せていました。

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