3D技術で本物そっくり!
レプリカをつくる博物館

リビング和歌山2026年7月18日号「 3D技術で本物そっくり! レプリカをつくる博物館」

 昨年10月に開館した「レプリカをつくる博物館」(紀美野町神野市場)。3D技術を駆使した骨格標本や剥製などが並び、生き物の生態や体の仕組みを楽しく学べると注目されています。夏の自由研究を兼ねて、訪れてみませんか!

模型に特化した国内唯一の博物館
3Dレプリカの製作も間近で見学

「レプリカをつくる博物館」は、動物や化石など自然史に関する模型に特化した国内唯一の博物館です。紀美野町の自然や生き物を地域の財産として未来に残そうと、2023年に「きみの自然体験館」を開設。博物館登録されたのを機に昨年10月、「レプリカをつくる博物館」として開館しました。

運営するのは、2018年に設立した博物模型専門の民間企業「アンフィ合同会社」で、3D技術を駆使し、保存が難しい自然物を観察・研究できるよう、学術資料となるレプリカの製作を行っています。国内の博物館や教育機関からの依頼も多く、県内ではワカヤマソウリュウの骨格復元模型や、和歌山城公園動物園のベニー園長の3D模型も手掛けました。

同社の強みは断層撮影で内部構造を可視化できるCT。同社代表で博物館館長の佐々木彰央さん(写真)は「表皮を残したまま骨格のデータが取得できるため、解剖せずに内部構造を確認できます」と説明します。細かな骨など再現が難しかった骨格模型を、より本物に近く製作できると期待されており、実際にモグラの頭骨の後方付近に1本の骨があることが判明し、学術的に貴重な発見につながったことも。そういった資料が見られるのも同館の魅力です。

レプリカをつくる博物館 館長
アンフィ合同会社 代表
佐々木 彰央さん

館内には、ゾウやナマケモノ、モグラの骨格標本、三葉虫の化石、シカやキツネ、ヒヨドリの剥製などがずらり。3Dレプリカの製作過程を見学できる他、常設展は同町で見られる動植物を中心に展示されています。

入館無料なので近所の子どもが自由に出入りし、身近な学びの場に。佐々木さんは「最新の研究結果を取り入れながら模型を製作し、常設展の内容も随時更新しています。訪れるたびに新たな発見がある博物館として楽しんでもらえればうれしいです」と話しています。

▲頭骨後方の骨に着目。コウベモグラの骨格標本
▼コウベモグラの剥製

さまざまな動物を間近で観察

3Dプリンターを使って製作している様子を見学できます

頻繁に展示替えが行われるのも特徴の一つ

アカシカの剥製

ヒヨドリの剥製

レプリカをつくる博物館
学芸員
廣井 裕子さん

地域の動植物を身近に
本屋コーヒーでひと休み

 紀美野町で見られる生き物や植物をパネルで紹介。解説文もあり、子どもから大人まで楽しく学べるよう工夫されています。  室内にはセルフのコーヒーメーカー(300円)もあり、ひと休みするのにぴったり。図書コーナーには生き物や科学に関する本が並び、自由に手に取って読むことができます。

カプセルトイもあるよ!

見て・触れて、好奇心を刺激!

オリジナルの模型に色を塗る体験や周辺の生き物を観察するイベントなども開かれています。同館を訪れるときは、ぜひ参加してね!

イベント
模型の色塗り体験

恐竜や鳥、カエルなど、あらかじめ準備された3D模型を選び、着色します。模型の種類は同館のホームページで確認を。予約は不要ですが、ホームページ掲載の模型の中で希望する種類がある場合は、事前予約が必要。

