意匠性・機能性・予算をバランスよく
建築材料の特徴を知り、住まいの見た目と快適さをアップ! 新シリーズ「建材を極めておうちをコーデ」の初回は「内装の仕上げ材」について。「南方設計」(和歌山市十二番丁)の1級建築士・南方一晃さんが解説します。
内装の仕上げ材とは、天井や壁、床など、毎日目にしたり触れたりする部分に使用する建材のこと。「壁紙や塗料、木材、ビニールクロス、タイルなど、多種多様な素材があります」と、南方さんは説明します。
「仕上げ材の種類が多く、何を基準に選べばいいか迷う」との声も。南方さんは、「“意匠性・機能性・予算”、この3つのバランスを意識して」とアドバイス。意匠性は、模様や色彩、質感などデザイン面の要素を含み、機能性は防汚性、調湿性などの素材の性能を指します。予算に関しては、「バラエティーに富んだ素材やグレードがそろうため、価格の幅が広く、コストコントロールしやすいですよ」とのこと。
新居でどんな暮らしがしたいのかイメージを膨らませると、要望がかなう仕上げ材が具体的に挙げられます。「例えば、『人が集まるリビングは、シンプルで清潔感ある空間に』と思うなら、壁を天然素材のけい藻土やしっくいにするのも選択肢の一つ。特性である調湿性や脱臭機能で、心地よい環境が整います」と南方さん。「予算が足りなければ、けい藻土を表装した壁紙にすると、コストダウンできます」とも。
最近の内装の傾向として、「『室内空間にアクセントを加えたい』との依頼があります」と話す南方さん。「壁にワンポイントでタイルを入れたり、部屋ごとに異なる色や柄のアクセントクロスを使ったり」。数種類の木材を玄関ホールに取り入れた木質内装も手掛けたそう(写真)。
中古住宅も内装を自分好みに変えれば、新しいわが家へ生まれ変わります。「心地よい空間で毎日過ごせるように、楽しみながら仕上げ材を選んでくださいね」と、南方さんは話していました。

クリの木の床、ウエスタンレッドシダーの壁、タモのカウンターと、木質空間が広がる内装(写真提供=南方設計)
関連キーワード
 
					 
					


 
	 
	 
	 
	 
	 
	 
	 
	 
	 
	







