和歌山市の岡本さん編集
『有吉佐和子ベスト・エッセイ』発行

岡本和宜さん

近代文学研究者
岡本和宜さん
【プロフィル】著書『丹羽文雄書誌』、編著『有吉佐和子の本棚』などあり。刺田比古神社の禰宜(ねき)

 和歌山市出身の作家・有吉佐和子(1931~1984年)のエッセイとルポタージュを集めた『有吉佐和子ベスト・エッセイ』が、筑摩書房から発行されました(376㌻、990円)。編集したのは同市在住の近代文学研究者・岡本和宜さん(写真)。大学時代から約30年間にわたり、有吉作品の研究や収集を続けており、「今、手にすることのできない、有吉のものの考え方や人となりが分かる作品がたくさんあります。それらを残していけるよう、一部ではありますが、この1冊にまとめています」と話しています。

岡本さんによると、『恍惚(こうこつ)の人』や『複合汚染』など、社会に渦巻く問題を反映させた現代にも通じる題材で、数多くの作品を生み出した有吉ですが、エッセイに関しては数えるほどしかないとも。岡本さんは、有吉の書籍カバー袖の文書や新聞の小さな掲載記事などを一つ一つ探し出し、データ化してきました。

ベスト・エッセイに収録しているは、「家族」「旅」「仕事」をテーマに選んだ56編。作品の裏話、兄嫁との一場面などがあり、岡本さんは「どの編から読んでも楽しめる一冊になっています」とPRしています。書籍は主要書店で取り扱われています。

また、岡本さんは、有吉作品の中から、ルポタージュ『輪島の漆器』と戯曲『藤戸の浦』の豆本を発行。市立有吉佐和子記念館(同市伝法橋南ノ丁)で販売しています。売上は経費を除いた全額、能登半島地震の復興義援金として寄付されます。

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