材料費 1体1500円

イベント
石こうを使ったレプリカ製作体験

 三葉虫やアンモナイトなど、本物の化石標本からとった型に石こうを流し入れ、オリジナルレプリカをつくります。月面のクレーターのレプリカも人気です。予約不要。

材料費 1個1000円

イベント
きみの自然体験
「ビオトープをつくろう!」

 日本両生類研究会が主催する、同館野外エリアのビオトープで、生き物調査と環境整備のイベントが隔月で開かれています。小雨決行。要予約。

日時 9月5日(土)午前10時~正午
服装・持ち物 汚れてもよい服装・長ぐつ・軍手、飲み物、タオル。網やプラケースなどの観察道具(持っている人)
材料費 保険代など1人500円
■申し込み・問い合わせ
レプリカをつくる博物館
電話番号 0734(88)5513
住所 紀美野町神野市場78
営業時間 午前10時~午後4時
定休日 月曜
駐車場 あり
HP https://amphillc.com/
Instagram @amphi_llc

自然をみらいへつなぐ人たち

紀美野町で自然や生き物と向き合い、その魅力を発信する人たちを紹介します。

きみのちょうちょ研究所 所長 猪狩元気さん

 きみのちょうちょ研究所 所長 猪狩元気さん 栃木県出身、小学校教諭を経て同町に移住。会社員として働く傍ら、子ども向けの自然体験や昆虫採集、標本製作のワークショップなどを定期的に開催しています。
幼いころから昆虫好きで、特にチョウの模様や色彩にひかれたそう。所有するチョウの標本は1500頭以上。「好きなことが仕事につながることもあります。その可能性を子どもたちに伝えたいです」と話す猪狩さん。夢はチョウの博物館をつくること。「かつて夢中になったことは大人になってもわくわくするもの。世代を超えて昆虫の魅力を伝えていきたいです」と話しています。

◉きみの昆虫探検隊「ライトトラップ」

 光に集まる昆虫の習性を利用し、同町に生息する昆虫を観察します。参加費2000円(要申し込み)。

日時 7月19日(日)午後7時半~9時半
場所 のかみふれあい公園(紀美野町西野)
詳細 こちらをご確認ください

◉むし万博

 「好きを承認される空間」をコンセプトに、多種多様なチョウの標本が並びます。入場無料。また、小学生~大学生を対象に、出品者も募集中(8月31日締め切り)。

日時 9月19日(土)午後1時~6時頃、
20日(日)午前11時~午後5時頃
場所 紀美野町文化センター(同町神野市場)
詳細 こちらをご確認ください

きみのちょうちょ研究所の最新情報や問い合わせはこちら ▷インスタ@kimino_insect

紀美野町自然環境ネットワーク 会長 行年恭兵さん

紀美野町自然環境ネットワーク 会長 行年恭兵さん 専門は森林分野。教科書会社で勤務していましたが、自然豊かな地域で暮らしながら、その魅力や価値を伝えたいと、広島県から同町へ。

小川地域棚田振興協議会の「中田の棚田再生プロジェクト」に関わり、町内外のボランティアとともに耕作放棄地となっていた棚田を整備。水田の再生をはじめ、生き物フォーラムの開催や稲わらを使った鍋敷きづくりなど、広報活動を通じて新たな取り組みを展開しました。

現在は地域づくりや自然環境に関するさまざまな団体の事務局を担う他、自伐型林業の普及にも携わっています。行年さんは「自然を軸に地域の課題解決につながる活動を続け、人も地域も自然も皆が笑顔になれる循環をつくり出していきたいです」と、今後の展望を語っています。

紀美野町自然環境ネットワークの最新情報などはこちら ▷インスタ@kimino.nature.network

絵本カフェでひと休み
◉きみとぴあ

絵本に囲まれ、ゆっくりと過ごして

コーヒーとヨーグルトムース付き「デュオセット」(850円)

土・日曜だけ営業する、絵本や児童書を楽しめるブックカフェ。新潟産の米粉を使ったマフィン(170円から)や季節の果実入りチーズケーキ、プリンなどが楽しめます。店主の母親がいるときは絵本の読み聞かせも。リクエストしてね。

電話番号 090(5241)3715
住所 紀美野町福井143
営業時間 午前10時~午後5時
定休日 月~金曜
駐車場 あり
Instagram @kimi.topia

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